「熱闘」のあとでひといき

「闘い」に明け暮れているような毎日ですが、面白いスポーツや楽しい音楽の話題でひといき入れてみませんか?

オールスター戦の感想/内容は散々だったが...

2013-07-10 00:43:51 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


選手達にとっては、夏合宿を前にした束の間のオフなのにやる意味があるのかと思っていた。そもそも「オールスター」って何だ?とかとか。それに、予想通りとは言えこの酷暑。梅雨が早く明けてしまったのが誤算だったのか。

実際にゲームが始まってみると、帝京主体で固めた対抗戦選抜にいいようにやられて9トライの0-55まで行ってしまった。リーグ戦Gはディフェンスの破綻が痛い、というかそもそもの弱点が露わとなってしまった感じ。総体的に高いし、捕まえても差し込まれてどんどんゲインされる。攻めても肝心なところでミスが出てスタンドからは湯気のように「あ~あ」が吹き出していた。

とまあラグビーの試合としては散々な内容だったのだが、正直言うと「とっても楽しかった!」というのが一番の印象になる。たまにはこんなラグビーがあってもいいのかなと思ったくらい。やっぱり勝負(とは到底言えなかったが)はやってみないと分からない。

◆アメフト型の選手起用にも一理あり

とにかく選手達は暑さとも戦わなければならなかった。そんなこともあってか、リーグ戦チームはこまめに選手を入れ替えて試合を進めていった。普段の試合ではあり得ないし、もし許されたとしてもラグビーの内容そのものを変えてしまうことになる。

しかし、こういったコンバインド型のチームの場合はこの方式もありかなと思った。そもそもが、普段一緒にプレーしていない選手達が集うわけだから、プレーでは想定外の対応が求められることが多くなる。逆に言うと、選手の状況判断を鍛えるにはプラスになる面がある。また、選ばれてここに来た選手達だから、そういったことに楽しさを見いだすこともできるはずだ。

いったんはピッチから離れても、いずれまた戻るということなら集中も切れないし、外から自分たちのチームを観て対策を考えることもできる。いい選手が揃う分だけ戦術面でもいいトレーニングになるのではないだろうか。対抗戦チームが楽勝ムードになってしまったこともあるが、終盤はチームがいい方向に収斂していったように感じた。ちょっと贔屓目かもしれないが。

◆一気に若返った観客席

キックオフには間に合わず、バックスタンド側から競技場に入ったのだが、メインをたくさんの観客が埋めていてびっくりした。しかもみんな若い。すぐに選手を派遣している各チームが動員をかけた成果だと分かるものの、ラグビー場に来たとは思えないような錯覚にとらわれた。

言い換えれば、こと大学ラグビーに関しては、いかに観客の年齢層が高くなっているかを証明していることにもなる。ラグビーが一番必要としていることは、若い観客の獲得だと思った。その方が絶体に盛り上がる。秋のシーズンになると、ラグビー選手達はそれぞれのチームの試合で週末はラグビー観戦ができないことも若返りが叶わない原因だが、どうやって若いファン層を増やしていくかに知恵を絞るべきだろうと思った。



◆応援ならリーグ戦チームの勝ち?

0-55になっても悲惨な感じにならなかったのは、スタンドからの応援が途切れることがなかったことが大きかったように思う。すぐ前には中央大の部員達が居たのだが、チームメイトの山北がナイスタックルを決めたときに盛り上がったのは当然として、ライバルチームの選手達にも声援を贈っていたことが心地よかった。とくに人気があったのはPR1の選手、すなわち大東大の高橋主将だった。最初、選手達からしきりに「隊長」「隊長」という声が飛んで、いったい誰なんだろう?と思ったがほどなくして、それは高橋のことだと分かった。

その「隊長」もけして茶化した感じではなく、尊敬の意味も込められていたように感じられた。その高橋がリーグ戦Gの最初のトライを挙げたときに観客席が大いに盛り上がったことは言うまでもない。この応援のお陰で、リーグ戦グループがひとつになったことを感じることができた。お互いに切磋琢磨しながらも、協調して仲良く強くなっていけばいいのだから、この雰囲気を忘れないでシーズンインして欲しいと思った。

◆山梨学院の選手達も来ていた

この日は、春季大会に参加したチーム以外の選手達も観戦していたようだ。中でも目立ったのは、大挙してやって来ていた山梨学院の選手達。昨シーズン、あと一歩のところで1部復帰を逃し、春季大会のCグループにも届かなかったチーム。1部復帰に向けて、モチベーションを高める意図から観戦することになったのかも知れない。

