8/23の本ブログ「23区廃プラスチック焼却実証確認結果 公表--大田工場、江戸川工場 」の追記として
廃プラ焼却先行4工場も今回の2工場も「重金属含有量分析結果(乾電池、蛍光灯類を除く)という項目がある。
●平成18年5月の東京二十三区清掃一部事務組合「 廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施要項」の15ページには「プラスチック製品の重金属類含有量調査」として、「容リ法対象以外の各種プラスチック製品等に含まれる重金属類の含有量調査を行い、実証確認の基礎資料とする。各種プラスチック製品の成分分析は「(4)ごみ性状調査(物理組成及び成分分析)」と同様とする。【参考】調査対象プラスチック製品例示:玩具、ビデオテープ、文房具、家庭製品、ライター乾電池等となっている。
ところが、廃プラスチック焼却先行4工場も、今回の2工場も「重金属含有量分析結果(乾電池、蛍光灯類を除く)」となっている。重金属類の数値を低く抑えるために省略したのか?
●上記の「実施要項」では、、『「容リ法対象以外の各種プラスチック製品等に含まれる重金属類の含有量調査を行い、実証確認の基礎資料とする。』と、なっているが、(4)ごみ性状調査では単に「廃プラ等」となっているので同様とするということは容器包装プラスチックを除いていると考えるべきなのか?
●大田工場の「重金属含有量分析結果(乾電池、蛍光灯類を除く)」
サーマル実施後(不検出の項目は省略)
バンカごみH19.3.8(単位:mg/Kg)
紙類:亜鉛148、総水銀0.01、リチウム7.9
厨芥:カドミウム1.0、亜鉛433、総クロム6、ひ素1.7、総水銀0.06、リチウム6.1
その他可燃物:カドミウム0.9、鉛16、亜鉛577、総クロム16、ひ素0.7、総水銀0.01、リチウム3.5
廃プラ等:鉛6、亜鉛1130、ひ素1.1、セレン0.06、総水銀0.09、リチウム1.9
不燃物:カドミウム1.2、鉛89、亜鉛1380、総クロム185
モデル可燃ごみH19.3.6(単位:mg/Kg)
紙類:カドミウム0.9、亜鉛150、総水銀0.03、リチウム10.8
厨芥:カドミウム0.8、亜鉛28、リチウム0.8
その他可燃物:カドミウム0.6、亜鉛72、総クロム7、、総水銀0.03、リチウム0.9
廃プラ等:カドミウム27.1、亜鉛51、リチウム8.4
不燃物:亜鉛37、総クロム8、リチウム0.6
★サーマルモデル実施前と比べて増えたものもあり、少ないものもある。
★各工場の詳細報告は一組HPへ
大田第一清掃工場:○ 報告書本文 ○ 測定データ
江戸川清掃工場:○ 報告書本文 ○ 測定データ
●煙突からでていく重金属は「水銀」のみ検査されている。焼却灰や飛灰に含まれる重金属を考えると上記のデータは「廃乾電池」や「容器包装プラスチック」を含んでいると考えるべきか、含まないと考えるべきか私にはわからない~(なんだか電池の成分のような物質もたくさん含まれてはいるが…)とにかく重金属だけをみてもこんなものである。
●先日、メール情報で~
Fさんが「環境省の図書館でたいへん興味深い研究報告書を見つけた」とのこと~
報告書のタイトルは
平成18年度廃棄物処理等科学研究 研究成果報告書
「家庭系廃製品の残留性化学物質と3Rシナリオ解析(K1821)」(平成19年3月)
京都大学 酒井伸一 平井康宏 浅利美鈴
国立環境研究所 倉持秀敏 滝上英孝
