住宅総研Vivien研究員の業界REPORT

リクルート住宅総研の研究員が住宅業界の最新動向をレポート。
‘豊かな住生活’実現にむけ国内外の情報を取材発信します!

リクルート住まい研究所を離れて独立

2013年04月02日 | 住宅業界
この4月から、リクルートの仕事(リクルート住まい研究所)から離れてフリーランスとなります。
とは言っても、既に株式会社リクルートを退職し7年が経っており
業務委託でお世話になっていた、住まい研究所(旧、住宅総研)の研究員職を終えたという形。

今後は、フリーの住生活ジャーナリスト&コンサルタントとして活動の場を広げます!
つきましては、このBlogを2010年以前のBlogに吸収して残しておく形にします。
(ややこしい!2つのアカウントを一つにはできないらしい・・・)

引き続き、「VIVIEN住生活総研」と題したBlogにて情報共有をしていきたいと思います。
藤井繁子BLOG: 「VIVIEN住生活総研」  http://blog.goo.ne.jp/vivienfujii/

アムステルダム取材:注目のデザイナー「PietBoon」

2012年05月03日 | Amsterdam2012
オランダ人の建築・インテリアデザイナーPiet Boonは、今世界各国の住宅プロジェクトに引っ張りだこ。
私は2008年にミラノ・サローネで知って以来、注目しているデザイナー(昨年、お気に入りのスツールも購入!)。
今回は自宅も取材させてくれるという事で、ミラノ・サローネ行きの前にアムステルダム経由で訪問した。

今年の取材内容は、SUUMOジャーナルに掲載するので以下リンク先をご覧下さい。
【海外レポート】ミラノ・サローネ前夜、注目のデザイナーPiet Boonを訪ねて

SUUMOジャーナル内、藤井繁子の投稿記事一覧は→こちらから

そちらにに掲載できなかった写真を、このBlogにプラスでアップしておきます!
まずはオランダ・アムステルダムの朝・・・海外出張恒例のジョギング、ホテル近くに良い公園Vondel Parkがありました!
  
 
カモや水鳥があつまる池やチューリップ、桜も!のどかな光景の周囲をスゴイ、スピードで走る出勤自転車とジョガー達!
  
 

アムステルダムも他のヨーロッパ同様、公園では犬のフリーリードが一般的。ワンちゃん用ダストもあって親切。
 

自転車交通先進国の姿も地元での活動「歩行者と自転車のまちを考える会(逗子市)」の為に情報収集!トラムと車と自転車と歩行者の共存。
 
  
 
 

さて、本題の家具ブランド「Piet Boon」ショールーム写真を追加で紹介!
  
 
 
 これを家で使ってます!

ここからはオフィス階の様子・・・カフェテリア含め、素晴らしい環境!!
  
Pietの社長室
ルームランナーが・・・
カフェテリア&キッチン
 
壁に書かれたこのセンテンスに、家づくりに取り組むPietの姿勢を感じる


TOKYO DESIGNERS WEEK2011~インテリアトレンドショーJAPANTEX2011・インテリアフェスティバル2011

2011年11月09日 | 住宅業界
今年もTOKYO DESIGNERS WEEKは明治神宮外苑絵画館前を中心に、都内各所(約70カ所)で開催された。
(スポンサーCHINTAIのロゴ入りBagがくばられたが、あまりにもチャチ!すぐ潰れてBoo--)
 
デザインを音楽や食にまで枠を広げて展開し少々我々の域を超えたものも多いが、住宅業界からもデザインコンシャスな数社が参加。
積水ハウス×ACTUSの「小さな生活展3」。84㎡のスペースに10個の体験空間で、小さくても恋する空間を実現。
『野菜Love』『建築Love(何故か窓が卓球台に!)』など。(パネルは環境配慮素材のハーベストパネル)
  
TOTOの「minamo」はトラフ建築設計事務所の鈴野浩一氏を起用しスマートにアートしたインスタレーション。
トイレと水栓のTOTO製品が置かれた空間で海の中のように揺れる光の水・・・
   
水回り商品のブランドTOTOの高い節水性能をイメージし「水でないもので水を表現してみた」と、反射光と音で幻想的かつ未来的な空間を創って見せた。
歩くと銀の床にシワができて壁や天井に揺らぐよう反射!ミラノでも見た「空気の器」をプレゼントしてくれた。

映像をインタラクティブな形で展示しているのは他にもDocomoなどが。 こちらは映像屏風、ありだよなぁ(「百年海図巻アニメーションのジオラマ」チームラボ)。 
スマホのプロモーション。  

スルメイカ照明・・・・鼻の穴コンセント・・・イチゴヘルメット、こういうPOP系も好きです。  こちらのオネエサンはブースで製作進行中(自身も展示物?)
   
