えー、
あー、
うー
どうも
カレーマンです。
“2016年上半期のプロレスを振り返る”シリーズの記事を
ペソペソと打ち続けていましたが、
その間にもひたすらプロレスを見続けた結果、
次第に上半期など遠に過ぎ去り、
次第に振り返りきれなくなり、
遂には年を越してしまいました。
もはや今更感が甚だしいかも知れませんが、
まあ、それはそれとして、プロレスを観るようになってから
習慣となっております、
ネットプロレス大賞2016への投票につきまして、
下記の通り実施させていただきます。
∞∞ネットプロレス大賞2016∞∞
東スポプロレス大賞、
週プロプロレスグランプリ、
日本インディー大賞とともに、
プロレスファンと一部プロレスラーに
認知されているネットプロレス大賞。
「プロレスをみて」「インターネットを通じて発信している」
全ての人…SNS全盛の現代では=ほぼ全てのプロレスファンを
対象び投票資格のある同賞は、
SNSでの呼びかけが主な告知方法であり、
項目数も多岐に渡るにも関わらず、
昨年は487票もの投票があったとのことです。
当ブログでは、主催のブラックアイ2BLOG様に
2010年マッスルハウス10の
感想を取り上げて頂いて以来、
毎年欠かさずに投票を行っております。
この投票の素晴らしいところは、
・一個人が一部門に複数投票できる
・投票に順位点という形で“強度”がつく
・少数票であっても一定ポイントを超過すればランキング掲載される
・記録がウェブに残り、毎年投票時にリマインドが可能
・ネット、不特定多数というバイアスの反面、
メジャー/マイナー(インディーではない)間の
多数決的なバイアスは少ない。
あと政治的バイアスも少ない。
という感じで、とにかく、
自分にとって素晴らしいものを語りたいという、
私にとってはまさにうってつけの投票様式でございます。
さてさて。
個人的な縛りとして、実際に試合や映像を観たものを優先しております。
が、
今年に関しては、例年に増してプロレスづいていたため、
ちょっと投票内容に偏りがあります。
まあそういったバイアスがかかるのは、
ファンによる投票形式の一つの宿命として、
軽く流していただければ幸いです。
【新人賞】
さて、新人賞については9月に振り返りでまとめてございます。
が、そこからさらに4ヶ月が経って、状況はさらに混迷を極めました。
今年は、プロレス記者の須山浩継さんが「女子プロレス新人の量、質ともに当たり年」と
週プロモバイルで記事にされていたとおり、
かなりの人数の“新人”要件に該当する女子プロレスラーが存在します。
また、インディー大賞ニューカマー賞を大差で受賞した
大日本プロレスの野村卓矢選手はじめ、男子レスラーもかなり有望と思われる
新人キャリアの選手たちが続々と頭角を現しています。
私も今年かなりのレスラーのデビュー戦を目撃しました。
が、
正直、デビュー戦だとどんなレスラーか、なんて、わからない。
どうしても時間の経過とともに個性が現れてくるものだと思います。
あとは、その個性がどういう形で滲んでくるか、見ている側に伝わるか。
そんなあたりを含めて、新人賞を選んで見ました。
1位 アーサ米夏(我闘雲舞)
2位 黒音まほ(東京女子プロレス)
3位 優宇(東京女子プロレス)
“新人の当たり年”だった2016年、
一位票にはアーサ米夏選手を推したいと思います。
身体能力や体格、技術やキャラクターの濃さなど、
プロレスラーに求められる資質は実に多岐に渡り、
それぞれでアーサ選手を上回る選手はいたし、今年は特に素晴らしい選手が多かった。
でも私は、プロレスは“感情のスポーツ”でもあると思っていて、
その意味の強さで一位に上げました。
[6.22後楽園 志田光を相手にデビューしたアーサ米夏]
アーサ選手は昨年2月に上京してそのまま市ヶ谷の住人(比喩ではない)となり、
選手やファンが「なんとなく3年くらいいる感出してる」というほど
妙に馴染むと、3月にはジャンケンで勝ち残って練習生なのにCDデビュー。
[3.19市ヶ谷 上京1ヶ月くらいでいきなり客前でプレゼンさせられるアーサ]
そして練習生なのにCD100枚を売ることを義務付けられ、
練習生なのにニコプロや地方ラジオに出演するなど、
謎の存在感を発揮し続けました。
6月の後楽園大会で正式にデビューを飾ってからも他団体での提供試合、
「おにぎりプロレス」という謎のアイドル活動に従事するなど、
本人が「むしろ経験しかしていない」というほどに経験値を積みまくり、
10.31のHEATUPとどろき大会ではジャガー横田に米アタックを決めて
会場を大いに沸かせていました。
[12.6 「♪ロマンティック浮かれモード」を歌いながらコブラツイスト]
[10.31等々力 ジャガー横田に米アタック]
「ハートが強い」というよりは「妙に度胸がある」「やたら環境に馴染む」のが
特徴のようで、試合でも技の種類はほぼないのですが、
環境や状況を利用した攻撃も見せているあたりに光るものを感じます。
また、先輩である里歩いわく「ゴツい」ため、
男子選手相手の試合で蹴られ、殴られてもなんとかなる丈夫さも魅力。
[10.23市ヶ谷 ハロウィンの仮装における圧倒的破壊力]
[12.30市ヶ谷 くいしんぼう仮面と組んでお菓子塗れでドヤ顔]
そんなわけで、よくわからない存在感を発揮し続けた新人・アーサ米夏を、
一位として推薦いたします。
二位は、年末の追い込みで大逆転というか、
熾烈なレースに一気に風穴を開けたのが、“猟奇的メタラー”黒音まほ。
8月のビアガーデンでデビューを飾った黒音まほは、
いきなり真っ黒なゴシック衣装&メタリックにチェーンを身に着け、
