カレー屋(EXA)

エキプロ5で遊ぶブログでした。もはやその名残りはほぼない。

St. Anger

2020-05-19 20:00:00 | スポーツその他
カレーです。

子どもの頃からの憧れ…というかある種のコンプレックスと言えるかも知れませんが、
絵だったりモノだったり言葉だったり、あるいはプログラムだったり物語だったり、身体表現だったり。
“何かを作る人”への羨望があります。

しかしまあ自分でやるには不器用な私にはいずれもハードルが高く、
一方で何かやりたいという欲求は留まらないため、
結果、日々一番自分にとってアウトプットしやすい、
(プロレスの)感想文を生産してきました。

世界が“止まって”しまった今、
日々糧としてきたプロレスも止まってしまうかに思われ、
私自身、暇を大いに持て余す感じになるのかな…
と思いきや。

それでもなお、プロレスラー達は、
様々な形で“今”を築き、進め続けています。

そして今、プロレス界で一番“進む時間”の中にいる選手の一人に…

たぶん。
おそらく。

水森由菜選手になるような気がします。



この5月に入って綴っている“感想文”の続きになりますが、
5月5日の子どもの日、“GWのメインイベント”として行われた
ChocoProLIVE 藤田ミノルvs水森由菜のラスト・マン・スタンディングマッチ。

リアルタイムの視聴者を500人以上集め、
チャンネル登録者数を100名以上増やし、
藤田ミノルの口から放たれた「俺“達”の勝ちだ」という言葉が
何より象徴的だったこの試合を契機に、
もう一つ、
一気に顕となった、
プロレスラー3年目・水森由菜の苦悩。

この苦悩に半ば喚起されるかたちで、
感想文を2本記してきたところです。




さて。

一騎討ちを終え、

「自分は、殻を破れたのでしょうか!」

と投げかける水森由菜に、
“おしえがしら”藤田ミノルは

「そんなことは知らねええええ!」

と回答しました。

そこから、
二人が手を組み“ド腐れヤッホーズ”としての歩みが始まる訳ですが…
蓋を開ければ、怒涛の2連敗。

「普通」「ありきたり」「素晴らしい。けどそれだけ」という、
(さくらさんの)言葉の散弾を浴びせかけられ、
その苦悩の道をさらに深めてゆくこととなりました。



私的にはこの期間の水森さんについて
“いい感じにド腐れてる!いけいけ!”
という感じで、個人的な注目度はこの名古屋周りでの関心から引き続いて
ドンドン膨れ上がっているところです。



しかしまあ私個人の考えはさておきまして、
水森由菜選手自身はこの2連敗に伴う懊悩の根本原因について、
その悩みの表出を促し、“アイドル”たる自身の外殻
(悩める水森さんの言葉を借りれば「外ヅラ」)を引っ剥がした、
代表・さくらえみ選手に向けることとなりました。
…“怒り”という感情を伴って。

そしてついに“ド腐れヤッホーズ”としての試合もなく、
さらには自身が興行から外された5/17のChocoProLIVE 14の後、
“怒り”に形を変えた懊悩の感情は、ついに臨界点を迎えることとなりました。



…中々の衝撃映像。

その日のうちに行われたChocoProLIVE14のWatching Party…
試合の映像を見ながら、チョコプロのコアメンバーである
さくらえみ、バリヤン・アッキ、駿河メイの3選手が
オーディオコメンタリーを務める配信…
において、
トロピカル☆ちゃんねる aka 水森由菜選手が怒涛のコメント攻勢を仕掛けます。







“おい、日本語読めねえのか!”
“さくら、シングルだよ!”

と、怒りに任せてコメントに乗せて感情をぶち撒ける水森由菜選手の…
その激情のしかし、何故か大きなとばっちりを受けることになったのが…
バリヤン・アッキ。

トロピカル☆ちゃんねるから送られ続ける怒涛の感情の渦を
“こわいこわい”などと言いつつ飄々と受取拒否したさくらえみ選手は、
この敵意(の一部)を“アッキに向けられたものだ”と曲解。
さらに、以前行われたバリヤン・アッキvs水森由菜の一戦を
“凄い良い試合で、次やるときはメインで組みたいって思ってた”
と付け加える(試合は本当にいい試合だった)と、
さくらvs水森由菜の要求やまぬトロピカル☆ちゃんねるの怒号をすり抜け、
バリヤン・アッキvs水森由菜の一戦を、
5/22に行われるChocoProLIVE15のメインイベントに据えるのでした。

