環境ホルモン国民会議「新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間」から抜粋
生活協同組合パルシステム東京の学習会に参加した~
「ネオニコチノイド系農薬の現状と課題」の学習会、
講師は、中下裕子氏(NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 代表)&木村-黒田純子氏(環境脳神経科学情報センター)
中下裕子氏のお話は、いつも迫力満点でとてもわかりやすく、いまさらながらに日本の環境政策の遅れに憤慨しながらも聞き入ってしまった。木村-黒田純子氏は、ネオニコチノイド系農薬が、子どもの脳に与える影響を中心にお話しされた。ほんとうに、ここまで深刻になっている問題を、なぜ日本は逆行しているのか、どうしようもないやるせなさを感じながら、、、
農薬大国日本、日本の単位面積あたりの農薬使用量はOECD諸国のなかではダントツ1位
海外では、子どもの発達障害のみならず、パーキンソン病やアルツハイマーなども農薬との関連が疑われているというのに、、、
世界でミツバチの大量失踪(蜂群崩壊症候群)、日本でもミツバチ被害が相次いで報告されている。2012年には、ハチ大量失踪の原因説は、ネオニコチノイド農薬説にほぼ決着。それを受けて、フランス、ドイツ、イタリアなどヨーロッパ各国、EU、アメリカと、ネオニコチノイド系農薬の使用禁止や、使用停止、制限など行っているというのに、日本では規制なしで、諸外国に比べても緩すぎる残留農薬基準を、更なる基準緩和を進めている~こういう現実を見せつけられると、、、
EUなど欧米諸国はなにごとも予防原則に則り、怪しいもの問題のありそうなものには即座に対応する。それらに相反する日本の事なかれ主義というか、ネオニコチノイド系農薬だけをみても、規制どころか、企業の在庫処理の促進か、基準を緩和して農協ぐるみで使用の促進
全てに対して国民の安全や健康よりも、企業の利益、経済の活性化を最優先する国。予防原則など全く機能しない日本、福島の原発事故ですら、「原発事故によって死者出ていない」と宣い、つい先日も、「それで何人死んだ」と堂々と国会ヤジも飛ばす国、日本。そして大きな問題となっても「直ちに影響はありません」でかたづけてしまう国。死んでしまったらお終いなのに、国民がばたばた死んでしまっても、因果関係が明確でないで切り捨ててしまうし、そういう悲しい国である、
農薬に限らず、、、ダイオキシンや環境ホルモンも「空騒ぎ」でもみ消してしまった国日本、、放射能の問題も、いつの間にか消し去られ、原発の安全神話すら復活させてしまうのか、、、、、
関連(本ブログ)
■【緊急】ネオニコ系農薬もう増やさないで!署名と拡散のお願い<Greenpeace Japan>2015年03月02日
日 時: 2月27日(火)10:00~12:30
会 場: パルシステム東京新宿本部2F 第1会議室
講 師: 中下 裕子 氏(NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 代表)
木村-黒田 純子 氏(環境脳神経科学情報センター)
環境ホルモン国民会議「新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間」はとてもわかりやすい冊子なので、多くの人に開いて欲しい~ 以下、「新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間」から抜粋
●ネオニコチノイド農薬が直接的原因と判明
世界中でミツバチの大量死や大量失踪、数の減少が報告されはじめ、約20年が経過しました。1990年代にヨーロッパ諸国で始まったこの現象は、蜂ほう群ぐん崩ほう壊かい症しょう候こう群ぐん(CCD)と命名されましたが、2010年時点で米国、カナダ、中南米、インド、中国などにも広がり、日本でも同じような現象が現在でも多発しています。CCD の特徴は①巣に働き蜂がほとんど残っていない。②死骸が見つからない。③巣には多数の蛹さなぎが残っている。④巣には蜜や花粉が残っている。⑤多くの場合、巣
に女王バチが残っているなどです。