背には逆十字という戦慄のビジュアルで登場。
[12.19太子堂商店街 もはや路上に出るべきではない黒音まほ]
新人ながらナックルとヘッドバッド、チョークなどのラフ攻撃だけで
試合を見事に組み立てると、スインギングフェイスバスター(クロスローズと同型)で白星デビュー。
日に日に何故かゾンビ感が増していき、試合中に相手に喰いつくスタイルが定着しました。
強烈なキャラクターのわりに、当人は単独マイクは苦手で至ってシャイ。
が、キャラクターの看板は外さず、会場で子供を見かけると
「美味しそう~!」
[12.19太子堂商店街 対戦相手に食指を伸ばし、にこやかに歩み寄るまほ。怖い。]
ケイン・・・いや、クロクモ・クラッチ並の凶悪レスラー。
この娘は、アカチャンヲタベマス。
三位も東京女子プロレスから。
新人ながら現チャンピオン、デビューから無敗を続け、
おそらく今回のネットプロレス大賞でそこそこ上位に入ると思われる
“ドラマチックドリームファイター”優宇。
[9.22東京女子FACE 山下を破り無敗のままPOP王座戴冠を果たした優宇]
幼少期にみたららぽーとでのDDTビアガーデンプロレスで
プロレスに心奪われ、木村浩一郎(aka スーパー宇宙パワー)に
入門を志願したところ、「レスリングか柔道をやりなさい」と
すすめられ、千葉県代表としてインターハイ出場を果たした猛者。
その後、柔道やプロレスから距離を置いた時期もあったようですが、
DDTプロレス教室を経て、昨年の1.4東京女子プロレスでデビューを果たしました。
DDTへの憧れからプロレスに至った経緯があり、
亡きスーパー宇宙パワーから1字もらった優宇のキャッチフレーズは“ドラマチックドリームファイター”。
1.4後楽園ホールで、昨年の新人賞で一位票を投じた中島翔子を、
故・木村浩一郎のフィニッシャー・ラストライド(!)で沈めて
防衛を果たしたときに、すでに投票を終えていた私は後悔しました。
3位でゴメン、と。
[2017.1.4後楽園 故・木村浩一郎に捧げるラストライド]
昨年前半の印象は、“東京女子の中では、強い”でした。
ビアガーデンで中島、山下を破り、印象は“強い”に改まりました。
そして今年の1.4、いつの間にやら素晴らしい試合巧者となった中島翔子により、
目一杯を引き出され、“プロレス”に解き放たれた優宇は“怪物”でした。
見誤った私を許してほしい。
しかし、見誤らなかった人が必ず上位で投票していると思うので、
そこはまあランキングをみて判断したいところです。
次点 阿部史典(スポルティーバエンターテイメント)
次点 木村花
次点 才木玲佳
インディー大賞に投票したのは阿部史典。
“やりすぎくらいがちょうどいい”という魂を引き継ぐ
現役僧侶レスラーは、ひと目で心を鷲掴みにしました。
しかし、今年1年目のレスラーだけで誰を選べばいいか苦悩していたため、
2年目のレスラーまで票がまわせず…。
[12/9BASARAに参戦した阿部。本当に澤宗紀とグラップリングの練習をしてたりするらしい。]
でも、インディー大賞のニューカマー部門では、
嬉しいことに5位に入ってました。
この間全日本プロレスで見たときも
所属選手を喰ってしまうくらいの活躍ぶりだったので、
近い将来、もっとリングで見る機会が増えるでしょう。
木村花と才木玲佳は、デビュー戦を観に行って
“なんやこの新人…”
と、
新人らしからぬ身体スペック&気迫に、
実に圧倒されました。
[3.31プロレス総合学院 才木玲佳vs木村花。この日のベストバウト。]
その後木村花は次々とタイトルを獲得し、
新人としては異例の実績を重ねています。
一方の才木玲佳は、メディア出演やアイドル活動、
格闘技イベントなど他の仕事も多忙な中で、
東京女子プロレスにレギュラー参戦するなど
試合も精力的に行っています。
[12.10東京女子 才木玲佳。願わくばもう少し“底”の見える戦いを見たい。]
2人について、個人的には、
デビュー戦のインパクトが強かったのと、
おそらく他にも投票する人がいるだろう、ということで、
今回は票は回りきらず。
許して欲しい。
東スポ新人賞の橋本千紘には去年投票済みなので、
今年は個人的には票を回せず。
っていうか、
もう、部門が違う。
12月に福岡でデビューした、
アイドルグループLinQ所属の伊藤麻希は、
2016年中に試合を見ることはありませんでしたが、
2017年の新人賞候補今のところ筆頭。
[12.10 東京女子 デビュー戦の意気込みを語る伊藤麻希。]
【最優秀タッグ】
ここは例年どう投票するのか、なんとなくザックリ選んで後悔する感じです。
今回も直前になってザックリ選びすぎて、
今まさに後悔している。
1位 DAMNATION
2位 大家健、KAI
3位 ベストフレンズ
一位は多分順当と思しきDAMNATION。
おそらくロスインゴベルナブレス・デ・ハポンとの一騎討ちになると思われます。
順当なところに一位票とは何事かとお思いかもしれませんが、
佐々木大輔への票を回すとしたら、ここしかなかったのだ…
[1.31DDT エイドリアンと一緒に出てきたときは、完全におかしくなったと思った。]
[8.11 DDTビアガーデンで生まれた名言「蒸れない、媚びない、結婚しない」]
[8.28DDT両国 DDTのリングを完全に制圧したDAMNATION]
投票理由は、まとめのとおりですね。
二位票を投じたのは、大家健&KAIのバッコミズ。
自由軍にしようかと思いましたが、
実績的に微妙かと思ったため、
KO-Dタッグ王者組への投票となりました。
[5.29DDT ガンプロからさらに侵食した自由度。結果、これがKAIを自由にしたのでは...]