会場デザインは建築家フロリアン・ブッシュ。屋外では学生の展示などを回遊して見れる。TV「TOKYO AWARD」のMC、茂木健一郎&シェリーが収録中。
 
お馴染みコンテナ展はレストランガイドのZAGAT協賛。フードやダイニングにまつわるインスタレーションが展開。こういう洒落も好きです・・・
   

DESIGNERS WEEK連動イベントの一つ、TOTOが運営する「GALERY間」の企画展にも足を運んでみた。
『311失われた街』展。記者発表会で監修者の建築家の内藤廣氏は「震災で失った街の全体像が見えないことには今後の復興も難しいと感じた。失った街を復元する過程が追悼でもある」と語り、
神戸大学の槻橋研究室などが中心になって全国各地の建築系大学生が参加するプロジェクトを実現。
  
1m×1mの模型は500m×500mの街、平屋の戸建てが「自分の家だ」と認識できる縮尺。併せて震災前後の空撮写真も展示され、立体的な模型と照らし合わせて津波の被害を理解することができた。
  
ネット上では放射能の量を日本だけでなく、世界の都市についても表記し変化を確認できるようなサイトをオープン。日本全体が汚染されているような風評被害を避けるアピールにも。
 
「失われた建築と人との信頼関係を修復できるか」という課題も背負っている建築に携わる人々、
建築家協会、建築士会連合会、建築学会などもこのプロジェクトを後援し、後日東大で原広司や隈研吾が参加したシンポジウム「311ゼロ地点から考える」が開催された。


同じデザイン・イベントでも東京ビックサイトで開催されるのはビジネスモードのインテリア見本市、JAPANTEX・インテリアフェスティバル。
会場では業界仲間達が活躍。インテリアデザイナーのトークショー(石川安江さん&宮地敦子さん)、照明ゾーンの仕掛け人(山中敏裕さん)、キッチンゾーンの仕掛け人(黒田秀雄さん、隣はツナシマ商事嶋専務)。
  
ハウスメーカーもインテリアフェスティバルに参加。積水ハウス・三井ホーム・トヨタホーム(右、トヨタらしからぬ!?斬新なインスタレーション)。
 
メガソフト井町社長はマイホームデザインのソフトをアピール。隣で展示していたのは町田ひろ子アカデミー、販売することになった「MATEUS」のテーブルウェアを前に町田瑞穂さん。
 

お馴染みの大手メーカー、東リ・TOSOなどのブースが並ぶ
  
サンゲツ・タチカワブラインド、新商品などをアピール
 
珍しく、YKK-APが窓事業を出展。リフォーム市場を見据えて強化。   住江織物をグループ化したLIXILが同グループの東洋エクステリアの「暖蘭物語」を共に展示。
  
目を引いたのは、和の伝統工芸。東京(江戸)エリアで残っている会社も多いようだ。新しいデザインの襖や屏風。
 
一方、輸入住宅産業協議会も洋の設えを出展。(橋本事務局長)
 

このようなビジネス系見本市と前述のDESIGNERS WEEKのようなエンドユーザー向けイベントによって
日本のインテリアデザインや住文化の底上げができるよう、上手く相乗効果を上げるような工夫が必要だ。
大阪でも9月に開催されたインテリアイベントも御堂筋まで広がりを持たせるなど、ミラノ・サローネを目指して各所で盛り上げを見せている。
衣・食に続いて日本人の住への関心・投資が、‘ハード’だけでなく‘ソフト’にまで浸透する時代はこれからである。

国宝犬山城・如庵からF.L.ライトの明治村へ/国宝&重文の旅

2011年10月15日 | 住宅業界
見学会翌日はゴルフ組と観光組に分かれて行動。観光組の私達はホテル隣の犬山(白帝)城へ散歩。
日本国宝の城4つ(他に彦根・姫路・松本城)の中で最も古い1537年に、織田信長の叔父・織田与次郎信康によって築城された。
    
小牧長久手合戦(1584年)では秀吉が12万の兵とこの城に入り、小牧の家康と戦った。
明治以降、成瀬家が代々所有し修理を重ねながら現在は犬山白帝文庫が所有。

次にもう一つの国宝、茶室「如庵」がある有楽苑(うらくえん)へ。
国宝茶席3名席の一つ「如庵」(左)は信長の実弟で大茶匠という織田有楽斎が晩年、京都建仁寺に隠棲し建てた茶室(1618年頃)。
長い歴史の中でその時々のパトロンによって、京都から関東など数度移築され故郷とも言える犬山に戻ったそう。
柿葺の端正な外観、二畳半台目。竹の有楽窓
 
有楽苑には「如庵」以外にも歴史の趣がある門なども配され、小雨の中を潜り抜けるとタイムワープしそう・・・
   

そして、楽しみにしていた明治村へ。建築に携わる者としては是非一度来たかった所。
今では60以上も建物が移築され保存。そのうち10棟の建物と2つの産業機械が国の重要文化財に指定されている。
  
西郷従道の別邸にお邪魔・・・・格調高い格天井、当時の金持ちは今の金持ちより豊かな住生活をおくっていたようだ。
   
 

夏目漱石邸の座敷には、猫も。

さて待ちに待った帝国ホテル中央玄関に到着!遠景で既に圧倒される・・・荘厳。
   
インカ?アステカ?帝国を彷彿させるモニュメントやディテールデザイン。光の取り込み方が魔術師的。
    
フランク・ロイド・ライトらしい照明、家具も配されている。
  
左が形板で、中が使われている金属内装パーツ。ライトの大谷石やテラコッタと共にオーガニック建築を構成する。何と、結婚式の披露宴が行われていた!
   