CCD の原因については、ダニやウイルス、地球温暖化などさまざまな要因があげられてきましたが、2012年に世界一流の科学雑誌である『Science(サイエンス)』や『Nature(ネイチャー)』に、ネオニコチノイド農薬とCCD の関連を結びつける論文(18頁参照)が掲載され、ネオニコチノイド系農薬がミツバチ大量死の直接的原因であることが科学的に証明されました。それを受けてEU では、2013年末よりこの農薬の3成分について一時使用中止し、2016年現在でもその規制は継続されていますが、日本では規制は始まっていません。
ハチが巣に戻れなくなったのは、ネオニコチノイド農薬が成虫の脳・神経系を直撃し、方向感覚や帰巣本能を侵したからではないか、また、汚染された花粉や蜜を食べた幼虫の生育に悪影響を与えたのではないかとされました。さらに、ネオニコチノイド農薬をあびることによってハチの免疫力が低下し、ダニやウイルスへの抵抗力を失った
のではないかと指摘する論文も発表されました。
●ネオニコチノイド系農薬の特徴
1990年代から多用されている農薬(殺虫剤の一種)です。タバコの有害成分ニコチンに似ているのでネオニコチノイド(新しいニコチン様物質)という名前が付いています。この農薬は1990年頃、有機リン系農薬の後に開発され、現在8成分が登録されています。
ネオニコチノイドの特徴は、①浸透性、②残効性、③神経毒性で、ミツバチを含む昆虫類、生態系、さらに人への影響が懸念されています。ネオニコチノイドは、水溶性で植物内部に浸透することから浸透性農薬とも呼ばれています。さらにネオニコチノイドは、条件により残効性が高くなり、地中に長期(1年以上)残留するという報告があります。この他にも浸透性農薬としては、新しい系統の殺虫剤フィプロニル(フェニルピラゾール系、13頁参照)も多用されています。フィプロニルはペットのノミ駆除、家庭用殺虫剤、農薬として使われていますが、これも神経毒性があり、ミツバチ大量死の原因として注目されています。
●増え続けるネオニコチノイド使用量
ネオニコチノイドの国内出荷量は年々増加しており、最近18年間で約3倍に増えました。その用途は農業、林業、家庭用(殺虫剤、シロアリ駆除、その他)など私たちの生活全般に広がり、未だに多用されている有機リン系農薬と複合汚染を起こしています。
●有機リンとピレスロイド
昆虫の神経伝達系に作用する農薬(殺虫剤)が開発されるようになって半世紀。その歴史は、新農薬が登場しては、数十年後に危険性が明らかになることの繰り返しでした。半世紀前のDDT など有機塩素系農薬は残留性や生物濃縮性が高く、また毒性が強いので、今ではPOPs(残留性有機汚染物質)としてほぼ世界中で禁止されていましたが、汚染は未だに続いています。
2007年、EU では毒性評価の結果、毒性が強いとして有機リン系農薬の大部分を禁止しましたが、日本では未だに殺虫剤として一番多く使われています。子どもが有機リン系農薬に曝露すると、低用量(日常曝露量)でもIQ の低下や発達障害を起こすリスクが上がるという研究が数多く出されています。家庭用殺虫剤でよく使用されるピレスロイド系農薬も子どもへの発達神経毒性が
報告されています。日本政府は、マラリア対策にピレスロイド系合成殺虫剤ペルメトリンを練り込んだ蚊帳の普及をアフリカで推進しています。蚊帳と接触の多い子どもへの健康被害が起こることが懸念されます。
●複合汚染は続く
現在私たち日本人は、新しいネオニコチノイド系農薬と有機リン系農薬、ピレスロイド系農薬など多種類の農薬に同時に曝されています。近年見られるようになった子どもの発達障害やアレルギーの急増、成人の精神疾患の増加に、これらの農薬の汚染が関与している可能性が指摘されています。害虫を殺すだけのつもりが、人間にまでその影響が及び始めています。世界でも単位面積あたりの農薬使用がとびぬけて高い日本、このままでよいのでしょうか。
* フィプロニル: 新しい系統の殺虫剤( ネオニコチノイド系ではなく、フェニルピラゾール系)。
フランスなどでミツバチ大量死の原因として注目されている。
●ネオニコチノイドの“ 神話” と“ 現実”
【神話(Myth)】
▷弱毒性 ▷虫は殺すが人には安全 ▷無臭・無色 ▷環境保全型農薬である ▷有機リンより人に悪影響が少ない ▷少量で効果が長期間持続 ▷揮発しにくい
【現実(Reality)】
▶残効性が高い ▶複合毒性が高い(ミツバチの実験では、ネオニコチノイドにある種の殺菌剤を混ぜると毒性は最高1000倍になる) ▶代謝産物の毒性が高い(生体の中に入ってから毒性が増加する) ▶浸透性殺虫剤である(根から吸い取った薬剤が茎や葉、実などすみずみまで浸透し、洗っても落ちない) ▶ 人にも神経毒性を持ち、被害例が多い
●葉の水滴にも高濃度のネオニコチノイド!
フランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国で、農作物の種子をネオニコチノイド処理した結果、ミツバチ大量死が発生しました。イタリアのV.Girolami らがネオニコチノイド処理したトウモロコシの種子が成長した後、その葉から滲み出る水滴を調べた※ところミツバチの致死量に当たるネオニコチノイドが検出され、ミツバチはその水を飲んで死んだ可能性があることがわかりました。
※この検出実験は、3種類のネオニコチノイド、(イミダクロプリド(0.5mg/ 粒)、クロチアニジン(1.25mg/ 粒)、チアメトキサム(1mg/ 粒)をそれぞれ別のコーンの種子に処理。葉から滲み出た水滴にはml あたりに換算して0.01~0.2mg のネオニコチノイドが含まれていた(『Ecotoxicology』2009年)。
農薬が原因の一つとされている子どもの病気や障害は数多く、自閉症、ADHD、学習障害などの発達障害が米国や日本などで増加しています。知能(IQ)の低下、作業記憶の障害などを含め、農薬が脳の大切な働き(高次機能)の発達を障害し、さまざまな行動異常を起こすことが最近の研究で明らかになってきました。有機リン系や
ネオニコチノイド系の農薬は微量でも、脳で情報を伝達するアセチルコリンの働きを狂わせます。アセチルコリンは脳の発達のための遺伝子の働きを調節するという重要な役割も演じているため、脳の一部の神経回路が正常に発達せず、発達障害になると考えられます。子どもの脳の機能発達は生後から学齢期でも盛んです。子どものためにも、できるだけ無農薬の食品を選び、室内で殺虫剤を使用しないで下さい。
米国小児科学会は声明を発表し「農薬曝露は子どもの癌のリスクを上げ、発達障害など脳の発達に悪影響を及ぼす」と警告(Pediatrics,2012)。また、国際産婦人科連合は、「農薬、大気汚染、環境ホルモンなど有害な環境化学物質の曝露が流産、死産、胎児の発達異常、ガンや自閉症など発達障害を増加させている」と意見書を提出(Int J Gynaecol Obstet,2015)。
※日本国内の3歳児(223名、2012-13年)の尿検査では、何らかのネオニコチノイドが検出された割合は約80%、有機リン系農薬の代謝物、ピレスロイド系農薬の代謝物は共に100%検出。日本の子どもたちも日常複数の農薬に曝露している(Osaka et al, 2016)。
※ ADHD のリスクは、有機リン系農薬の曝露により、約2倍高くなる(Bouchard et al, 2010他)。
※自閉症の原因となる化学物質として、鉛、メチル水銀、PCB、有機リン系農薬、有機塩素系農薬、各種の内分泌攪乱物質(環境ホルモン)や可塑剤などが既に知られている(Landrigan et al, 2012)。
※有機リン系農薬に胎児曝露すると3歳でADHD や自閉症の前駆症状を示す(Rauh et al, 2006)。
※知能(IQ)低下、作業記憶の障害が有機リン系農薬クロルピリフォスで起こる(Rauh et al, 2011)。
※小児がんのリスクは、15歳まで農薬を多用する地域に住んでいた子どもが高い(Carozza et al,2008)。
※先天異常発生率は農薬散布者(男性)の子どもに有意に高い(Garry et al, 1996)。
※喘息になるリスクは、生後1年間に農薬や除草剤に曝露された子どもに高い(Salam et al, 2004)。
※有機塩素系農薬やPCB に曝露されると、後に肥満ひいては糖尿病になりやすい(Lee et al, 2011)。
詳細は農薬監視機構Pesticide Action Network(北米)の、子どもへの農薬曝露が発達障害や健康被害
を起こすと警告する報告書を参照。
http://www.panna.org/publication/generation-in-jeopardy
ネオニコチノイド規制 世界の動き(2013‐2016年)
●E U:2013年12月、イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサムの3種類のネオニコチノイド系農薬の暫定的な使用禁止を決定。2016年現在も使用禁止を継続中。フィプロニルについても使用を禁止している。