[8.28DDT両国リングに王者として立ったバッコミズ]
こちらも理由としては、KAIに回す票がここしかなかった、
というのが大きなところ。
後半は失速した感があったり、
本当に「自由(フリー)」になったりと
色々ありましたが、それでも瞬間最大風速は
かなりのものがありました。
理由はやはりまとめのとおりか。
三位のベストフレンズは、
「女子のベストユニットを選ぶとしたらこうなるだろう」
というあたりでの選択です。
あとは、5月の横浜文体での、さくら&奈七永戦が
あまりにも印象的だったため。
[5.4アイスリボン文体 ベルトの数が実力を物語るベストフレンズ]
多分この戦いはプロレスラーとしての実力、技量以上に、
プロレスラーとしての存在証明が問われたと思うのです。
でも、さくらえみ、高橋奈七永という強烈なタッグ相手に、
存在として引けを取らなかった。
そのことを思い出したがために、投じた1票です。
比較的順当な選び方をしてみました。
次点 婚勝軍(滝川あずさ&のの子)
投票直後まで何故忘れていたのか。
今年のプロレスユニットで、もしかしたら一番“世間に届いた”
可能性があるタッグチーム、婚勝軍。
[12.10東京女子 オフィシャルTシャツ&ハチマキまで販売されている婚勝軍。手にはもちろんゼクシィ。]
おそらくプロレス界隈ではめったに掲載されることのない、
あのニュース速報まとめサイト・ハム速に
取り上げられるなど、かなりバズったゼクシィ攻撃。
[11.12東京女子 真実の本、六法に続き、新たにプロレス界に加わった本系凶器「ゼクシィ」。
なんか私の呟きもまとめニュースサイトに載ってたりした。]
が、
プロレス的には全敗なため、多分投票段階で
ギリギリ思い出せなかったんだと思います。
負けてはいるものの、滝川あずさのプロレス技術、
そして婚勝軍としてのマイクパフォーマンスは
飛躍的に向上・・・というか、
ひとつの見せ場を作るようになっており、
結果には結びついていないものの一つの武器になってます。
例年ならば新人賞に票を回してもオカシクないのですが...
いや、すまない。
【最優秀試合】
2016年、ストレスを打ち消すように衝動的に、
寸暇を惜しんでプロレスを見に行く生活を送ったところ、
最終的に、多分150興行くらい観戦したようです。
土日の仕事が結構あるので主要な興行で見に行けなかったものもございました。
うち、1/4くらいが市ヶ谷での我闘雲舞(1興行3試合)だと思うので、
実際にみた試合数は600~700くらい。
テレビや動画やらで見た分を加えても1000前後で、
やたら観戦に行ったつもりでも、一人で観れる試合数には限界がある。
どう頑張ってみても、せいぜい業界全体の5%ぐらいのもんです。
そしてその5%は、業界的にはメインストリームでは無いかもしれません。
が、
それだけに、自分が観て、届けたいと思える試合には、
人とは異なる視点が多分に含まれるかも知れない。
そんなことを考え始めると、選ぶのが、全く容易ではなくなり、
観たからこそ、届けたいものは一体何なのか、と、
悩みに悩みに、悩みました。
ツイッターで“ベストバウト候補”を連投しまくりましたが、
選びに選びに選んだつもりでも、それでも30試合も候補に残ってしまう。
これらの試合は昨年までなら何かしらの形で投票のですが…
なまじ試合を見に行きすぎたせいで頭を悩ますことに。
結果、直感に極力従って捻り出した。
1位 中島翔子vs坂崎ユカ
(7.24 東京女子プロレス 横浜ラジアントホール)
2位 彰人vs宮本裕向
(8.3 酒場プロレス 新木場1stリング)
3位 石井慧介、入江茂弘、高尾蒼馬vs彰人、平田一喜、安部行洋
(5.21 春日部ふれあいキューブ)
昨年二位票を投じた組合せに、今年は一位票を投じます。
昨年は拙いながらもエモーショナル、という選び方でしたが、
今年は…なんなんだこの飛躍的成長ぶり。
中島はインサイドワークに抜群のセンスを見せ、
坂崎ユカはバランス感覚や跳躍力が抜群でした。
一年経ってそれぞれの武器がさらに磨かれた…どころか、
ともに1点集中攻撃に多彩なセンスを見せ、
なおかつスピーディーな展開を20分以上に渡って続ける。
驚きを以て、直後に“年間ベスト”という感想を得ました。
そんなわけで中島翔子vs坂崎ユカ、戦うコメディアンズによる
熱烈なシングルマッチに一位票を投じます。
二位は、ただただ試合内容の面白さ、素晴らしさ。
酒場プロレスで行われた“蛍光灯IPPONグランプリ”一回戦が
本当に素晴らしかった。
おそらく葛西純と戦った1.3後楽園の蛍光灯IPPONデスマッチは
サムライTVで放映になるかと思いますが、
見ていただければわかる通り、このルール、めちゃくちゃ面白い。
後楽園では観客と対戦相手の理解を深めるため、
わかりやすい展開、説明的な展開がありましたが、
新木場での宮本裕向戦は2試合目だったこと、
観客が酒飲みなこともあって、
はじめから説明不要の、業界でも有数のプロレス頭を有する二人による、
プロレス知能対決となりました。
雪崩式河津落としで両者身をよじって交わす場面と、