愛媛大学 田辺信介 高橋真
神戸大学 竹内憲司
目次
1.廃棄物処理等科学研究費補助金 研究報告書概要版
2.アジア地域の自然システム循環における残留性化学物質の挙動研究-臭素系難燃剤等による環境・生態系汚染の実態
3.アジア地域の社会システム循環における残留性化学物質の挙動研究-インド調査報告書
4.環境動態モデルのための臭素系難燃剤(BFR)の物理化学パラメータの測定と推算モデルの開発・評価
5.循環系シンクにおける残留性化学物質の化学分析/バイオアッセイ評価
6.社会システム循環のフローと行動のモデル化
7.3Rシナリオに基づく物質フローと環境動態モデルシミュレーション
この中で6ですが、サブタイトルは「-プラスチック製容器包装材に含まれるPbとその物質フロー」です。研究者は、酒井伸一さんらの京都大学環境保全センターです。
この報告書から注目すべき個所を以下に引用します。
A 研究目的
残留性化学物質の中でも、様々な用途に使用されている鉛に着目した。鉛のリサイクル率は、国内で約70%とされるが、需要の約80%を占める自動車バッテリーで一定のリサイクルルートが確立されているためであり、その他のリサイクル状況は不明なものが多い。特に、家庭製品への利用は多種多様であり、回収が困難で、家庭ごみとして焼却処理されるものも多いと考えられる。そこで、
・レジ袋(顔料として鉛を含む可能性がある)に含まれる鉛量の把握及びフロー量の推定
・日本国内での家庭内における鉛フローの把握により、家庭製品に含まれる一部の鉛について、制御策をけんとうすることとした。
この調査で、京都市家庭ごみ細組成調査と市内の回収拠点における使用済みレジ袋中の鉛含有量が100ppm以上検出された袋の一覧が表になっています。なんとそれによると、最大値はリカーショップのレジ袋には16000ppm含まれています。次に多いのが本屋で10000ppm、その次が百貨店で9900ppm、以下食品店8300ppm、衣料品店7400ppm、スーパー7300ppm、別の食品店7000ppm・・などです。これは驚くべき数値ではないでしょうか!
●このメールを読んで、上記一組のプラ成分分析がレジ袋等の容器包装プラスチックを含むのかどうかと、大いに関心が増して追加記載とした次第である。
廃プラ焼却先行4工場も今回の2工場も「重金属含有量分析結果(乾電池、蛍光灯類を除く)という項目がある。
●平成18年5月の東京二十三区清掃一部事務組合「 廃プラスチック混合可燃ごみの焼却実証確認実施要項」の15ページには「プラスチック製品の重金属類含有量調査」として、「容リ法対象以外の各種プラスチック製品等に含まれる重金属類の含有量調査を行い、実証確認の基礎資料とする。各種プラスチック製品の成分分析は「(4)ごみ性状調査(物理組成及び成分分析)」と同様とする。【参考】調査対象プラスチック製品例示:玩具、ビデオテープ、文房具、家庭製品、ライター乾電池等となっている。
ところが、廃プラスチック焼却先行4工場も、今回の2工場も「重金属含有量分析結果(乾電池、蛍光灯類を除く)」となっている。重金属類の数値を低く抑えるために省略したのか?
●上記の「実施要項」では、、『「容リ法対象以外の各種プラスチック製品等に含まれる重金属類の含有量調査を行い、実証確認の基礎資料とする。』と、なっているが、(4)ごみ性状調査では単に「廃プラ等」となっているので同様とするということは容器包装プラスチックを除いていると考えるべきなのか?
