先日でかけた市川市文学ミュージアムで、荷風の書斎を再現・展示していると知り、今回はそこを訪ねてみました。
市川市役所内1F、ロビー奥の一画です。京成八幡駅から徒歩で3、4分。JRや新宿線の元八幡駅からも5分程度かと思います。
コーナー入り口では、荷風がこんな笑顔で迎えてくれます。なんとなくウキウキうれしい気分になります。
撮影はOKなのですし、スペースもゆったりしていますが、このコーナー手前には、住民票を待つ人とか、一般的な市役所利用者が居並びますから、3脚立てて2ショットを…という気分にはなりませんでした。
書斎展示はこんな感じです。
少し向きを変えて。
いい感じに散らかっています。
机の上のアップです。
展示解説です。
ドナルド・キーンさん、お宅に行っていたのですね。
別の展示解説。「現存する唯一の荷風の書斎」だそうです。
展示されていた写真。
展示コーナーの背景。
荷風が住んでいた当時の京成八幡駅周辺です。先日の文学ミュージアムでは、この風景がジオラマで展示されていました。中央に見える「大黒屋」「商店会」へこの後、行きます。
文学ミュージアムでもらったパンフレットに掲載の「断腸亭日乗をたどる」コースで歩いてみました。「荷風が綴った『断腸亭日乗』に描かれた地を巡る約55分のコース」とあります。
順路1の八幡不知森。市役所のはす向かいです。敷地に入るとバチが当たるそうです。
順路2。葛飾八幡宮。八幡不知森のほぼお向かい。大変立派な神社です。
八幡宮境内のイチョウ。国指定の天然記念物だそうです。季節には見事でしょうが、シーズンオフでも大きさに圧倒されます。
順路3。白幡天神社。
荷風の石碑です。背面に「平成22年8月吉日」と日付があります。
しだれ梅が満開でした。
荷風からは離れますが、境内で不思議なものを見つけました。これは何でしょうか?
「国威宣揚」にもたじろぎますが、この上下の穴は何でしょう? 側面はこんな感じです。
背面です。
中央の文字列が「昭和17年12月」、左列に「大東亜戦争××記念」。背面にもナゾの穴2つ。
昭和17年に建てたのなら、荷風が住む前。このあたりを荷風が散歩したころには、既にあったのだと思います。
境内は砂地です。松の木も多い。『日乗』にあるままでした。ここから順路4の商美会ロードに向かいます。
商美会ロード街灯の旗です。
コースに紹介があるわけではありませんが、荷風も寄ったという文具店「平和堂」さんです。
ウインドウには写真が飾られていました。ご主人が撮っていいと言ってくださったので撮らせていただきました。
順路の最後、「大黒屋」外観です。8年程前に営業を終えられ、現在はカルチャーセンターとして運営されているようです。
ここで食べたカツ丼が、荷風最後の夕食になったと読みました。同じ味のカツ丼を私も食べてみたかったですが、せめて外観が残されているのが嬉しいです。きっといろいろとご尽力された方々があってのことと思います。
このポイントは、京成八幡駅のすぐ脇。私は書斎で30分以上あれこれ眺めて時間を取りましたし、途中道に迷ったり(周辺の道は「紆余曲折」。なんで!?という曲線を描く道が複雑に交差するポイントもあり、楽しいです)写真を撮ったりして、3時間ほどのんびり歩きました。
文学ミュージアムとこのコース両方で1日コースでしたら、白幡天神社をカットしてしまうと、どこかで食事休憩を入れても回りやすいかもしれません。