宮本裕向が蛍光灯にボディスラムされながら
ブリッジでムリヤリ堪える場面が最高。
三位票は、思い入れも相まって。
“俺達の若手通信”と題され、
セミ・ラストマッチとなったチームドリフに、
安部行洋が相対した6人タッグマッチに一票。
若手通信世代とは個人的には年齢がとても近いため
勝手にシンパシーを感じてます。
また、かつてDDTから発売されたDVDシリーズ「男色牧場Classic vol.1 安部ユキヒロの憂鬱」が、
あまりにもこの年代界隈の“世代感”を切り取ったドキュメンタリーになっていて、
元々応援していた安部行洋にドバドバ感情移入してしまったものです。
そして、その安部行洋が、ガンバレ☆プロレスを経て、
チームドリフ解散を前に、ついに、DDTプロレスのリングに戻ってきたという事実。
それだけでもう目が離せませんでした。
次点 アントーニオ本多vs菊タロー(8.9 DDTビアガーデン 新宿FACE)
とにかく、今年見たアントーニオ本多の試合は、
硬軟ともに素晴らしかった。
ベストバウト候補に無数に名前を挙げたのに、
票を回すことができなくて申し訳ない。
2016年のアントンは「ごんぎつね」を始めとした
“昨晩寝ずに考えた昔話(創作バレエ、歌 etc)”シリーズが猛威を奮い、
ほぼ毎試合この攻撃が挟まれていました。
この攻撃の内容がほぼ毎試合変わるという
アイデア豊富な一面にも驚かされるんですが、
アントーニオ本多の個人的一番の魅力は、
情熱の込められたナックルパート。
8.9ビアガーデンでの菊タローとの試合では、
序盤は最高に面白いプロレスラーである二人による
面白さ満開のプロレスとして行われましたが、
後半、菊タローがシャツを脱ぎ、
アントンがノーショルダーとなった段階から、
熱い熱い、逆水平とナックルパートの交錯でした。
菊タロー選手のアメリカ長期遠征が発表されたのは
この前後だったと思いますが、
いろんなところで接点がある二人による、
記念碑的な試合だったように思います。
番外編 “ブロークン”マット・ハーディー、“ブラザーニーロ”ジェフ・ハーディーvsアビス、クレイジー・スティーブ with ローズマリー
(Bound for Glory)
ご存じな方も多いと思いますが、
今、TNA...というか、ハーディー・ボーイズがとんでもないことになってます。
文字通り“ブロークン”な状態になってしまったマット・ハーディーと、
そんな兄の状態を見かねて争ったジェフ・ハーディー。
まずその二人の抗争劇からして、頭がおかしい。
結果、抗争を制したマットが弟を洗脳(?)し付き従え、
そこに相対するのが、こちらもどうしてこうなった、という感じの“ディケイ”。
いつの間にTNAにいたのかもはやさっぱりわからないクレイジー・スティーブと、
いつの間にやらTNA最古参となった、のにも関わらずなんかゾンビ化アビスに、
妙にハードバンプを取りまくるノックアウツのローズマリーを加えた、
意味不明ユニットとの抗争は、まず入場からしておかしい。
マット嫁(レビー・スカイ)のピアノ生演奏で
全くハーディーズらしからぬシットリとした入場の中、
ひたすらマットが“DELETE!DELETE!”と
やり続けるというカルト感満載具合。
試合展開に至ってはどう考えてもどっかで収録してきたと思しき
場面転換満載(最近のマットの試合は大体そんな感じ)で、
なんか唐突にウィロー(ジェフの化身)が出てきたり、
なんか唐突に野原に火が放たれたりと盛りだくたん。
そして、見ていて“何なんだこれは!”と理解の追いつかないうちに、
ハーディーズお得意のラダーを使った攻撃の数々で
テンション高く試合に終止符が打たれる…という。
あと、マット息子がびっくりするほど超かわいい。
もはや私の語彙力では説明をすることができないけれど、
今のTNAを説明してくれる人は日本にどれくらいいるのだろうか。
ああ、G+、今こそ、今こそTNAの中継をするべきなのに。
~(文字数の都合で)後半へ続く~
あー、
うー
どうも
カレーマンです。
“2016年上半期のプロレスを振り返る”シリーズの記事を
ペソペソと打ち続けていましたが、
その間にもひたすらプロレスを見続けた結果、
次第に上半期など遠に過ぎ去り、
次第に振り返りきれなくなり、
遂には年を越してしまいました。
もはや今更感が甚だしいかも知れませんが、
まあ、それはそれとして、プロレスを観るようになってから
習慣となっております、
ネットプロレス大賞2016への投票につきまして、
下記の通り実施させていただきます。
∞∞ネットプロレス大賞2016∞∞
東スポプロレス大賞、
週プロプロレスグランプリ、
日本インディー大賞とともに、
プロレスファンと一部プロレスラーに
認知されているネットプロレス大賞。
「プロレスをみて」「インターネットを通じて発信している」
全ての人…SNS全盛の現代では=ほぼ全てのプロレスファンを
対象び投票資格のある同賞は、
SNSでの呼びかけが主な告知方法であり、
項目数も多岐に渡るにも関わらず、
昨年は487票もの投票があったとのことです。
