ちょっと出掛けたついで
母ちゃん実家近くの桜で有名な公園
けんちゃんに
満開の
これでもかっていうくらいの桜
桜の花に飲み込まれる
そんな感覚
感じさせてやろうって
でも
あれれ・・・
公園までの坂道
桜
こんなものだったかなぁ
道に覆いかぶさる勢いはない
公園に着くまでに
気持ちが沈む
やっと
ちょっとだけ
持ち上げたのに・・・
そうか
この桜並木を小学生の母ちゃん
桜に覆いかぶされそうな道
桜のトンネル
通学路
もうあれから気が遠くなる時間
人生って
こうやって過ぎて行くんだなぁ
小学生だった母ちゃんに
少しだけ
伝えたくなった
大事なこと
二つだけ
いや
三つだけ
駐車場に着いた
交通整理のおじちゃん
ありがとう
車からけんちゃんを降ろしてると
けんちゃんが聞いた
ここはどこ?
○○公園
桜のお花いっぱいだよ
見にいこっ
手を繋いで歩き始めた
この手を離したくない
離しちゃダメだ
けんちゃんと手を繋いで歩くと
いつも
そう心に浮かぶ
けんちゃんの手が少しだけ
母ちゃんの手を引いた
ん?
おかねいる?
・・・いらないよ
この公園はお金いらないよ
お金のいる公園に行ったことないし、
それとも
駐車場のこと?