このブログの隠れメインテーマは「サウス・アメリカン・ジャズ」。でも、この言葉を目にしたときにどんな音楽がイメージされるでしょうか。
「サウス・アメリカン・ジャズ」は文字通り、南米大陸で生まれたジャズ。リズムにも曲想にも南米大陸で演奏されている様々なスタイルの音楽の要素が色濃く反映されています。そして、使われる楽器はギター系を中心とした様々な弦楽器が中心となっていて、広義の「ラテン・ジャズ」で用いられるような打楽器の活躍の場はむしろ少ない。踊りがあれば当然のことながら歌もあります。さらに、音楽の担い手は、南米大陸の出身者だけでなく、北米から欧州大陸、さらには日本へと地球規模の拡がりを見せています。
あえてカテゴライズするならば、世界中に散らばる南米音楽に魅せられたジャズミュージシャン達が「ジャズ」という音楽の「世界共通語」を用いて本場の音楽家達と交流を深めているのが「サウス・アメリカン・ジャズ」の世界。「ラテン・ジャズ」の一部ではあるとしても明確に定義することは難しいジャズですが、音楽としての魅力はアメリカ本国や欧州大陸のジャズにもけして劣ってはいないと思います。
そんな「サウス・アメリカン・ジャズ」の面白さを何とか伝えることが出来ればとずっと考えていました。それは、今は閉じている拙HPの『ワールド・ジャズ・ギャラリー』で志したことでもあります。
一方で、「サウス・アメリカン・ジャズ」はけして多くを知られているとは言いがたい南米大陸の音楽の魅力を世界に向けて発信することができる音楽とも言えます。この音楽をいわば「キーワード」にして南米音楽の魅力の一端を紹介していくことできればと思っています。
ここで登場するミュージシャン達は、殆ど日本では知られていない人たちばかりになってしまうのはやむを得ないでしょう。しかし、現在はインターネットを通じて世界各地で演奏されている音楽を映像付きで楽しむことができます。
筆者とて多くを知るわけではありませんが、少しでも多くの人に「南米大陸で生まれたスウィングの新しいかたち」、そして南米音楽自体の魅力、さらには北中米を経て欧州大陸へと拡がりを見せるラテン系音楽の魅力そのものにも触れる機会を提供できればと思っています。