2021/11月の英国でのCOP26の共同声明内容が"非効率な石炭火力発電や化石燃料への補助金の「段階的廃止(phase out)」という表現が「段階的縮小(phase down)」"へ中国・インドの異議により変更された。
結局このことは、「これまで先進国は大規模に地球を汚染し、二酸化炭素を放出してきたではないか?今から遅れて来た国々に環境汚染防止、二酸化炭素削減を一方的に押し付けるのはおかしい。少なくともこれまで先進国が行った環境汚染や二酸化炭素放出と同等のことを遅れて来た国々が行うことを禁止するのは偽善だ。」という遅れて来た国々の感覚を説得するロジックがないことによる。
日本を含む先進国がこれまで行ってきた奴隷貿易・奴隷制度・人種差別・植民地支配を含む害悪と先進国の行ってきた環境汚染・二酸化炭素放出はセットになっている。つまり、先に文明を享受した国々の傲慢なのだ。これら害悪への具体的謝罪・補償なしにいくら環境保全を訴えても虚しいばかりである。
欧州の環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏による環境保全の訴えも、若い人間としての環境への危機感は理解できるが、彼女も少なくとも欧米文化に属する人間としてこの遅れて来た国々の人々の被害感覚への配慮がない限り単なる”過激な環境活動”であるようにしか見えない。
環境汚染・二酸化炭素放出削減枠組みは先進国による植民地支配等のこれまでの害悪とセットになっていることを先進国がまず認めてその上でCOPXX等を運営することが必要と思われるが、そのようなことは起こることはまずないであろう。結局、環境汚染・地球温暖化は抜き差しならなくなるまで止まることは無いのだろう。