一人ディズニー見聞録

ディズニーを切り口に世の中の出来事を紹介しています。ディズニーソングのコンサートレポートも書いています。

「ディズニー社会学」 第1回 東京ディズニーリゾートへの   修学旅行③

2022-06-15 07:46:00 | 社会課題
『これからの日本の修学旅行』


東京ディズニーリゾートでの修学旅行においてセットで行われる「ディズニーアカデミー」は、大まかにとらえると修学旅行の本来の目的を果たしているように思える。旅行先でそこに関することを現地人(ディズニーリゾートの場合はキャスト)から教えてもらい、そして教わった内容を現地(パーク)で実感・体感できるプログラムは、ある意味「学業を修める」旅行だ。


修学旅行は「学業を修める旅行」と書くが、その多くは観光名所に行って集合写真を撮り、その周辺地域の郷土体験やお土産を買う等、旅行会社が売り出している観光旅行プランと何ら変わらないことを行っている。


そのプランで生徒たちが喜んでいるのはいいことだが、せっかく遠方まで来ても、生徒たちが長期休暇で家族や友人と出来ることをやっていては、あまり意味がないと思う。修学旅行は学校行事であり、言い換えると修学旅行は学校教育の一環でもある。それを思い出作りの観光旅行で済ませてしまうのは、何だか勿体ない気がする。


自分も中学生時代に京都と奈良に行ってとても楽しかったが、今振り返ると現地に行って何かを学んだ記憶が無く、どこか物寂しさを感じた。もし中学時代の修学旅行で、観光に来ている外国人に「なぜ京都に来たのか」を、中3までに習った英語を使って訪ね、外国人から見た京都の魅力等を現地または帰校後の授業で発表できたら、記憶に残る学校行事になっただろう。また本当の意味での「学業を修める」旅行になっていたと思う。


そして、修学旅行での経験を忘れないようにするには、旅行先で学んだことを記憶に定着させる必要がある。そのためには、旅行のプランにアウトプット学習を導入することが大切だ。


アウトプット学習は、学んだこと(インプットしたこと)を記憶に定着させる効果的な学習方法と言われている。一昨日から伝えている「ディズニーアカデミー」に、アウトプット学習の要素を取り入れることで、生徒たちは学んだことをしっかりと覚え、社会人になったときにそれを活かすことができると思う。


予算、時間、教職員の業務過多等、様々な問題があるため、修学旅行に実践学習を導入するのは難しいかもしれない。しかし、それが実現すると学生の将来にはプラスになるはずだ。これからの修学旅行は、思い出作りの観光旅行から、社会で生きていく術を学ぶ実践学習旅行にしていってほしい。


「ディズニー社会学」 第1回 東京ディズニーリゾートへの   修学旅行②

2022-06-14 07:40:00 | 社会課題
『自分が考えた東京ディズニーリゾートでの修学旅行プラン』


東京ディズニーリゾートは、中学生・高校生を対象としたセミナープログラム「ディズニーアカデミー」を実施している。来園前日または当日、リゾートで働くキャストからおもてなしやコミュニケーションに関する講義を受けた後、実際にパークに行き、講義で学んだ内容を実感・体感するプログラムは、「学業を修める」と書く修学旅行には、ピッタリの内容だ。


修学旅行でパークに来ている学生たちは、おそらく「ディズニーアカデミー」を受けてから入園しているはずだ。しかし、自分がディズニーシーに行った際に見かけた修学旅行生の多くは、ほとんどの生徒は休日に友達と遊びに来ているように見え、講義で学んだことを実感・体感しているように見えなかった。


人格形成期の14、15歳でパークビジネスに関することを学べるのは、贅沢の極みである。彼らはあと数年もすれば、社会に出ていくことになるため、それから近い年代で社会に出て役立つことを学べるのは貴重だ。では、どのようにしたら修学旅行生が「ディズニーアカデミー」で学んだことを、自分たちの生きる糧に出来るのか。


それは、「ディズニーアカデミー」をより実戦形式なものにして、学んだことをアウトプットする機会を設けることだ。「~アカデミー」を実戦形式にするというのは、生徒たちに東京ディズニーリゾートとテーマパークビジネスに関する課題を課し、修学旅行最終日(ないしは最終日前日)に発表してもらうというものだ。


リゾートに着いた修学旅行生は初日に、「~アカデミー」で東京ディズニーリゾート歴史とテーマパークビジネスに関する講義をまる一日かけて受ける。そして、講義終盤で「学生向けのアルバイトサイトに、東京ディズニーリゾートで働きたい、と思えるようにするには、どんな情報を載せたら良いか」等、今まで学んできたことに関する課題を生徒たちに課すのだ。(課題は、各クラスの各班ごとに課す)。