他にも興味深い建築が沢山あった。希少な木造3階建ての東松家住宅(明治34年1901年頃、名古屋市)。
江戸時代は武家以外に3階建ては建てられなかったらしく平屋であったものに、明治時代に3階を増築したのだそう。
 
1階が油屋の‘店舗併用住宅’。階段が収納引出になっている工夫も現代に受け継がれている。
    
中庭によって自然を取り込む。エジソンの竹フィラメント電球!2階に茶室があり客人を迎えるための仕掛けが色々。
    
   
こちらは兵庫県西宮市から移築された芝川又右衛門邸。こちらの天井も素晴らしい、マントルピースには花模様のタイル装飾。
  
窓辺のベンチや階段の造作が和洋折衷の趣。金箔の塗り壁。良き時代の豊かな暮らしを垣間見る。
   

この明治村、初代館長が谷口吉郎氏で鹿鳴館が取り壊された事に危機感をもって、明治建築の保存と活用を訴えられた事が始まりと知った。(昭和40年開村)
谷口の友人、土川元夫氏(後に名鉄社長会長)と二人の夢によって実現した建築の博物館。
現在、ドラマ「坂の上の雲」の撮影に使われたり、一般の方が気軽に結婚式があげられたりと
建築が使われてこそ意味があるという精神も受け継がれている。
尚、保存修理費用が莫大になっているようで寄付金も募られている「特定公益増進法人:財団法人明治村

トヨタホーム社が丘&ミサワホーム工場見学/プレハブ建築協会

2011年10月14日 | 住宅業界
年に一度、プレハブ建築協会主催で会員会社とジャーナリストが合同で現場見学会・懇親会を行っている。
今年は名古屋方面にて、トヨタホームとミサワホームの見学会を企画してくれた。
最初に向かったのはトヨタホーム(トヨタすまいるライフ)が開発・建築(建物オーナー)した賃貸住宅「GreenCourt社が丘」。
   
専有面積66.26㎡~84.66㎡(賃料10.6万~14.2万円)が総戸数31戸というファミリータイプを
隣接する猪高緑地の景観にマッチするよう、丘の高低を活かし緑道を配置したゆとりあるランドプランで
[第23回すまいる愛知住宅賞]を受賞したもの。(全戸入居済)
6棟ある内の1棟(7戸)はペット可で、他住戸より1割高の家賃であるが全入居。
玄関にペット用シャワーも。入居者は多くが法人、関東からの転勤者のようで多摩ナンバーの車などが並んでいた。
 
建物オーナーであるトヨタホームとしては開発に5億円もかけてしまったので
10%ほどの利回りで「お恥ずかしい」という事だったが、特に人気エリアでもないようなので好調な滑り出しである。

次に、江南市にある「ミサワファクトリー名古屋」へ工場見学に。エンドユーザーが学び体感できるテーマ館を併設。
 
HYDRID住宅の工場だが、メインの木質住宅の実物大展示もあり
  
ミサワホームの技術と性能を他社比較もしながら紹介している。記者の皆さんも大地震の揺れを体験(何度もやってると思うのですが・・・)
 
ミサワのニューセラミック外壁は鉄筋入りのパネルになっているのが特徴。
型は彫刻家の手彫りによるデザインで陰影の美しさを作り出す。その型版で一枚一枚抜いて超巨大高炉で焼く。
(ここから、工場内は写真撮影禁止でお見せできないのが残念)
  

見学工程後、今夜は宿から木曽川の鵜飼に出かける(屋形舟で風流に川下り)。
ライトアップされた国宝の犬山城を川越しに眺める。
鵜飼は見事に披露されたが、皆さん「鵜はサラリーマンそのものだ・・・」とだんだん不憫になってくる。
 
 
『おもうしろうて やがてかなしき 鵜舟かな。芭蕉』と池上住宅産業新聞社長。














MilanoSalone 2011報告⑨ Canonが最優秀賞を受賞、カネカも有機ELで登場!

2011年04月13日 | Milan 2011
今年は展示場所をトルトナ地区に移したキャノン、その中心会場であるSurperstudio PIUで大規模な映像インスタレーションを行った。
「NEOREAL WONDER - キヤノンデジタルイメージングの世界」のクリエイター達。(トラフ建築設計事務所・WOW) 会場に入ると・・・光線が大空間を行き交っている!
   
横から見たり、前からみたり、下から見たりと映像の光が走る中を彷徨い、その光が空間に張られた糸に映っている事に気づく。
その糸が、壁にテーマ‘WONDER’と光の文字を映し出す。
  
他の壁には、日本の風景が様々な表情で流れていた。カップルが日本の夕焼けに見とれる・・・そこに居るみたいに。右は日本のネオンサインを万華鏡のように。
 
これらの映像を実現したCanon製品、プロジェクターやカメラが並ぶ。主催者であるキャノン総合デザインセンター酒井正明所長(右)と桐山登士樹プロデューサー。
「3年間のトリエンナーレ美術館を経て今年トルト―ナに出たのは、よりコンシューマーを意識したから」と桐山氏。
 
4年目のサローネ参加で、日本企業のプレゼンスを牽引しているCanon。
酒井氏は「社内的には‘あなたにできない事をやります!’と言って説得してます」と、世界から集まるデザインのプロ達への企業ブランディングの重要性を語ってくれた。
帰国後このインスタレーションが、期間中に開催された「ELITA DESIGN AWARD 2011」にて最優秀賞を受賞という報告も入った。
日本が誇るグローバル企業、技術だけでなくデザイン、クリエイティビティの高い企業として世界に発信されることだろう。

同じSurperstudio PIUで同じくCanonのクリエイター、トラフ建築事務所の鈴野浩一代表が「カネカもやってるので是非、見て下さい」と案内してくれた。
のれんを潜って・・・ 
カネカは有機EL照明(OLED)のパネルメーカー、5色の展開が特徴。それを天井からゆらぎを感じさせる姿に散りばめ「夜桜」を表現。
上からの光を、鏡のテーブルに写りこませて幻想的な空間に・・・夜桜に付き物の日本酒も。
  
外人達「Fantastic!」 日本人らしい繊細で美しいインスタレーションに感動!
  
