時々眺める富士山

母は見違えるほど力強くなっている

面会に行ったとき、母はいつものようにベッドで寝ていたが、仰向けではなく、少し横を向いていた。寝返りができるようになったからだ。

声をかけると、目を開けてこちらを見た。
これまでのような薄目ではなく、はっきり目を開いている。

「Iさんが来た」といった。
それから「あんまり気を使わなくてもいい」といった。

起き上がるか聞くと、後でいいとのこと。
ご飯は食べられた?と聞くと「ん」と肯定した。

昨日眼鏡がほしいといっていたので、持ってきたよというと、メガネはいい、という。
それでも、持ってきたので手渡すと、寝ながら右手で取って、メガネをかけようとするが、メガネのさおで左目をつつきそうな手つきだ。左耳も感覚がマヒしているのだろうか、メガネの竿が耳の上になっているのに、気づかないようだ。寝たままメガネをかけて横を見ていたが、メガネを壊しそうで危ない感じだ。「やはりメガネは予想」というと、「そうだね」とメガネをするのをあきらめた。

午後2時半からリハビリをするというので見学させてもらった。

リハビリの順番を待つ間、母は私の娘が元気にしているか尋ねた。
暑いから大変だろうけど、どうしている?と。

4色ある小型のプラスチックコーンを移動させたり、積み重ねたり、積み重ねてあるのを外したりする訓練。右手では何とかできるが、左手では、根気が続かない。しかし、長足の進歩だとリハビリ担当者から聞かされた。

続いて、指導員の先生が、母の左手を動かして、例えばじゃんけんのチョキの形にしたときに、それと同じ形に右手をする訓練。母はできなかった。一方、先生が作る手の形を真似することはできた。左手がどのようになっているかの感覚が失われているのだろう。

ご飯はおいしかったですか?との問いかけに、おいしいと答えていた。

それから、両手を挙げる訓練は、なんとうまくこなしていた。
仰向けに寝て、足を片方ずつ上げる訓練では、右足は自分の力で上がるが、左足は、少し持ち上げてもらうと上がる状態だった。

平行棒を握って、車いすから立ち上がる訓練も行ったが、これは先生が補助しても、左手の力が不足していて、立ち上がるまでには至らなかった。

それでも、今日の動きは、これまでとは見違えるほどの回復ぶりだと担当者から伝えられた。

それから担当者が変わって、両手の動作の訓練を行った。
手で顔を触ること。
両手で手を洗うこと。
櫛を使って髪の毛を梳かすことなど。

やはり、左手は思うように動かない。
泡4石鹸をつけてもらい手を洗う訓練をしたが、左手があまり動かないため、右手の甲を洗うことはできなかった。
また、髪を梳かすのは、右手だけで、左側頭の髪も梳かしていた。

いっぺんにやるとつかれるので、ここでリハビリは終了した。

リハビリ室からの帰りがけに「いくらでも努力しますよ。あんたの親だもん」と言った。

病室に戻ると、兄が来ていたので、帰ることにした。
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