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産経デジタル 令和元年6月23日 14:41
安倍晋三首相は23日、沖縄県糸満市を訪れ、先の大戦の沖縄戦で犠牲となった戦没者を追悼する「沖縄全戦没者追悼式」に出席した。首相はあいさつで「沖縄に米軍基地が集中する現状を変えなければならない。
負担軽減に向けて結果を出す」と述べた。首相のあいさつの途中、会場からは「安倍は帰れ!」などのやじが飛んだ。
首相は追悼式後、記者団に対し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設について「移設は基地を増やすものではない。一日も早い全面返還に向けて取り組みたい」と語り、辺野古移設を進める方針を重ねて示した。
首相が追悼式で述べたあいさつの要旨は次の通り。
◇
先の大戦で、沖縄は苛烈を極めた地上戦の場となった。20万人もの尊い命が失われ、この地の誇る美しい自然、豊かな文化は容赦なく破壊された。全ての戦没者の無念、ご遺族の言葉に表し得ない悲しみ、沖縄が負った癒えることのない深い傷を思うとき、胸ふさがる気持ちを禁じ得ない。
わが国は戦後一貫して平和を重んじる国家として歩んできた。戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この誓いは令和の時代も決して変わることはない。平和で、希望に満ちあふれる新たな時代を創り上げていく。
そのことに不断の努力を重ねていくことを改めて御霊(みたま)に誓う。
沖縄の方々には長きにわたり、米軍基地の集中による大きな負担を担ってもらっている。この現状は何としても変えなければならない。
政府として基地負担の軽減に向けて、一つ一つ確実に結果を出していく決意だ。
昨年引き渡しがなされた西普天間住宅地区跡地は、嘉手納以南の土地の返還計画に基づき実現した初の大規模跡地であり、基地の跡地が生まれ変わる成功例として、県民に実感していただける跡地利用の取り組みを加速する。
引き続き「できることはすべて行う」「目に見える形で実現する」との方針の下、沖縄の基地負担軽減に全力を尽くしていく。
美しい自然に恵まれ、アジアの玄関口に位置する沖縄は今日、その優位性と潜在力を存分に生かし、大きな発展を遂げている。
出生率は日本一、沖縄に魅せられて訪れた観光客は昨年度約1千万人と、6年連続で過去最高を更新した。この流れをさらに加速させるため、私が先頭に立って沖縄の振興をしっかりと前に進めていく。