逆にここに居るべきチームの不在が気になった。それは山梨学院と同じく、1部復帰を目指す関東学院。本来なら、ここで1部リーグの選手達のプレーをしっかり見て、チーム一丸となり、決意を新たに練習に臨むということがあってもいいのではないかと思う。頑張れと声援を贈る他校のファンだっているはずだ。スタンドでリーグ戦Gのチーム関係者がまとまりを見せていたからこそ、ひとつのチームがその輪から離れていきつつあるような気がしてならない。取り越し苦労かも知れないが。
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春シーズンの雑感/「普段着の戦い」から見えたもの(その2)

2013-07-07 06:56:01 | 関東大学ラグビー・リーグ戦
関東大学ラグビーのリーグ戦グループ永久サポートを心に誓っている私。密かに恐れていることは、対抗戦Gとリーグ戦Gの統合だ。リーグ戦Gは1リーグが8チームの構成だからこそ、何とか全チームをフォロー出来ている。実力も(上下の力の差は明確でも)絶望的な格差があるわけではない。だから、対戦カードのすべてに対して個別にテーマを持って観戦に行くことが出来る。でも、もし「統合」が実現して優勝を10チーム以上で争うということになってしまったら、全チームをバランスよく観ることはまず不可能。それにこれまでサポートしてきたチームから何チームかは視界からは消えて行くことになるだろう。

そういった意味でも、春季大会の設立には敏感にならざるを得なかった。昨シーズンは上位グループの戦いで「格差」をいやと言うほど見せつけられ、そして、今シーズンはジュニア選手権を意識したかのようなシステムの変更。さらに、トップレベルの場合は、Aチームは何とか戦えても、Bチーム以下には歴然とした力の差があることがはっきりしてしまった。ここで、ほぼ関東の大学トップチームの力関係は明確になってきたから、次に来るものは「統合」(=リーグの編成見直し)の二文字となる。誰かがそんなシナリオを書いているのでは、と邪推してしまうのだ。

しかし、総論(大学生の実力アップ)賛成でも、各論に入ったらおそらく反対意見が続出することになるだろう。ここ数年は帝京、筑波の台頭でとみに顕在化してきた対抗戦Gのいびつな試合日程(とその決まり方)ひとつ見ても、今後も「統合」の話しは燻っては消える状況が続くのではないだろうか。また、現状にいろいろな問題があるにしても、「統合」で大学生の実力が上がるわけでもないと思う。問題点はもっと根本的なところにあるはずだ。春シーズンでの交流試合のような機会を増やして、できるだけ多くのチームが切磋琢磨しながら強くなっていくのが健全な姿のように思う。有力選手が埋もれることなく、トップレベルの試合に出場できる機会は多い方がいいはずだから。

ついつい話題が逸れてしまった。関東リーグ戦Gの各校について、今季の私的見所を2回に分けて書く。

◆東海大学 ~FWを中心とした大幅なモデルチェンジも優勝候補の筆頭~

リーグ戦、YCAC、東日本大学のセブンズ大会をまず見て、春季大会は拓大戦のみの1試合を観戦。強力かつ大型だったFWの卒業によるメンバー変更は不安要素ではあるものの、BKにはリーグ戦G屈指のトライゲッター達が揃っている。今年も強力なチームを作り上げることは間違いないだろう。しかし、どんな形で?というのが私的着目点だった。

だが、シーズン当初に行われたセブンズ大会では別の問題が浮上してしまい、「大丈夫だろうか?」と思わせたのだった。優勝が狙える陣容で臨んでも色んな要素が絡み合って結果を出せない難しさがあるのがセブンズ。でも、それ以前の問題として、チームとしての精神的な脆さが気になった。その辺りはついては個別の大会での感想で書いたので繰り返さないが、「何故こうなる?」の連続だったことは間違いない。15人制でも同じ状況になるのなら不味いなぁと思っていた。

しかし、拓大戦を観て、そんな懸念は払拭された。チームコンセプトが例年と比べても明確となったことで、ここ数年でも最高にまとまりがいいチームになりそうな期待感を抱かせたのだ。ここに小原、石井、近藤らが加わったら(得点力は倍以上に上がるはず)というような基本的な骨格ができていると感じた。ラインの幅も幾分か狭めて、速く正確にボールを動かそうとする意図が見えた。FWにしても、去年より小さくなった分、自分達で行きすぎずにBKにいいボールを供給するといった形で、「塊」となって精力的に動き続けるといったような意識で統一が図られているようにも見える。