続いて、翌日のパーク体験では、前日課せられた課題に関することを考えながら行動するように伝え、パーク体験をさせる。そして、翌日の午前中に課題発表に向けた準備の時間を設け、午後は各クラスまたは全クラスの生徒に向けてグループ発表を行う。その際に、講義を担当したキャストと引率教員たちが審査員となり、各発表に点数を付ける。そして最も優秀な成績を残したグループには、ランドかシーのワンデーパスポートを贈呈させる。


修学旅行の多くの時間を学習に費やすのは、生徒も教職員にとって大変なことだと思う。また、リゾート側もこれだけ充実した講義を行うとなると時間も労力を大いに使うことになる。これらのことから、自分が考えた修学旅行プランは実現するのが難しいと思われる。


しかし、もし実際に行ったら多くの修学旅行生は社会に出た際、皆東京ディズニーリゾートのキャストみたいな大人になっているかもしれない。それは、東京ディズニーリゾート、教職員、さらには社会にとっても嬉しいことだと思う。自分たちの教え子たちが、日本や世界で活躍する人材になったのは、「ディズニーアカデミー」のおかげ、と考えると、誰にとっても良いことしか起きないと思う。


今回は東京ディズニーリゾートでの修学旅行について書いてきたが、そこから考えたいことがもう1つある。それは、日本の教育現場で行われている修学旅行についてだ。


<「これからの日本の修学旅行」に続く>


「ディズニー社会学」 第1回 東京ディズニーリゾートへの   修学旅行①

2022-06-13 07:47:00 | 社会課題
ディズニーの映画、音楽、パークなど、ありとあらゆるディズニー関連の事柄から、世の中を考えていく「ディズニー社会学」。第1回目のテーマは、東京ディズニーリゾートへの修学旅行について取り上げる。


6月初旬の平日、東京ディズニーシーに行ってきた。閑散期の平日なら混んでいないと思っていたが、自身の来園日が期間限定グッズの販売日2日目、横浜市の開港記念日(市立の小学校・中学校・高校は全て休校)、そして修学旅行シーズンということで、平日にも関わらず大勢のゲストが来ていた。


中でも目立っていたのが、制服を着た修学旅行生たちだ。仲間同士で同じカチューシャや被り物を付けてアトラクションに並び、他愛もないことをじゃれ合いながら話す姿を見ると、「青春していて楽しそうだな」と思った。各学校で1回しか行えない青春時代の思い出作りをディズニーシーで行えている彼らは、とても贅沢で羨ましい。


ところが、某アトラクションで6人の男子学生の後ろに並んでいた時、突然ある違和感を感じた。それは、学生たちが修学旅行でシーに来ているのに、プライベートで友達と一緒に来ているようにしか見えなかったことだ。「学業を修める」と書く修学旅行でシーに来ているはずだが、彼らを見ると「僕たちは勉強しにきたんだ」という雰囲気はなく、長期休暇で遊びに来た学生たちと変わらずに楽しんでいた。


たしかに、修学旅行でディズニーリゾートに行けることは、遠方でなかなか行けない学生たちにとっては、この上なく幸せなことであるし、楽しみなことだ。またリゾートでの修学旅行は楽しいことを多く経験できるため、学生時代の思い出作りにはピッタリだと思う。


さらに東京ディズニーリゾートでは、「ディズニーアカデミー」と呼ばれる中学生・高校生を対象としたセミナープログラムを実施している。来園前日または当日、リゾートで働くキャストからおもてなしやコミュニケーションに関する講義を受けた後、実際にパークに行き、講義で学んだ内容を実感・体感するプログラムは、とても良い社会勉強になるため修学旅行先にはピッタリだ。


自分が来園した日にいた旅行生たちは、積極的にキャストに話しかけいて、その様子から彼らは「ディズニーアカデミー」を受けているように思えた。しかし、自分が見た学生のほとんどは、アトラクションに乗ることや友達とお揃いのカチューシャを付けて写真を撮ること、お土産を買うことに一生懸命で、「ディズニーアカデミー」で学んだことを実感・体感しているようには見えなかった。


そうなるのは分からなくもない。自分も彼らと同じころは、パークに来たら遊ぶことしか考えられなかった。楽しい場所だから、そこで何かを学習するのを14、15歳の学生に課すの難しいことだ。だが、「学業を修める」と書く修学旅行なのだから、来た学生全員が何か1つでも学んで帰ってほしいと思った


そこで、もし自分が学校教員だったら、修学旅行先を東京ディズニーリゾートにした場合、次のようなプログラムを行っていきたい。

〈「東京ディズニーリゾートでの修学旅行プログラム」に続く〉

〈参考ホームページ〉
「東京ディズニーリゾート公式セミナー ディズニーアカデミー(学校向け)」 https://www.tokyodisneyresort.jp/treasure/fantasy/seminar/school/index.html(参照 2022-6-12)