時々眺める富士山

夫のことを気にしていた

今日の到着時も、ホールで車いすに座って行っていたリハビリが終了するところだった。
諸国漫遊を見ていた。
ページをめくる際、左手が邪魔をしてめくりにくいときもあった。

春と夏の花で有名な観光地を紹介している。
桜の花の写真を指して、「何の花?」と聞くと、
「桜だろ」と答えた。

そうだね。桜だね。家にも桜があったね。
と話すと、わからないような表情となった。

今日の食事は、お茶を自分から飲んだが、それ以外は最初から食べようとしなかった。
ただ、スプーンに掬って口まで持っていくと、よく食べ、完食した。

食事が始まって、しばらくしたとき、
「お父さんはどこに行っちゃったの?」
と聞かれた。
3年前に死んだことを説明した。
はっきり理解したかどうかはわからなかったが、
その後、気分が沈んだ表情になったことはわかった。

ただ、その後も食事を口元に持っていくと、よく食べた。

その後、介護の方が、宝塚式の挨拶をしたら、すごく喜んだということが話題となっていた。

どこまで理解したのかわからないが、夫が死んだことを知って、ショックがあったのだろうか?
午後のリハビリ時は、押し黙ってしまい、口をきかなかった。
机の上のティッシュの箱から、ティッシュペーパーを次々に引き出して、散らかす行動にでた。やめさせて、箱を遠くに置くと、ティッシュの箱を指さす。親切にも、状態のよい患者さんが箱を手元に移動させた。すると、また、紙を出してしまう。

介護の方が、この紙で何をするの?と尋ねたが、押し黙っていた。

その後も口を聞くことはなかった。
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