当ブログでは、主催のブラックアイ2BLOG様に
2010年マッスルハウス10の
感想を取り上げて頂いて以来、
毎年欠かさずに投票を行っております。
この投票の素晴らしいところは、
・一個人が一部門に複数投票できる
・投票に順位点という形で“強度”がつく
・少数票であっても一定ポイントを超過すればランキング掲載される
・記録がウェブに残り、毎年投票時にリマインドが可能
・ネット、不特定多数というバイアスの反面、
メジャー/マイナー(インディーではない)間の
多数決的なバイアスは少ない。
あと政治的バイアスも少ない。
という感じで、とにかく、
自分にとって素晴らしいものを語りたいという、
私にとってはまさにうってつけの投票様式でございます。
さてさて。
個人的な縛りとして、実際に試合や映像を観たものを優先しております。
が、
今年に関しては、例年に増してプロレスづいていたため、
ちょっと投票内容に偏りがあります。
まあそういったバイアスがかかるのは、
ファンによる投票形式の一つの宿命として、
軽く流していただければ幸いです。
【新人賞】
さて、新人賞については9月に振り返りでまとめてございます。
が、そこからさらに4ヶ月が経って、状況はさらに混迷を極めました。
今年は、プロレス記者の須山浩継さんが「女子プロレス新人の量、質ともに当たり年」と
週プロモバイルで記事にされていたとおり、
かなりの人数の“新人”要件に該当する女子プロレスラーが存在します。
また、インディー大賞ニューカマー賞を大差で受賞した
大日本プロレスの野村卓矢選手はじめ、男子レスラーもかなり有望と思われる
新人キャリアの選手たちが続々と頭角を現しています。
私も今年かなりのレスラーのデビュー戦を目撃しました。
が、
正直、デビュー戦だとどんなレスラーか、なんて、わからない。
どうしても時間の経過とともに個性が現れてくるものだと思います。
あとは、その個性がどういう形で滲んでくるか、見ている側に伝わるか。
そんなあたりを含めて、新人賞を選んで見ました。
1位 アーサ米夏(我闘雲舞)
2位 黒音まほ(東京女子プロレス)
3位 優宇(東京女子プロレス)
“新人の当たり年”だった2016年、
一位票にはアーサ米夏選手を推したいと思います。
身体能力や体格、技術やキャラクターの濃さなど、
プロレスラーに求められる資質は実に多岐に渡り、
それぞれでアーサ選手を上回る選手はいたし、今年は特に素晴らしい選手が多かった。
でも私は、プロレスは“感情のスポーツ”でもあると思っていて、
その意味の強さで一位に上げました。
[6.22後楽園 志田光を相手にデビューしたアーサ米夏]
アーサ選手は昨年2月に上京してそのまま市ヶ谷の住人(比喩ではない)となり、
選手やファンが「なんとなく3年くらいいる感出してる」というほど
妙に馴染むと、3月にはジャンケンで勝ち残って練習生なのにCDデビュー。
[3.19市ヶ谷 上京1ヶ月くらいでいきなり客前でプレゼンさせられるアーサ]
そして練習生なのにCD100枚を売ることを義務付けられ、
練習生なのにニコプロや地方ラジオに出演するなど、
謎の存在感を発揮し続けました。
6月の後楽園大会で正式にデビューを飾ってからも他団体での提供試合、
「おにぎりプロレス」という謎のアイドル活動に従事するなど、
本人が「むしろ経験しかしていない」というほどに経験値を積みまくり、
10.31のHEATUPとどろき大会ではジャガー横田に米アタックを決めて
会場を大いに沸かせていました。
[12.6 「♪ロマンティック浮かれモード」を歌いながらコブラツイスト]
[10.31等々力 ジャガー横田に米アタック]
「ハートが強い」というよりは「妙に度胸がある」「やたら環境に馴染む」のが
特徴のようで、試合でも技の種類はほぼないのですが、
環境や状況を利用した攻撃も見せているあたりに光るものを感じます。
また、先輩である里歩いわく「ゴツい」ため、
男子選手相手の試合で蹴られ、殴られてもなんとかなる丈夫さも魅力。
[10.23市ヶ谷 ハロウィンの仮装における圧倒的破壊力]
[12.30市ヶ谷 くいしんぼう仮面と組んでお菓子塗れでドヤ顔]
そんなわけで、よくわからない存在感を発揮し続けた新人・アーサ米夏を、
一位として推薦いたします。
二位は、年末の追い込みで大逆転というか、
熾烈なレースに一気に風穴を開けたのが、“猟奇的メタラー”黒音まほ。
8月のビアガーデンでデビューを飾った黒音まほは、
いきなり真っ黒なゴシック衣装&メタリックにチェーンを身に着け、
背には逆十字という戦慄のビジュアルで登場。
[12.19太子堂商店街 もはや路上に出るべきではない黒音まほ]
新人ながらナックルとヘッドバッド、チョークなどのラフ攻撃だけで
試合を見事に組み立てると、スインギングフェイスバスター(クロスローズと同型)で白星デビュー。
日に日に何故かゾンビ感が増していき、試合中に相手に喰いつくスタイルが定着しました。
強烈なキャラクターのわりに、当人は単独マイクは苦手で至ってシャイ。
が、キャラクターの看板は外さず、会場で子供を見かけると
