産経新聞 平成31年2月7日 17時54分
【パリ=三井美奈】仏自動車大手ルノーは7日、前会長のカルロス・ゴーン被告が2016年10月にフランスのベルサイユ宮殿で結婚披露宴を開いたのは、同社資産の流用にあたる疑いがあるとして、司法当局への通報を決めたと発表した。
ルノーが、ゴーン被告による社内の不正疑惑を発表するのは初めて。
ルノーの声明によると、疑惑はルノーの社内調査で発覚した。
ルノーはベルサイユ宮殿から修復支援のために行う企業メセナ(文化支援)の見返り特典として、宮殿使用の特典を得たが、ゴーン被告はこれを宴会開催という「個人的な利益」に当てていたとしている。宮殿使用は5万ユーロ(約620万円)相当という。仏紙フィガロによると、ルノーは16年6月に同宮殿とメセナ関係を結んだ。
ルノーは、ベルサイユ宮殿の「平和の間」修復を支援。16年10月~17年2月には、同宮殿などが東京で主催した「マリー・アントワネット展」に対し
ルノー、日産自動車による2社連合の名義で協賛した。
ルノーは昨年11月、ゴーン被告の逮捕後に社内調査に着手したが、1月の経過報告では「不正は見つからなかった」としていた。
ゴーン被告とキャロル夫人の披露宴は、ベルサイユ宮殿にある大トリアノン宮で行われた。
18世紀の宮殿衣装を着た俳優が盛り上げる豪華な宴会は当時、仏国内で注目を集めた。ルノー取締役会は1月24日、ゴーン被告の会長退任とスナール新会長の就任を決めた。
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