もちろん、怒りの止まぬトロピカル☆ちゃんねるaka水森由菜は
“は?”
“さくら逃げるな!”
“やだ!”
とアッキとの試合を頑なに拒否。

…が、しかし。

ここには、プロレスラー・バリヤン・アッキが大事にするものが、
導火線として潜んでいるのでした。

漢字は読めないけれどひらがなカタカナは読め、
日本語表現も堪能なバリヤン・アッキですが、
さくらさんからの曲解解説を受けたあとのトロピカル☆ちゃんねるの
怒涛のコメントラッシュ群に対して…
この感情は、自身に向けられたものだと(おそらく)勘違いしたバリヤン・アッキは、
いつもの楽しそうなものから、とても真剣な様子に表情を変えていきます。
アッキは、水森由菜にこう言い放ちます。

「ゆなもん、私に勝ったこと、ある?」

激情が生んだ、もう一つの感情。
バリヤン・アッキの感情の導火線に火がついた瞬間。

さくらさんもやりすぎたと思ったのか、
後ろで困っていた駿河メイとともに
バリヤン・アッキの誤解を解こうとしますが、
それでもアッキには、譲れない一線がありました。

「“試合もしたくない”と言われるのが、一番許せない」

もちろんアッキにも、水森由菜が悩んでいることや、
怒っていることはわかっていることでしょう。

それでも、相手を選ぼうとし、
あまつさえ自身との対戦を拒否されたことは、
プロレスラー・バリヤン・アッキの大事としているものを、
結果的に大きく傷つけることとなりました。

このあと、バリヤン・アッキは落ち着きを取り戻し、平静な様子を見せました。

それでも次の一戦は、陽気で落ち着きとユーモアを兼ね備える知的な“空飛ぶインド人”が、
勘違いから生まれたものとはいえ、
おそらくこれまでで一番の感情(おそらくは激情)を以てして臨む試合となるでしょう。

そして、肝心の水森由菜選手の怒りは当然収まるわけもなく。
バリヤン・アッキをバリヤン・アッキとしてではなく、
“さくらえみの手先”として排除しにかかっています。

感情に任せて戦いに臨むという姿勢が、
果たして水森さんの臨む正解への近道であるかどうかはわかりません。

しかし少なくとも、これまでにここまでの怒りの感情を携えて、
お互いにリング(マット)に上がることもなかったでしょうから、
二人の戦いはこれまでとはまた違った意味を(結果的に)帯びることになる…
の、だろうと想像します。

進む時の中にいる、と冒頭示しましたが、
個人的にはここでは、なんといいますか…
“経験の更新”というか、“物語の進行”というか、
なんとなく、そんなイメージで言葉を選びました。

ここまでの感情をぶつけること、
なんなら、ぶつけ合うこと、
ここまでの感情をそも、表にさらけ出すこと、
当たり散らすこと、その当たり散らされた感情を受け取ること、
それをプロレスのリングの上で、ぶち撒けること。

もちろん、これまでも行われてきたかも知れません。
でもたぶん、なんというか、これまでやってきたこととは違う段階に、
水森由菜もバリヤン・アッキも立っているような気がします。



特になんの確証もなくフワッとしたことを書き綴っていますが、
個人的にもうひとつ、フワッとしたことを書き足しておきたいところで。

…水森由菜の溢れ出したこの感情の正体は、いったいなんなんだろう?

ということ。

もちろん、それまでの懊悩の過程が語ってこられて、
その“モヤモヤ”のアウトプットを“怒り”に変換しているのだということは見て取れます。

が。

その矛先にいるのは、一体誰なのでしょうか。
その怒りを向ける相手は、本当にさくらさんなのでしょうか。
そもその感情は、本当に“怒り”なのでしょうか。

この辺の(個人的見解としては)いい感じに“ド腐れ”た、
毒々しくもある感情の塊をどのように昇華していくのか、
あるいはこじらせていくのか。

進む時間の中で、新しい世界を新しい感情とともに迎える水森由菜選手から、
今、まさに、目が離せません。








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