「美味しそう~!」
[12.19太子堂商店街 対戦相手に食指を伸ばし、にこやかに歩み寄るまほ。怖い。]
ケイン・・・いや、クロクモ・クラッチ並の凶悪レスラー。
この娘は、アカチャンヲタベマス。
三位も東京女子プロレスから。
新人ながら現チャンピオン、デビューから無敗を続け、
おそらく今回のネットプロレス大賞でそこそこ上位に入ると思われる
“ドラマチックドリームファイター”優宇。
[9.22東京女子FACE 山下を破り無敗のままPOP王座戴冠を果たした優宇]
幼少期にみたららぽーとでのDDTビアガーデンプロレスで
プロレスに心奪われ、木村浩一郎(aka スーパー宇宙パワー)に
入門を志願したところ、「レスリングか柔道をやりなさい」と
すすめられ、千葉県代表としてインターハイ出場を果たした猛者。
その後、柔道やプロレスから距離を置いた時期もあったようですが、
DDTプロレス教室を経て、昨年の1.4東京女子プロレスでデビューを果たしました。
DDTへの憧れからプロレスに至った経緯があり、
亡きスーパー宇宙パワーから1字もらった優宇のキャッチフレーズは“ドラマチックドリームファイター”。
1.4後楽園ホールで、昨年の新人賞で一位票を投じた中島翔子を、
故・木村浩一郎のフィニッシャー・ラストライド(!)で沈めて
防衛を果たしたときに、すでに投票を終えていた私は後悔しました。
3位でゴメン、と。
[2017.1.4後楽園 故・木村浩一郎に捧げるラストライド]
昨年前半の印象は、“東京女子の中では、強い”でした。
ビアガーデンで中島、山下を破り、印象は“強い”に改まりました。
そして今年の1.4、いつの間にやら素晴らしい試合巧者となった中島翔子により、
目一杯を引き出され、“プロレス”に解き放たれた優宇は“怪物”でした。
見誤った私を許してほしい。
しかし、見誤らなかった人が必ず上位で投票していると思うので、
そこはまあランキングをみて判断したいところです。
次点 阿部史典(スポルティーバエンターテイメント)
次点 木村花
次点 才木玲佳
インディー大賞に投票したのは阿部史典。
“やりすぎくらいがちょうどいい”という魂を引き継ぐ
現役僧侶レスラーは、ひと目で心を鷲掴みにしました。
しかし、今年1年目のレスラーだけで誰を選べばいいか苦悩していたため、
2年目のレスラーまで票がまわせず…。
[12/9BASARAに参戦した阿部。本当に澤宗紀とグラップリングの練習をしてたりするらしい。]
でも、インディー大賞のニューカマー部門では、
嬉しいことに5位に入ってました。
この間全日本プロレスで見たときも
所属選手を喰ってしまうくらいの活躍ぶりだったので、
近い将来、もっとリングで見る機会が増えるでしょう。
木村花と才木玲佳は、デビュー戦を観に行って
“なんやこの新人…”
と、
新人らしからぬ身体スペック&気迫に、
実に圧倒されました。
[3.31プロレス総合学院 才木玲佳vs木村花。この日のベストバウト。]
その後木村花は次々とタイトルを獲得し、
新人としては異例の実績を重ねています。
一方の才木玲佳は、メディア出演やアイドル活動、
格闘技イベントなど他の仕事も多忙な中で、
東京女子プロレスにレギュラー参戦するなど
試合も精力的に行っています。
[12.10東京女子 才木玲佳。願わくばもう少し“底”の見える戦いを見たい。]
2人について、個人的には、
デビュー戦のインパクトが強かったのと、
おそらく他にも投票する人がいるだろう、ということで、
今回は票は回りきらず。
許して欲しい。
東スポ新人賞の橋本千紘には去年投票済みなので、
今年は個人的には票を回せず。
っていうか、
もう、部門が違う。
12月に福岡でデビューした、
アイドルグループLinQ所属の伊藤麻希は、
2016年中に試合を見ることはありませんでしたが、
2017年の新人賞候補今のところ筆頭。
[12.10 東京女子 デビュー戦の意気込みを語る伊藤麻希。]
【最優秀タッグ】
ここは例年どう投票するのか、なんとなくザックリ選んで後悔する感じです。
今回も直前になってザックリ選びすぎて、
今まさに後悔している。
1位 DAMNATION
2位 大家健、KAI
3位 ベストフレンズ
一位は多分順当と思しきDAMNATION。
おそらくロスインゴベルナブレス・デ・ハポンとの一騎討ちになると思われます。
順当なところに一位票とは何事かとお思いかもしれませんが、
佐々木大輔への票を回すとしたら、ここしかなかったのだ…
[1.31DDT エイドリアンと一緒に出てきたときは、完全におかしくなったと思った。]
[8.11 DDTビアガーデンで生まれた名言「蒸れない、媚びない、結婚しない」]
[8.28DDT両国 DDTのリングを完全に制圧したDAMNATION]
投票理由は、まとめのとおりですね。
二位票を投じたのは、大家健&KAIのバッコミズ。
自由軍にしようかと思いましたが、
実績的に微妙かと思ったため、
KO-Dタッグ王者組への投票となりました。
[5.29DDT ガンプロからさらに侵食した自由度。結果、これがKAIを自由にしたのでは...]
