武雄市「プラスチック分別の廃止について」から
佐賀新聞は「武雄市、プラスチックごみの分別廃止」で、武雄市は4月から、プラスチックごみの分別を廃止すると報じている。
これまで容器包装プラスチックを分別収集・資源化していた自治体が、ガス化溶融炉や焼却炉を新設後に分別収集を廃止して、焼却炉での熱回収に転じた例はあるが、佐賀市も4月からプラスチックは可燃ごみとして焼却するとなった。
これは、プラスチック容器包装リサイクルの功罪というか、ガス化溶融炉(特にシャフト炉式ガス化溶融炉)の功罪というか、、
武雄市は廃止の理由として
「さが西部クリーンセンターにおいては、ごみ処理場の新設に伴い「溶融炉」という高温で処理できる方式となり、もえるごみの溶融時に発生する発熱を利用した電力の発電が可能となりました。」としているが、、、プラスチックをシャフト炉式ガス化溶融炉のコークス燃料の代替として補うという事でもあろう、、
また、「リサイクル状況についても、4分の3が燃料リサイクルとしてエネルギーへ転換されている現状があります。」には、、、多様な解釈あるなかで、環境省や容リ協会はどう反論できるのやら、、、ケミカルリサイクルも材料リサイクルも、なんというか、、、武雄市は理由として掲げていないが、自治体の分別収集・選別・保管の費用が多大にかかるという事も大きな要因だろう。
佐賀県西部広域環境組合(伊万里市 武雄市 鹿島市 嬉野市 有田町 大町町 江北町 白石町 太良町)
「西部クリーンセンター」は新日鉄のシャフト炉式ガス化溶融炉 205t/日(102.5t/日×2 炉)である
佐賀新聞によると、「さが西部クリーンセンターでは4市5町がごみを共同処理している。このうち、武雄市を含めて3市3町がプラごみを分別している。」ということで、そのほかの市町も武雄市に追随するのか、、
容リ協会「平成29年度 再商品化事業者落札結果(プラスチック製容器包装)」をチェックしてみると、、
武雄市、 鹿島市、嬉野市、大町町、江北町、太良町は、平成29年度は、プラスチック製容器包装の分別収集をして指定法人ルートでリサイクルしている。(伊万里市、有田町、白石町は容リ協会との契約なし)
再商品化事業者名工場名と落札数量
武雄市 新日鐵住金株式会社八幡プラスチック再商品化工場(コークス炉化学原料化) 161t
鹿島市 新日鐵住金株式会社八幡プラスチック再商品化工場(コークス炉化学原料化) 45t
嬉野市 新日鐵住金株式会社八幡プラスチック再商品化工場(コークス炉化学原料化) 100t
大町町 新日鐵住金株式会社八幡プラスチック再商品化工場(コークス炉化学原料化 36t
江北町 新日鐵住金株式会社八幡プラスチック再商品化工場(コークス炉化学原料化 20t
太良町 株式会社エコポート九州(指名競争入札等)本社工場(材料リサイクル) 6t ←指名競争入札なのだ???
(入札業者がなかった場合など指名競争入札に成場合がある「再商品化事業者の入札選定方法」)
武雄市、 鹿島市、嬉野市、大町町、江北町と、軒並み新日鐵住金八幡工場でコークス炉化学原料化なので、、、それならば、、、自分のところの「西部クリーンセンター」新日鉄のシャフト炉式ガス化溶融炉で燃やしたくもなるだろう、、、
なかなか難しい、解釈のありようで、分別収集して、指定法人ルートで再商品化すると、、、環境省の統計上はリサイクルとなる、、、
日本の環境政策、廃棄物政策、
発生抑制や元を絶つ論理よりも、でたものをどう処理するかの後始末行政、
大量に生産、大量消費、大量廃棄=大量リサイクルはいまもあまり変化なし、
国土の狭い日本、最終処分場の延命化のためには、ごみ焼却至上主義は今も健在、
容器包装リサイクル法も、やはりまだまだ問題多し、、、
佐賀新聞 2018年2月16日
武雄市は4月から、プラスチックごみ(プラごみ)の分別を廃止する。プラごみは燃えるごみと一緒に出し、プラごみ収集用の袋はペットボトル収集の袋に使える。
2016年1月に伊万里市で稼働した「さが西部クリーンセンター」で、燃えるごみを高温処理する溶融時の熱で発電する「サーマルリサイクル」が可能になり、プラごみのサーマルリサイクルへの活用や年間処理費用の軽減、市民の分別作業の負担軽減などを考慮し、廃止を検討してきた。
処理を委託契約してきた財団法人・日本容器包装リサイクル協会と契約解除の協議が終わったことなどで廃止を決定した。
市環境課によると、市の年間のプラごみの量は約160トンで700万円近い処理委託費がかかっていた。分別廃止で燃えるごみの処理委託費が増えるが700万円は下回る見通しという。
さが西部クリーンセンターでは4市5町がごみを共同処理している。このうち、武雄市を含めて3市3町がプラごみを分別している。
プラスチック分別の廃止について
この度、さが西部クリーンセンターにおいては、ごみ処理場の新設に伴い「溶融炉」という高温で処理できる方式となり、もえるごみの溶融時に発生する発熱を利用した電力の発電が可能となりました。これを、「サーマルリサイクル」と言います。
そこで平成30年4月1日より、プラスチック分別を廃止し、サーマルリサイクルを行います。
市民の皆さまにおかれましては、平成30年4月1日よりすべてのプラスチック類について、もえるゴミとして排出をお願いいたします。
サーマルリサイクルへの転換について、ご理解とご協力をお願いいたします。
その他の廃止理由
分別収集を行っていたプラスチックのリサイクル状況についても、4分の3が燃料リサイクルとしてエネルギーへ転換されている現状があります。
さが西部クリーンセンターでは、プラスチックを溶融することで、エネルギー(電力)を作ることが可能です。
(平成30年4月1日から)プラスチックごみはもえるごみへ
プラスチックで出来た製品やプラマークがあるものについては、すべてもえるごみ袋で出してください。
(平成30年4月1日以降)残ったプラスチック袋の取り扱いについて
ご家庭で残ったプラスチック袋については、ペットボトル袋として代用しご利用いただくことができます。