 
こちらの回廊は縦使いのOLEDパネルを色紙で覆い、カワイイ花の蕾のよう。

そんな幻想的で日本的な空間を満喫して外へ出ると・・・
いきなり車(MINI)が宙吊り!? これも大胆で面白いが、アングロサクソンな感じ!

MilanoSalone 2011報告⑧ TORTONA地区/TOSHIBA

2011年04月13日 | Milan 2011
Milan Design Weekに開催されるFuori Saloneと呼ばれる、見本市会場以外の街中イベントは今年775カ所。
中でも注目イベントが集まっているTortona地区は見逃せない。 (右、スキンケアNIVEAクリームのサンプリング&無料送迎ByニベアBlueの‘Vespa’「乗りたかったが時間無く断念!」)
  
Tortona地区には日本企業の出展も多い、見本市会場のビジネスモードとは違ってデザイン&アートなインスタレーションで企業ブランドイメージの向上を狙う。

まず昨年、大評判だった東芝の会場へ向かった。『Luce Tempo Lugo(光・時・場)』とタイトルバナーがSavona通りに、入り口でまず息を呑む!吸い込まれるような白いアプローチ・・・上からのLED光が下の水に映る
 
約100年前の壁(だけ残っている所がイタリアらしくて素敵な場所!)を活用し、その向こうに空間を作った。手前には池を配し夜はLED光を反射させるらしいが昼の自然光も白い砂利と共に美しい。

 
今回東芝が起用したクリエイター田根剛氏(Parisの建築事務所DGT)。田根氏を囲んでTAMONの篠田社長、東芝デザインセンンターの伏屋参事。
壁の向こうのメインスペースに入ると・・・暗い夜に「雨が降ってる!」、金属チェーンにも見える輝く雫が天井から降り注ぎ四方を囲んで‘光の建築物’のよう。
   
冷んやりとした静粛な空気、敷き詰められた砂利に雫が落ちる音、雫に光る微妙に変化する色(5000ルーメン太陽光の明るさで高速点滅しているらしい)・・・佇んでいるだけで五感が目覚める。
雫に触ると、水と共に跳ねる光を楽しめる。若い田根氏の活躍に注目していたインテリアデザイナーのアシハラヒロコさんも見学。右、照明デザイナーの岡安泉氏がテクニカルサポート。
  
東芝は3年目のサローネ展示により、各国のマスコミからも評価が高く期待されるようになってきた。
今年も外国人来場者から「とても美しい!日本的で静寂な空間だ」と驚嘆の声が聞かれ、私も感動しながら誇らしい気分になった。
ブランディングと共に今後ビジネスではイタリアにLED照明の現地法人も立ち上げる。ローカル企業が強い(欧はPhilips、米はGE)照明市場であるがLEDによって参入のチャンスは広がり東芝の動向が楽しみだ。


夜は美味しいシチリア料理の店に、現地人Tachiniの紹介でサローネ仲間と繰り出す。「13 Giugno」Via Goldoni, Vittoria店(他にBrera店有り)
  
ミラノには意外と魚介が美味しい店が多い。ワインが進むお料理!(昨年、暴飲暴食で失敗したので今年は慎みながら)
  
   
夜が更けてくると、ピアノ生演奏に生歌まで入ってイイ雰囲気に・・・

MilanoSalone 2011報告⑦ C・ラクロワに遭遇!SICIS、MOROSO、日本企業・・・

2011年04月12日 | Milan 2011
Mr. Christian Lacroixと言えば皆さんご存知の仏ファッション・デザイナー、私が思い出すのはフランスで乗ったTGVがLacroixデザインだったコレ(Blogリンク先)。
そんな大御所を家具デザイナーとして起用したのは伊モザイクタイルの大手SICIS。今までもタイルを取り入れた斬新なチェアーなどを展開してきたが本格的にファニチャーシリーズ「SICIS Next Art」を発表。
ビザンティン帝国の皇后Theodoraをミューズとし、そのモザイク壁画が展示空間を別世界にする。   MR.ラクロワ自身とツーショット、Lucky!!
  
モザイクタイルで有名なArles地方出身で、タイルに造詣が深いラクロワ氏を家具デザイナーとして迎えたという事。壁・床のタイルデザイン、照明まで全てLacroixデザイン。
  
この世界観は一般的な日本人には受け入れ難いかも知れないが、私は大好き!! 
Home用のコレクションだが、日本ならレストランやホテルに使ってくれれば嬉しいなぁ・・・そこで私も寛いでみたい!
日本ではトーヨーキッチン社がSICISのモザイクタイルを扱うが、ラクロワ家具についてはまだ未定とのこと。

こちらMOROSOでは日本人デザイナーに注目。 毎年イタリアで大人気の吉岡徳仁の作品は「MEMORY」という中に「Moon chair」が入ったプロトタイプ。
 
nendoの作品をMOROSOでも発見、「Pond」は裏面のデザイン模様をミラーで映し出すテーブル。見る角度や重ねるテーブル枚数によっても絵柄が変化。池の水面に移る景色がイメージされる・・・佐藤オオキ君、繊細で素敵!
   