[8.28DDT両国リングに王者として立ったバッコミズ]
こちらも理由としては、KAIに回す票がここしかなかった、
というのが大きなところ。
後半は失速した感があったり、
本当に「自由(フリー)」になったりと
色々ありましたが、それでも瞬間最大風速は
かなりのものがありました。
理由はやはりまとめのとおりか。
三位のベストフレンズは、
「女子のベストユニットを選ぶとしたらこうなるだろう」
というあたりでの選択です。
あとは、5月の横浜文体での、さくら&奈七永戦が
あまりにも印象的だったため。
[5.4アイスリボン文体 ベルトの数が実力を物語るベストフレンズ]
多分この戦いはプロレスラーとしての実力、技量以上に、
プロレスラーとしての存在証明が問われたと思うのです。
でも、さくらえみ、高橋奈七永という強烈なタッグ相手に、
存在として引けを取らなかった。
そのことを思い出したがために、投じた1票です。
比較的順当な選び方をしてみました。
次点 婚勝軍(滝川あずさ&のの子)
投票直後まで何故忘れていたのか。
今年のプロレスユニットで、もしかしたら一番“世間に届いた”
可能性があるタッグチーム、婚勝軍。
[12.10東京女子 オフィシャルTシャツ&ハチマキまで販売されている婚勝軍。手にはもちろんゼクシィ。]
おそらくプロレス界隈ではめったに掲載されることのない、
あのニュース速報まとめサイト・ハム速に
取り上げられるなど、かなりバズったゼクシィ攻撃。
[11.12東京女子 真実の本、六法に続き、新たにプロレス界に加わった本系凶器「ゼクシィ」。
なんか私の呟きもまとめニュースサイトに載ってたりした。]
が、
プロレス的には全敗なため、多分投票段階で
ギリギリ思い出せなかったんだと思います。
負けてはいるものの、滝川あずさのプロレス技術、
そして婚勝軍としてのマイクパフォーマンスは
飛躍的に向上・・・というか、
ひとつの見せ場を作るようになっており、
結果には結びついていないものの一つの武器になってます。
例年ならば新人賞に票を回してもオカシクないのですが...
いや、すまない。
【最優秀試合】
2016年、ストレスを打ち消すように衝動的に、
寸暇を惜しんでプロレスを見に行く生活を送ったところ、
最終的に、多分150興行くらい観戦したようです。
土日の仕事が結構あるので主要な興行で見に行けなかったものもございました。
うち、1/4くらいが市ヶ谷での我闘雲舞(1興行3試合)だと思うので、
実際にみた試合数は600~700くらい。
テレビや動画やらで見た分を加えても1000前後で、
やたら観戦に行ったつもりでも、一人で観れる試合数には限界がある。
どう頑張ってみても、せいぜい業界全体の5%ぐらいのもんです。
そしてその5%は、業界的にはメインストリームでは無いかもしれません。
が、
それだけに、自分が観て、届けたいと思える試合には、
人とは異なる視点が多分に含まれるかも知れない。
そんなことを考え始めると、選ぶのが、全く容易ではなくなり、
観たからこそ、届けたいものは一体何なのか、と、
悩みに悩みに、悩みました。
ツイッターで“ベストバウト候補”を連投しまくりましたが、
選びに選びに選んだつもりでも、それでも30試合も候補に残ってしまう。
これらの試合は昨年までなら何かしらの形で投票のですが…
なまじ試合を見に行きすぎたせいで頭を悩ますことに。
結果、直感に極力従って捻り出した。
1位 中島翔子vs坂崎ユカ
(7.24 東京女子プロレス 横浜ラジアントホール)
2位 彰人vs宮本裕向
(8.3 酒場プロレス 新木場1stリング)
3位 石井慧介、入江茂弘、高尾蒼馬vs彰人、平田一喜、安部行洋
(5.21 春日部ふれあいキューブ)
昨年二位票を投じた組合せに、今年は一位票を投じます。
昨年は拙いながらもエモーショナル、という選び方でしたが、
今年は…なんなんだこの飛躍的成長ぶり。
中島はインサイドワークに抜群のセンスを見せ、
坂崎ユカはバランス感覚や跳躍力が抜群でした。
一年経ってそれぞれの武器がさらに磨かれた…どころか、
ともに1点集中攻撃に多彩なセンスを見せ、
なおかつスピーディーな展開を20分以上に渡って続ける。
驚きを以て、直後に“年間ベスト”という感想を得ました。
そんなわけで中島翔子vs坂崎ユカ、戦うコメディアンズによる
熱烈なシングルマッチに一位票を投じます。
二位は、ただただ試合内容の面白さ、素晴らしさ。
酒場プロレスで行われた“蛍光灯IPPONグランプリ”一回戦が
本当に素晴らしかった。
おそらく葛西純と戦った1.3後楽園の蛍光灯IPPONデスマッチは