●大田工場の「重金属含有量分析結果(乾電池、蛍光灯類を除く)」
サーマル実施後(不検出の項目は省略)
バンカごみH19.3.8(単位:mg/Kg)
紙類:亜鉛148、総水銀0.01、リチウム7.9
厨芥:カドミウム1.0、亜鉛433、総クロム6、ひ素1.7、総水銀0.06、リチウム6.1
その他可燃物:カドミウム0.9、鉛16、亜鉛577、総クロム16、ひ素0.7、総水銀0.01、リチウム3.5
廃プラ等:鉛6、亜鉛1130、ひ素1.1、セレン0.06、総水銀0.09、リチウム1.9
不燃物:カドミウム1.2、鉛89、亜鉛1380、総クロム185
モデル可燃ごみH19.3.6(単位:mg/Kg)
紙類:カドミウム0.9、亜鉛150、総水銀0.03、リチウム10.8
厨芥:カドミウム0.8、亜鉛28、リチウム0.8
その他可燃物:カドミウム0.6、亜鉛72、総クロム7、、総水銀0.03、リチウム0.9
廃プラ等:カドミウム27.1、亜鉛51、リチウム8.4
不燃物:亜鉛37、総クロム8、リチウム0.6
★サーマルモデル実施前と比べて増えたものもあり、少ないものもある。
★各工場の詳細報告は一組HPへ
大田第一清掃工場:○ 報告書本文 ○ 測定データ
江戸川清掃工場:○ 報告書本文 ○ 測定データ
●煙突からでていく重金属は「水銀」のみ検査されている。焼却灰や飛灰に含まれる重金属を考えると上記のデータは「廃乾電池」や「容器包装プラスチック」を含んでいると考えるべきか、含まないと考えるべきか私にはわからない~(なんだか電池の成分のような物質もたくさん含まれてはいるが…)とにかく重金属だけをみてもこんなものである。
●先日、メール情報で~
Fさんが「環境省の図書館でたいへん興味深い研究報告書を見つけた」とのこと~
報告書のタイトルは
平成18年度廃棄物処理等科学研究 研究成果報告書
「家庭系廃製品の残留性化学物質と3Rシナリオ解析(K1821)」(平成19年3月)
京都大学 酒井伸一 平井康宏 浅利美鈴
国立環境研究所 倉持秀敏 滝上英孝
愛媛大学 田辺信介 高橋真
神戸大学 竹内憲司
目次
1.廃棄物処理等科学研究費補助金 研究報告書概要版
2.アジア地域の自然システム循環における残留性化学物質の挙動研究-臭素系難燃剤等による環境・生態系汚染の実態
3.アジア地域の社会システム循環における残留性化学物質の挙動研究-インド調査報告書
4.環境動態モデルのための臭素系難燃剤(BFR)の物理化学パラメータの測定と推算モデルの開発・評価
5.循環系シンクにおける残留性化学物質の化学分析/バイオアッセイ評価
6.社会システム循環のフローと行動のモデル化
7.3Rシナリオに基づく物質フローと環境動態モデルシミュレーション
この中で6ですが、サブタイトルは「-プラスチック製容器包装材に含まれるPbとその物質フロー」です。研究者は、酒井伸一さんらの京都大学環境保全センターです。
この報告書から注目すべき個所を以下に引用します。
A 研究目的
残留性化学物質の中でも、様々な用途に使用されている鉛に着目した。鉛のリサイクル率は、国内で約70%とされるが、需要の約80%を占める自動車バッテリーで一定のリサイクルルートが確立されているためであり、その他のリサイクル状況は不明なものが多い。特に、家庭製品への利用は多種多様であり、回収が困難で、家庭ごみとして焼却処理されるものも多いと考えられる。そこで、
・レジ袋(顔料として鉛を含む可能性がある)に含まれる鉛量の把握及びフロー量の推定
・日本国内での家庭内における鉛フローの把握により、家庭製品に含まれる一部の鉛について、制御策をけんとうすることとした。
この調査で、京都市家庭ごみ細組成調査と市内の回収拠点における使用済みレジ袋中の鉛含有量が100ppm以上検出された袋の一覧が表になっています。なんとそれによると、最大値はリカーショップのレジ袋には16000ppm含まれています。次に多いのが本屋で10000ppm、その次が百貨店で9900ppm、以下食品店8300ppm、衣料品店7400ppm、スーパー7300ppm、別の食品店7000ppm・・などです。これは驚くべき数値ではないでしょうか!
●このメールを読んで、上記一組のプラ成分分析がレジ袋等の容器包装プラスチックを含むのかどうかと、大いに関心が増して追加記載とした次第である。