Patricia Urquiolaは超売れっ子あっちこっちで作品を見るが、この「Biknit」は座椅子感覚のチェアが日本的。ニットの女性らしさも巧いなぁ。右は「Kiaraコレクション」。
  

さて、Fiera国際家具見本市会場に出展している唯一の日本企業と言ってもよい4社KARIMOKU・MARUNI・Yamakawa・Ritzwellの合同ブースへ。
(昨年まで経産省の支援事業sozo.comとして出展。補助無でも継続する予定だったが、今年は別の形で補助を得られたようだ)
右、MARUNIの山中取締役、昨年までの出展で英国・北米など世界各地からの取引が増え手応えがあるも
今年の震災で、FukushimaとHiroshima(本社)を間違われて風評被害的な事もあったらしい。
   
新作、左が「Lightwood」Jasper Morrison と 右が「Roundish」深沢直人のデザイン。ビーチ材が美しいラインに。
     
Yamakawa RattanはHiroomi Taharaの新作や、赤い籐のチェア「PetalLoungeChair」が印象的。 右のRitzwellもミラノ出展でNYやドバイでの実績につながったと
     
カリモク家具は、こちらの見本市会場と市内のインスタレーションと2カ所に出展。
ここでは、Next JAPONISMと題しキモノ作家である斉藤上太郎(右)を家具デザイナーに採用。‘火と水’をモチーフにした西陣織のファブリックをデザインしカリモクの木工技術とコラボ。
 
「会場をお堂に見立て、お供物のように椅子を並べた」と斬新な発想を話してくれた斉藤氏。
本物の伝統技術と新しいデザインが調和して、外人ウケだけでなく日本の住宅にも置いてみたい一品だ。
(イタリアメーカーも織りのファブリックだったよなぁ・・・日本代表は1200年の歴史ある西陣織だ!)

C.ラクロワといい、キモノ作家といい、ファッションとインテリアのデザインに壁は無くなっている。

MilanoSalone 2011報告⑥ i Saloni 家具[design]パビリオン

2011年04月12日 | Milan 2011
i Saloniの核である国際家具見本市[Salone Internazionale del Mobile]に突入!中でも伝統のあるHighBrandが並ぶ【design】カテゴリーの5・7番パビリオンから。

1961年の初回からサローネに出展している老舗GIORGETTI。60平米の大ブースで新作を披露。
  
アースカラーの地色にゴールド(シャンパン色)&サックスブルーが今年の差し色。
   
左の超幅広一人用(?)ソファも薄いブルー、二客の間にテーブル。   今年の特徴として、フォルムの曲線が女性的で美しい印象。
    
クオリティの高い素材感たっぷり、織のファブリックが目立った今年(ヘリンボーンの織物に皮を合わせるなど)。
    
昨年の新作(右)も今年は織生地で登場。(ちなみにジョルジェッティのカバー生地は皮でも織物でも何でも選べる)

展示の目玉は、デザイナーChi Wing Lo氏によるwalnut(クルミ)canalettoのシリーズ。「INO」はBarキャビネット、美しい木目の両扉を回転すると眩いゴールドが現れる。 
 
 
ご自身の横、ケースに収められているのは、彼の絵画本『TO KARDIZU』のイメージを一つ一つ彫刻として具現化した作品(メイプルとブロンズ)。
天才芸術家の哲学を私の英語力で理解するには無理があったが、様々な現象の二面性を説いておられたような・・・
今回最初の4体が展示され、宛ら美術館の雰囲気が見本市ブースに漂っている。全13のオブジェクト、完成する時を愉しみながら制作に取り組まれている様子のLo氏(香港生まれ、アテネ在)。 
そんな天才は、こんな遊び心も!LED照明が回転するボールと共に七色に光る中華テーブル。「二階でスナックでもどう?見せたいものがあるから」とブース二階の商談用Bar(これが毎年素敵!)に招いてくれた・・・ 
 
そこで見せて下さったのは、何と‘麻雀パイSet’。大理石とWalnutの滑らかなパイに優しい緑や橙色で描かれた模様に感動~!(麻雀を知る日本人に見せる事ができて嬉しそうなLo氏)20セットまとめ買いの中国人もいらっしゃったとか・・・お値段不明。


続いて、Minottieもブース内は風格漂うファニチャーで彩られ見本市会場である事を忘れる空気が流れる。
   
こちらではオレンジとグレーが差し色に使われていた。
   
  
大きな千鳥格子が新鮮。Minottiでも織り生地が強調されている。
    


ファッションブランドFENDIは家具FENDI CASAも最高峰ブランド、毎年このブースはドキドキする!
‘シャンパン・イエロー’‘ペール・グレー’‘アイス・グレー’‘ブロンズ’などの繊細な色合いが生活空間を洗練しエレガントに彩る。
中、手前のコーナーカウチは皮のステッチが新鮮。
   