サムライTVで放映になるかと思いますが、
見ていただければわかる通り、このルール、めちゃくちゃ面白い。
後楽園では観客と対戦相手の理解を深めるため、
わかりやすい展開、説明的な展開がありましたが、
新木場での宮本裕向戦は2試合目だったこと、
観客が酒飲みなこともあって、
はじめから説明不要の、業界でも有数のプロレス頭を有する二人による、
プロレス知能対決となりました。
雪崩式河津落としで両者身をよじって交わす場面と、
宮本裕向が蛍光灯にボディスラムされながら
ブリッジでムリヤリ堪える場面が最高。
三位票は、思い入れも相まって。
“俺達の若手通信”と題され、
セミ・ラストマッチとなったチームドリフに、
安部行洋が相対した6人タッグマッチに一票。
若手通信世代とは個人的には年齢がとても近いため
勝手にシンパシーを感じてます。
また、かつてDDTから発売されたDVDシリーズ「男色牧場Classic vol.1 安部ユキヒロの憂鬱」が、
あまりにもこの年代界隈の“世代感”を切り取ったドキュメンタリーになっていて、
元々応援していた安部行洋にドバドバ感情移入してしまったものです。
そして、その安部行洋が、ガンバレ☆プロレスを経て、
チームドリフ解散を前に、ついに、DDTプロレスのリングに戻ってきたという事実。
それだけでもう目が離せませんでした。
次点 アントーニオ本多vs菊タロー(8.9 DDTビアガーデン 新宿FACE)
とにかく、今年見たアントーニオ本多の試合は、
硬軟ともに素晴らしかった。
ベストバウト候補に無数に名前を挙げたのに、
票を回すことができなくて申し訳ない。
2016年のアントンは「ごんぎつね」を始めとした
“昨晩寝ずに考えた昔話(創作バレエ、歌 etc)”シリーズが猛威を奮い、
ほぼ毎試合この攻撃が挟まれていました。
この攻撃の内容がほぼ毎試合変わるという
アイデア豊富な一面にも驚かされるんですが、
アントーニオ本多の個人的一番の魅力は、
情熱の込められたナックルパート。
8.9ビアガーデンでの菊タローとの試合では、
序盤は最高に面白いプロレスラーである二人による
面白さ満開のプロレスとして行われましたが、
後半、菊タローがシャツを脱ぎ、
アントンがノーショルダーとなった段階から、
熱い熱い、逆水平とナックルパートの交錯でした。
菊タロー選手のアメリカ長期遠征が発表されたのは
この前後だったと思いますが、
いろんなところで接点がある二人による、
記念碑的な試合だったように思います。
番外編 “ブロークン”マット・ハーディー、“ブラザーニーロ”ジェフ・ハーディーvsアビス、クレイジー・スティーブ with ローズマリー
(Bound for Glory)
ご存じな方も多いと思いますが、
今、TNA...というか、ハーディー・ボーイズがとんでもないことになってます。
文字通り“ブロークン”な状態になってしまったマット・ハーディーと、
そんな兄の状態を見かねて争ったジェフ・ハーディー。
まずその二人の抗争劇からして、頭がおかしい。
結果、抗争を制したマットが弟を洗脳(?)し付き従え、
そこに相対するのが、こちらもどうしてこうなった、という感じの“ディケイ”。
いつの間にTNAにいたのかもはやさっぱりわからないクレイジー・スティーブと、
いつの間にやらTNA最古参となった、のにも関わらずなんかゾンビ化アビスに、
妙にハードバンプを取りまくるノックアウツのローズマリーを加えた、
意味不明ユニットとの抗争は、まず入場からしておかしい。
マット嫁(レビー・スカイ)のピアノ生演奏で
全くハーディーズらしからぬシットリとした入場の中、
ひたすらマットが“DELETE!DELETE!”と
やり続けるというカルト感満載具合。
試合展開に至ってはどう考えてもどっかで収録してきたと思しき
場面転換満載(最近のマットの試合は大体そんな感じ)で、
なんか唐突にウィロー(ジェフの化身)が出てきたり、
なんか唐突に野原に火が放たれたりと盛りだくたん。
そして、見ていて“何なんだこれは!”と理解の追いつかないうちに、
ハーディーズお得意のラダーを使った攻撃の数々で
テンション高く試合に終止符が打たれる…という。
あと、マット息子がびっくりするほど超かわいい。
もはや私の語彙力では説明をすることができないけれど、
今のTNAを説明してくれる人は日本にどれくらいいるのだろうか。
ああ、G+、今こそ、今こそTNAの中継をするべきなのに。
~(文字数の都合で)後半へ続く~
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