そうなってくると、実力を盤石のものとし、かつ日本一にチャレンジする上でのポイントはHB団、強いて言えばゲームリーダーを誰にするかになる。東海大の積年の課題であり続けているとも言える部分。SHは新人の湯本が期待できそうだし、上級生だって黙ってはいないだろう。だから、「最適配置」に悩むような状況のCTBとバックスリーを擁する中、彼らを自在にコントロール出来るような司令塔が居ないと宝の持ち腐れになってしまう。もちろん、どんどんBKに展開して大外勝負の意思統一でいいのだが、攻撃の起点の部分をパスマシーンに終わらせてしまったら、終盤から年末(年始)にかけての熾烈な戦いを勝ち抜くことは難しくなる。今季は大東大のパワーアップなど序盤から戦いがヒートアップしそうな状況にあって、まずは、FWとBKの繋ぎの部分をどのようにビルドアップしていくかに注目したい。

◆流通経済大学 ~楽しみなメンバーが揃った反面、不安要素も~

1年で奪い返された覇権奪還、そして積年の目標となってしまった大学選手権ベスト4以上を目指す流経大は、FWが再構築ながらも楽しみなメンバーが揃った。帝京戦を見た限り、戦力ダウンはなさそうだ。HO植村、LOフシマロヒ、No.8高森に加え、FLに強力な新人が加わった。セブンズでも既に頭角を現していたジョージ・リサレは間違いなく対戦する各チームの脅威となるだろう。高さはさほどないものの、強さと速さは現時点でもリーグ戦G随一のFLではないかと思う。高森も元気いっぱいで今年も流経はFW3列でどんどんボールを前に運べるメンバーが揃った。

個性的なメンバーが揃ったBKはさらに楽しみと言える。WTBリリダムとおそらくFBに入ると見られる合谷が自在に走り回るような展開になったら、対戦チームは手が付けられなくなる。問題はリリダムを最初から出すか、それとも後半のインパクトプレーヤーとしてキープしておくかだが、キックオフやカウンターアタックでも高さで勝負できる選手を最初からベンチに置くのはもったいないような気もする。また、矢次や合谷など複数ポジションをこなせる選手を揃えているとはいっても、出るメンバーによりゲームプランを自在に変えられるほどのチームとしての器用さはまだないはず。東海と同じく、流経大も試合内容はゲームリーダー次第という部分がある。

と書いてきたように、とても楽しみなメンバーが揃った反面、うまくまとまるかという不安も抱えているのが今期の流経大と言えそう。もちろん、これは完敗した緒戦の帝京戦しか見ていない上での感想だから割り引かなければならない。序盤戦は、留学生の起用方法も含め、ゲームコンセプトをどんな形で固めてくるのかをじっくり見てみたい。

◆拓殖大学 ~いち早く固定されたメンバーを武器にトップ2へ果敢にチャレンジ!

リーグ戦の他のチームに比べても選手層が薄く、少数精鋭での戦いが強いられる拓大。昨シーズンは逆にそういった危機感をバネにほぼ完全に固定したメンバーで最後まで戦い抜き、3位にまで浮上することが出来た。私的予想でもダントツの入替戦候補だったことを思うと、試合を重ねるごとに成長していった拓大は昨シーズンのベストチームというほかない。今年は、2強にチャレンジして優勝戦線に食い込んで欲しいしその可能性も十分にある。主将を務めるFWのウヴェと実質的なゲームリーダーでもあるSOステイリンの2枚看板が揃うラストシーズンとなる今年はとくにチャンスと言える。

しかしながら、強力な新人獲得の面で苦戦を強いられている状況は今年も変わらないようだ。レギュラーに完全定着したPR具は早くもスクラムやボールキープで威力を発揮している状況だが、WTB山谷の成長が著しいとは言え、BKに強力な突破役とフィニッシャーが居ない状況は去年と同じ。法政や大東と言ったライバル校が強力なメンバーを新たに加えて上位進出を窺うなかで、序盤から苦しい戦いを強いられることになりそうだ。

ただ、拓大の強みは上でも書いたようなメンバー固定度の圧倒的な高さ。チームの骨格がしっかり出来ているだけに、あとはアタックのバリエーション(選手間のコミュニケーション能力)に磨きをかけ、チャンスで確実に得点出来るチーム作りを目指すだけだ。東海大戦でも、BK展開の局面では、ここまで殆ど見せなかった内側へのアングルチェンジを試みるなど新たなステージに踏み出したことが見て取れた。だが、拓大は(2枚看板が揃ったラストシーズンになるという意味で)チャンスではあるものの拙速は禁物。昨シーズンも、我慢に我慢を重ねてようやく目標とするBK展開勝負ができるチームへと辿り着くことができた。