ミンクやフォックスの毛皮がさりげなく掛けられているのもFENDIの設え。
  
照明や小物まで全て‘TheFENDI’で仕上がる。
  
クラッシックなコンテンポラリーからモダンなデザインまで意外と幅広い。 光沢があるタイプはラッカー仕上げの木製(決して樹脂ではありません)
  
左手前、馬具をモチーフにした腰掛。  TVも内装にインストールする事で(TVメーカー名が見当たらない・・・)空間が俗っぽくならない。クロコ皮のTV台なり。
 

FENDIと同じグループ企業がKENZOの家具KENZO maisonも持つ。(今年40周年を迎える、現在高田賢三さんはデザインしていないが)
40周年記念展示は、この「RISCIO'」というソファを花車に見立てて。クッションを留める黒いバンドは‘帯'らしい・・・いかにも西洋人が考える東洋。
 緑のサイドテーブル「YOKO」も新商品
KENZOでもサックスブルーが見られた。(「GU DUN」オットマン) 
  
華やかな色合いがKENZOらしい展開。重ねると八重の花のようなお皿も素敵。
   


その他のブランド、写真でダッシュ・・・・
GERVASONIでもオレンジが印象的に使われていた。
  
   

FLEXFORMも織りのカバーリングが印象的。
   
    

Poliform、カッコイイ収納システム。 
  

alfrex


真っ白な空間も健在、Zalf/desiree
  






MilanoSalone 2011報告⑤ [Euroluce] FOSCARINI・Artemide・MODULAR

2011年04月12日 | Milan 2011
FOSCARINIは市内ショールームやTortona地区のインスタレーションなど4か所で展示。
Euroluce見本市会場のブースでは新商品がデザイナー自身による紹介ビデオで展示されていた。

  
その中で見つけました!私の好きなデザイナーnendoの「MAKI」というペンダント。2枚の紙を丸めた形でMAKI(巻き、女性の名前では無く)。ビデオには説明する佐藤オオキ君が。巻いた隙間から漏れる光が優しくて、日本人らしい繊細なデザイン。
 アルミ製

こちらも大手のArtemide。街頭など商業用から家庭向けまでフルライン。
 
LEDの寿命が建築物と同じ位までなので、左のように建築と同化する照明も増えてくる。右2つ、光の反射させ方も多彩。
   
  
  
これはゴルフ場でウケそう!(右、下から眺めると・・・) 
  

ベルギー大手のMODULAR、Tortona地区にあるショールームに行ってみた。 未来的な大型ペンダントがお出迎え。
 
ここでは新商品を、ドラマーを照らす照明としてブース毎に展示。
LEDディスクで、3Dに角度を動かすことができるScotty(中)とSpock(右)5万時間以上照らし続ける。
  
(Philipsのブースにも似たようなのがあったなぁ・・・と思ったら、2004年にグループ化されたという事)
ちなみに、この商品名にお気づきでしょうか?映画・ドラマ「StarTrek」の登場人物!カタログもスタートレックしています!!
下は「Cake」に続いて出た「Souffle(スフレ)」というペンダント、柔らかい光が美味しそう~! MODULAR Japanの中島春喜社長と本社のJ.Bekeマネージャー。
   
設立当初からアバンギャルドな企業カルチャーが根付いている企業らしく、ショールームの雰囲気も上のお二人もカッコイイ薫りがプンプンです。

MilanoSalone 2011報告④ ムラーノガラスからポリカーボネートまで多彩な素材のLED照明

2011年04月12日 | Milan 2011
LEDが光源になった事で、照明器具に使える素材の選択肢が広がり面白くなっている。
イタリア伝統のムラーノガラスはシャンデリアを中心に健在だがこんなポップなデザインも(某日本人クリエイター作かと思いきや仏デザイナーだった)
SLAMPというメーカーは特殊なポリカーボネートで様々なLightingを展開。ポリカーボネートのシャンデリアも!
        
木を素材にしたものは、こんな繊細なデザインが沢山。 中、右は北欧デンマークメーカーTomrossauによる木(ビーチ材)の照明。
       
クリスタルやスワロフスキー使いでは、女性らしいデザインから未来的なデザインにも。
     
ガラスと金属の組み合わせは定番の一つであるが、ハンドメイドのクラフト的な曲線が美しい(左)。
     (VG)
 この柔らかいチェーンにもうっとり・・・
直線的なLEDでも、こうやって遊べる。         右はニットを被せたペンダント。
 (&'COSTA)     
陶器で角を表現。 こちらはバブル、泡をデザイン?  赤玉はふわふわ毛風ですが樹脂でした・・・
    
折り曲げ自在なデスク照明や、紙のクラフトを照明に使った作品も並んだ。
   

スペインのVIBIAではトレードマークのAmebaが商談ブースの天井を飾る。Wallライトを複数組み合わせ「Origami」と名付けられていた(スペイン人デザイナー)。 
 
Outdoor商品が面白い!ファイバーグラスとアクリル樹脂が素材の「Wind」シリーズや、「Halley」は二つを交差させたり組み合わせもできるデザイン、足元が重ねられるように大小の○になっている。
   これもOutdoor用 


