東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
   ~ごみ問題の覚え書きとして~

23区清掃一組「世田谷清掃工場対策検討委員会報告書」

2016年09月21日 20時00分42秒 | 東京23区のごみ

清掃一組「世田谷清掃工場」パンフレットより

 

清掃一組ホームページで「世田谷清掃工場対策検討委員会報告書」が公表された。
報告書は概要版で4ページ、報告書としては70ページ(資料編含む)

中間報告のときは、ダイオキシン類による作業環境悪化の原因や対策、機器の囲い込み、吸引ダクトの設置などばかりに気をとられたが、、その後、炉室内のダイオキシン類作業環境は管理区分Ⅲにはなっていないようだ。ただし、それらは、当面の対策と効果ということで、今後実施する追加対策(期的対応)としては、消耗品や機器の定期交換、ダクト内清掃、VOC・粉じん測定、ダイオキシン類(コプラナーPCB)簡易測定などの6項目を実施して作業環境管理の強化を図るとなっている。長期的対応としては、プラント更新や建替えの検討となるのだろうが、、、、清掃工場の建設に交付金を受けているので、財産処分制限期間内(平成29年度まで?)はなんとか稼働さるということなんだろうと勝手に解釈している。

報告書を読みながら感じたことは、ダイオキシン類作業環境悪化の改善策が主目的のまとめではあるが、そもそもの世田谷清掃工場の故障による炉停止の多さを重点的に分析し、その改善策を講じようとしているのかな~ということ。その故障の原因も、結局は、ダイオキシン類作業環境悪化の原因にもつながるのかな、,ということであろう。素人判断ではあるが、結果的に、作業環境悪化も、不具合による炉停止も、ほとんどが流動床という特有の炉形式である故に起きたことであるとおもえる。

今後、いろいろ対策を講じて、(というか、、これまでもいろんな対策は行えど、、)安全で安定的な操業を担保するため「計画年間稼働日数の283日程度の稼働を目指す」となってはいるが、、、疑心暗鬼でもある、うまくいくのだろうかと、、、

 

東京二十三区清掃一部事務組合 

平成28年9月20日世田谷清掃工場対策検討委員会報告書(概要)(PDF:584KB)
平成28年9月20日世田谷清掃工場対策検討委員会報告書(PDF:6,988KB)

これまでの経過

平成28年4月22日世田谷清掃工場の試験焼却状況について(PDF:93KB)
平成28年3月18日世田谷清掃工場対策検討委員会中間報告(概要)(PDF:303KB)
平成28年3月18日世田谷清掃工場対策検討委員会中間報告(PDF:4,742KB)
平成28年2月12日世田谷清掃工場対策状況説明会の質疑要旨(PDF:286KB)
平成28年1月15日世田谷清掃工場の試験焼却実施の延期について(PDF:105KB)
平成27年12月18日世田谷清掃工場対策状況説明会の開催結果について(PDF:151KB)
平成27年12月18日世田谷清掃工場対策状況説明会資料(PDF:2,069KB)
平成27年12月4日世田谷清掃工場の試験焼却状況(2号炉)について(PDF:125KB)
平成27年11月27日世田谷清掃工場対策状況説明会のご案内(終了しました)(PDF:270KB)
平成27年11月4日世田谷清掃工場の試験焼却状況(1号炉)について(PDF:84KB)
平成27年9月18日世田谷清掃工場の現状と今後の対応について(PDF:567KB)
平成27年3月11日世田谷清掃工場の今後の対応について(PDF:195KB)
平成27年2月13日世田谷清掃工場の作業環境測定結果について(PDF:224KB)
平成26年12月25日世田谷清掃工場の再稼働について(PDF:130KB)
平成26年12月11日世田谷清掃工場焼却炉停止に伴う大気環境測定結果について(PDF:73KB)
平成26年11月20日世田谷清掃工場焼却炉の停止について(PDF:168KB)

 

報告書」のなかで衝撃をうけた写真、、、、

「故障停止の低減に向けて」のなかの

I 流動砂固化による流動不良

いろんな要因はあったようだが、、、これでは「砂」とはいえないな、、、



II 焼却不適物堆積による流動不良

ひどいですね、凄まじい!! 
針金類が絡まっている、ほんとうに唖然としてしまう!!


 

そもそも、この世田谷の流動床のガス化溶融炉
試運転中に「溶融物がガス化溶融炉出口付近に付着し排ガスの流れを阻害」とかで、3ヶ月の工期延長で引き渡しという、さいしょっから不具合でのスタート、、、それにしても、、、こんなに「故障低減対策」を実施していても、、、平成27年度はダイオキシン対策で半年以上も停止していても、故障による炉停止は4回もあった。うまく故障の低減はできるのだろうか、、、

下記の「不具合対応の経緯」の表を見ていて、、、
連続稼働日数が100日以上が、平成21年度(101日)と平成25年度(123日)にあったのだと、、びっくり
ずたずたのぼろぼろ炉のようにおもえていたので、連続100日などないだろうと思っていた~

 

 


 

世田谷清掃工場の操業から8年間の炉停止81件の故障内容を表にまとめてみると、、、
世田谷清掃工場 故障にる焼却炉の停止状況(平成20年度~平成27年度)


「清掃工場故障週報」で各種故障の内容をみていても、、専門的なことがわからないものにとっては、その故障が具体的に稼働にどのような影響しているのか、なにがどうなっているのかなどの分析などデキズに、表にしてまとめるだけだったのだが、、、今回の報告書で、世田谷清掃工場の故障による不具合状況を細かく分析して「休炉原因となった故障個所」なども図入りであったので、、なるほどな~と、、お勉強している、、

故障による炉停止の件数が少ないに越したことはないが、、、故障の内容によって,,停止の期間が長くなることもあるので、やはりその内容次第ということであろう。平成27年度の4件も、炉停止の期間は約18日ではあれ、1件は、「空塔部の温度が上昇し砂層が流動不良となった。ごみ焼却が継続出来なくなったため、焼却炉を立ち下げた。なお、このままオーバーホールに入る。」というもので、停止期間はカウントされずにすんでいるので、、、


グラフは東京二十三区清掃一部事務組合「清掃工場作業年報」から作成

 

これまで8年間で、いちども「年間稼働日数の283日」は達成できていない。
うまくいくだろうか~


グラフは東京二十三区清掃一部事務組合「清掃工場作業年報」から作成

 

それにしても,世田谷区のごみの分別は、
「プラスチック」については容リ法によるリサイクルを実施していないので可燃ごみとなっているが、
「針金ハンガー」や「傘」などは間違っても可燃ごみではないはずであるが、、、
あの写真を見ると、、、もちろん、誰かが可燃ごみに針金類を入れているということなんだろうが、,,

23区の清掃工場、ごみ組成の「金属類」、20工場の平均をみると0.38%で、世田谷清掃工場は0.22%である。
なので、世田谷区民が特別分別が悪いということではなく、流動床炉の構造によるあの絡みと詰まりということなんだろうな~


グラフは東京二十三区清掃一部事務組合「ごみ性状調査結果」から作成


 関連(本ブログ) 2009年の世田谷清掃工場の)針金類詰り状況写真にも驚いたが~
廃プラ混合焼却がもたらした影響か!消化器、魔法瓶、鉄アレイまで可燃ごみに?!2009年02月26日

第2回世田谷清掃工場運営協議会資料(平成21年2月13日)針金類詰り状況写真

 

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