●フランス:2016年3月、議会はすべてのネオニコチノイド系農薬とフィプロニルの使用禁止を可決。2018年9月より発効。
●オランダ:2014年3月、議会はネオニコチノイド系農薬とフィプロニルを全面的に禁止する法案を可決。
●アメリカ:2014年、魚類野生生物局(FWS)は国立野生生物保護区におけるネオニコチノイド系農薬使用を制限。
2014年9月、米国の19の環境・消費者団体(Center for Food Safety, Beyond Toxics,
Friends of Earth など)は、EPAのネオニコチノイド系農薬評価に意見表明。
2015年環境保護庁(EPA)は、イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフランの4種類のネオニコチノイド系農薬について新たな使用を原則禁止。すでに許可を受けている範囲内での使用は許可。
2015年、連邦裁判所はスルホキサフロルの使用許可取り消しを命令。EPAは使用許可取り消したが、2016年に用途を限定して再登録。
●ブラジル:2015年、環境・再生可能天然資源院(IBAMA)は、綿花並びに開花時期に綿花農場から300m 以内で栽培される冬季農作物へのイミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、フィプロニルの使用を禁止。
●カ ナ ダ:2014~2015年、オンタリオ州、ケベック州、バンクーバー州などでネオニコチノイド系農薬の使用規制開始。
●台 湾:2014年5月、2016年1月から茶葉へのネオニコチノイド系農薬とフィプロニルの使用禁止を決定。
●韓 国:2014年、農村振興局(RDA)は、期間限定でイミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサムの3種類のネオニコチノイド系農薬の新規・変更登録禁止。
●中 国:2009年、フィプロニルの使用規制(国内のみ)、輸出は許可。
●日 本:2015年、新たなネオニコチノイド系成分のフルピラジフロンを農薬登録。2016年、スルホキサフロルの登録保留。
詳細は~「「新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間」」へ
パルシステム東京は、自分が加入している生協で、
30年前くらいには、自分でも地域や専門委員会などで活動をしていたのだが、、
その頃は、学習会の企画などするたびに、いかに多くの人に参加してもらうかに躍起になってもいたが、、、
いまでは、生協では商品の購入だけで組合員活動はほとんどやっていない、、、
今回の学習会も、古紙ネットの仲間に誘われて学習会に気がついた次第で、、一緒に参加した~
学習会終了後、昼食かねて、ゆっくりたっぷり、おしゃべりをしてきた。
最近は、みんな何かと忙しくて、時間を気にせずにしゃべることなどほとんど無いので、とても嬉しい、貴重なひとときだった、
ほんとうに夕方までしゃべってしまった~
今のご時世、いろいろ大変な問題だらけで、
「ごみ問題」どころではないね、、、といいながら、たっぷりと「ごみ問題」もしゃべってきた~
ミツバチが全滅したのは 確かな事実です。
一年目は 種蜂が送料共で6万円で買えましたが、
去年は 七万円かかりました。ダントツ被害は
稲作地帯での カメムシ 防除の声が大きいですが、
茶園地帯はなぜか 被害の話が少ない。
私の 周りが 全山茶園で、零細農家がおおいせいかもしれません。ネット知恵袋で 農薬や 防除に詳しい人の投稿で 新茶摘採の一週間前まで
ダントツを散布してよろしいと決まったとか、
リーフ茶を洗って飲む人はいませんが 洗っても
落ちない 浸透性 残留性が 高いと聞いております。この 猛毒農薬ができたのは 11年くらい前で 当地で ミツバチが 全滅するようになったのは五年前からです。新茶のパッケージに 断トツ不使用ですと 義務付けをすると いくらか
効果があると思うのですか。日本の中で 誰かが
健康被害を無視して 販売に熱心な人が いるとしか考えられません。