MilanoSalone 2011報告③ Euroluce「Barovier&Toso」・・・ヨーロピアンシャンデリアの世界

2011年04月12日 | Milan 2011
Euroluceの中では‘THEシャンデリア’の光を浴びてこそ、これぞイタリア!を実感できる。
「Barovier&Toso」はそのリーディングカンパニー。昨年のTorotonaでのインスタレーションには圧倒されたが今年の見本市会場ではビジネスモード。
 テーブルランプRanは6色 
Athenaというフロアランプは珍しくモダンなデザイン。今年のテーマ‘gold’が練りこまれたガラスによるManhattanRemixやAmsterdam。私の写真じゃ分かり難い・・・Gold=24金デス
 
シンプルなシェードの中に、ガラスの花がイッパイ咲いている!女心をくすぐる!!Eden(これもLED)

巨大シャンデリアはDurini通りのショールームに、今年のテーマカラー‘Gold’で飾られているという事で覗いてきた。(これ、去年は青だった)
  スタンドの足にGoldがリッチに散りばめられていた


「Barovier&Toso」以外にもシャンデリアを見せるブースが並ぶ。ボヘミアン・ガラスのIRIS CRISTAL。右端のは30㎝程の小さなものだが、これでも一つあれば空間が豊かになるに違いない。
  
商業施設用の大きなものから、モダンな空間にも使えそうなデザインやアートっぽいものまでシャンデリアの幅も広い。
  
  
   
ムラーノガラス、クリスタルな輝きを浴び続けるとウットリしてきて・・・脳が麻痺しそうな感覚になってきた。


MilanoSalone 2011報告② [Euroluce] LED照明のデザイン性がUP!

2011年04月12日 | Milan 2011
i Saloniのフィエラ会場にはPavilionが24もあり、2-3日で全て見るのは到底不可能。
【出展社数:2,720社、 出展ブース面積:210,500平方メートル・会場総面積:530,000平方メートル】
主な家具メーカーを中心に周るのだが、今回は初めての[Euroluce(国際照明見本市)]を早速見ることにした。【450社】

『FLOS』のブースにて、FLOS JAPAN代表のMR.Austin。私が立っている看板はFLOSが起用する代表的デザイナー達がペンキ塗りになった絵。
 M.WondesrsやP.Starckも
デザイン系の照明器具は未来的なデザインや、iPhoneやiPadホルダーと照明が一体になったものも。FLOSではiPhone・iPadで室内照明をコントロールできるシステム「iQ」も紹介。
  (P.Starck)
LED化する中で、木や石などの素材感を強調する器具デザインも多い。
 色柄のある大理石を照らす間接照明
LEDの蛍光管を曲線でデザインしたり、多灯使いで壁面を飾る。WALLPIERCING(R.Gilad)は複数のアウォードを受賞した作品。
   
P.Urquiolaのスタンド&ペンダントは彼女らしい樹脂だけどニット感なデザイン。
 
M.Wondesrsの「CAN CAN」も大/小、可愛かったが、「CHRYSALIS」‘さなぎ(?)’と名付けられた2mの大きな花瓶型フロアランプは、天井に花模様を浮かび上がらせる‘magic vace’。FLOS原点の繭製なのが‘さなぎ’と関連か。
  


こちらは欧州最大手『PHILIPS』、日本の住宅照明へ進出という事で関心が高まる。住宅街のようなブース構成で、各戸にシーン別の製品を展示。
 ‘ambience’、雰囲気のある照明をテーマに空間提案していた。
CD盤のようなシャープなデザインから、アウトドア用のキュートな照明はポータブルに持ち運べる(LEDカラーで気分も変えて)
 
ロフトを設けた2階建て風空間では、手元コントローラーで1-2階全ての照明を調光からカラー選びまでできるのを実演。
  
プロダクトは有名デザイナーを前面に出す手法ではないが、流石最大手、面白いデザインも多い。
  
     

斬新なデザインや色の活用など、LED照明は省エネ・長寿命の性能競争から
何が表現できるかのデザイン性でしのぎを削る時代に入っている。日本は出遅れているかも・・・・



ミラノ・サローネ2011報告① 今年はEuroluce

2011年04月11日 | Milan 2011
今年のMilan Design Weekは4/11-17、i Saloni[ミラノ国際家具見本市]所謂、ミラノ・サローネは4/12-17に開催。
私は初めて、羽田空港の国際線ターミナルから出発する事にした。
というのも、11日出発当日はテニスの試合があって、その後支度をしても間に合う夜間便のParis行きがあるから。
PM10時前に逗子の家を出て00:30発に間に合う近さが羽田の良さだ。

何故か、最初の写真が羽田国際線ターミナルのトイレ・・・仕事柄。
折り戸になっていて、各個室が広くスーツケース2個は一緒に入るスペース。LEDライトのボタン。 (INAX)
 
Food Court TOKYO SKY KITCHENという出国後のカフェにて、座の椅子も。(無線LANは無料) Gateは114、端っこ。夜中の空港は空いていて快適。
 
飛行機はJALとの共同運航便、12時間でフランス・シャルルドゴール空港に到着。(なかなかJALの機内サービスは向上してました!)
あれっ?様子が違うなぁ・・・と思ったら、改装された第二ターミナル2Gに着いた。(スカイマイルグループだから?)
 
おっと、ここでも職業病・・・トイレにお国柄を発見。ピンクや緑のカラー便座と壁のペイント、可愛いバッグや洋服の絵が描かれている(男便所も覗いたら、スーツの絵が!)
(独Villeroy&Boch) 
乗り換え便近くのオーガニックカフェでクロワッサン&スープを食べてたら『・・・FUJII・・・』と呼び出されてしまった。ゆっくりしてたら最後の客に!
 FOR MILAN

2時間弱でMilan Malpensa空港に到着、まだ12日朝の9時台なのでフルで1日ある。イマイチ眠れなかったが、頑張るぞ~!
空港から見本市会場のRho Fieraに入る。今年はi Saloni見本市が開催50周年、スゴイなぁ。
 
今年のi SaloniはEuroluce(照明)の年、いつもキッチンの年に来ていたので照明は初めて、楽しみだ。
 

ちなみに、書き出すのが遅れてしまったので既に最終入場者数など発表になっているが
初日の車の混み具合などから「空いてる?」と思っていたが、木・金後半の人出が凄かったようで
●総来場者数 321,320人 (2009年Euroluce開催年度比 2%UP。昨年のキッチン年は34万人超
         内 業界関係来場者:282,483人(外国人177,964人=63%)日曜日一般開放日来場者:32,870人
●マスコミ関係者 5,967人(内ジャーナリスト:5,313人)
世界からジャーナリストが集まり既に発信が始まっているが、来月・再来月の雑誌では記事が華やかになることだろう。



新ブログ開設にあたり・・・御挨拶と東日本大震災後の我が家

2011年04月01日 | 住生活
2006年にスタートしたブログ「Vivien研究員の暮らしと住宅業界裏話」を
今日2011年4月1日より、リクルート住宅総研内HPを本籍(?)に「Vivien研究員の住宅業界REPORT」として刷新しました。
今までご愛読頂いていた皆様、より一層真面目にレポートしたいと思いますので引き続きお付き合い下さいませ。
初めてお読み頂きます方々、お役に立てる内容にしたいと思いますのでご愛顧頂けますようお願い致します。
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さてブログスタートにあたっても、この度の東日本大震災について触れずにはいられない。
ー震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被害を受けられた方々に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げますー
私は1995年阪神大震災の被災者(神戸市東灘区で震度7)であり、その事がフラッシュバックする日々。
しかし想像を超える甚大な津波の被害、また想像できなかった原子力発電のリスクは
阪神大震災の経験値すら過小に感じさせ、[自然と人間]の関係性を再認識させられた思い。

住宅業界としての復興支援は既に、プレハブ建築協会が仮設住宅建築を開始するなど業界団体としての動きや
各社それぞれに支援物資や義援金などの対応も実施されているが、
今後、『住まいづくりや住まい選びに大切な事は何なのか?』という問いに応え続けなければならない。

私のライフワークは住生活基本法(H18年)に謳われた『豊かな住生活』とは何なのか?を探求する活動であり
今回の地震後に起きた首都圏のパニックぶりは、日常生活の有り方を深く考えさせられる事態でもある。
ここで自己紹介がてら、計画停電時の我が家の様子を・・・・(逗子市の自宅は地震当日も翌朝2-3時頃まで停電だった)

自宅2階のリビングから見た逗子市内、里山向こうの光は我が第三グループとは違う第一グループの逗子エリア。
お向かいさんは懐中電灯の灯りかな?
ウチは、3連の燭台を灯してDinnerTime。10数年前にパリの蚤の市で買った燭台が大活躍。十分明るく、持っても歩ける。
相棒の米国人と
蝋燭を数か所の他、局所を照らすのに役立ったLEDライトも。
左はパナソニック電工の非常用足元灯、通常は消灯していて停電になったら自動で点灯(階段の側に。取り外して使える)  
右は先月、セミナーで東京電力さんから貰った太陽光充電式のペンライト(皮肉な話ですが役立ちました)
     
停電中はトイレも電気でアウトだと思い、地震当日はお庭に臨時トイレを掘りましたが
TOTOネオレストのHPで、手動のフラッシュ方法を発見!右のダイアルを1→2と回すだけでOK(神戸の震災時は断水で大変でしたが) 
私はお庭でも平気です・・・
そして、我が愛しの愛犬エリザベス(Beth)と愛猫クレオパトラ(Cleo)もご紹介。Bethは怖くて震えてますが、Cleoは暗闇大好きデス。


実は私、地震以外にも、自宅が火事で全焼した経験も有る(21歳大学生の時)。
早朝、眠っていた布団から飛び起き二酸化炭素中毒一歩手前で2階から飛び降りた。
裸足&パジャマ姿で焼け出されたので、卒業アルバムはじめ過去の写真や思い出の品は一切失った。
幸い命はあった私達家族が、2年もすれば人並みの生活を送れていたのは何故か?と今思い起こし
親戚はじめ友人の支援があっての事ではあるが、立ち直る為に一番大きかったのは仕事があった事と確信する。
やはり今回の被災者の方々にも、何とかして仕事を得られるよう官民挙げて動くことが先決と強く思う。
仕事が決まらないと、住まいも定まらない。 しかし我々も何か動かなくてはならないと

リクルートではSUUMOホームページに被災地エリアの賃貸住宅特設サイトをオープンし情報提供を実施。
被災者の方々が少しでも早く‘初めの一歩’を踏み出せるよう願うばかりである。

ちなみに、私は昨年のアイルランド火山噴火にもイタリア(ミラノ)で遭遇。空港閉鎖、帰国できない破目に・・・・
という事で、私の災難女・・・イヤ!受難女ぶりをご披露して最初の記事Up終了。(長文お付き合い有り難うございました)