目標を高く持つことはもちろん大切だが、現時点でやれることを確実にこなしていくことが重要だと思う。結果は自ずとついてくることは、昨シーズンの闘いぶりで証明されている。ファンの期待とは裏腹に拓大にとっては我慢(苦難)のシーズンになることも予想されるが、ここをしっかり乗り越えて欲しい。

◆法政大学 ~覇権奪還に向けて体制は整いつつあるが、期待の裏には不安材料も~

何とか迷走状態にピリオドを打ってもらいたい(そして優勝戦線に復帰して欲しい)と願う法政ファンにとって、谷崎新体制への期待はとても大きいはず。もちろん、それは「熱闘」のライターとて同じで、リーグ戦Gで間違いなく魅力No.1だったBK展開志向のランニングラグビー復活を祈るばかりだ。

その谷崎新体制に対してまず期待したことは、どんな形(メンバー構成)でチーム再生に取りかかるかと言うこと。少なくとも、過去2シーズンにチームがピッチ上で示したパフォーマンスを見たら、誰を中心に据えてチーム構築を図るべきかが自明の利となっているような気がする。実質的なゲームリーダーとしてピッチ内(おそらく外も)でチームをまとめることに尽力していた猪村は最高レベルの人材のはず。まず、チームにコアとなるものをひとつ作ることが必要のように思われたのだ。

しかしながら、谷崎新体制のファーストチョイスは加藤だった。彼の真の力を知った上での選択だとは思うし、(ラスト)チャンスを与えたという見方もできそう。しかし、春シーズンとは言え、重要な課題に対するテストをするような段階ではないし、せっかくの選手起用もチームの求心力を高めていく上ではプラスになっていないような気がする。早稲田戦での加藤は積極的に仕掛けるなど、才能の片鱗は見せてくれた。しかしながら、動きにキレは感じさせても他の選手達とのコミュニケーションが不足していることを感じさせるような場面が少なからずあったように思う。

繰り返しになるが、チーム再建の第一歩は誰を中心に据えるかだが、残された時間は少ない。今年も黄金ルーキーを含めて多くの逸材がチームに加わり、過去3シーズンの「実績組」もうかうかしていられない(他校にはうらやましい)状況が生まれている。もちろん現有勢力の能力の高さは折り紙付きだ。とくに、FWは東海や流経の強力FWを相手にしても十分にパワーとスピードで勝負できる陣容だと思う。BKもタックルを含めて個々のプレーを見たらメンバー構成次第ではリーグ戦トップレベルのラインができあがる。ただ、低迷期の負の遺産というべきか、組織面は未整備という印象も強く、アタック、ディフェンスともフェイズを重ねると綻びがみえてしまうことが課題。早稲田戦でも、相手の状態もあったが個々の頑張りが接戦に持ち込めた要因だったようにみえた。

どうしても、ファンの期待は法政の宿命として「結果を出してくれること」になってしまうし、それは突貫工事でも可能だと思う。ただ、今年よりもむしろ大変になりそうなのは(負の遺産がまだまだ残る)来年以降の戦いになるはず。他のチームでも「新体制」が苦労を強いられるのは、言い訳が通用しにくくなる2年目以降だ。将来を見据えながらも、短期で結果を出すという難しい同時並行作業を谷崎さんがどんな形で実現していくのかが法政に対する個人的な着目点になる。
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春シーズン雑感/「普段着の戦い」から見えたもの(その1)

2013-07-05 00:50:41 | 関東大学ラグビー・リーグ戦
大学ラグビーの春シーズンも終わり、あとは夏期合宿を経てレギュラーシーズンに突入。夏休みがあるのでまだ先のような感じもするのだが、実は2ヶ月後には本格的な戦いが始まっているわけだ。

今年で2回目を迎えた春季大会。個人的には春にも公式戦が楽しめるようになったことを喜びたい。もちろん、優勝したからと言ってご褒美が出るわけでもないし、最下位になったからと言って落胆する必要もない。そういった意味からは張り合いに欠ける大会と言える。

しかしながら、殆ど毎週のように試合会場に足を運んでみて、春には春の楽しみ方あることがわかった。過度に勝敗にこだわる必要がないからこそ、自分達のやりたいことを思いっきり試すことができる。また、殆どの試合が対戦チームのどちらかのホームグランドで行われることから、普段着のチームの姿を観ることができる。

予習というわけでもないが、春に1度でもチームの状態を観ておくと、レギュラーシーズンの楽しみが2倍以上に増えることはまちがいない。去年がそうだったし、今年はそれ以上が期待できる。観戦できた試合はごく一部なので総括にはならないが、春に試合場で感じたことをまとめてみる。

◆今シーズンの関東リーグ戦Gの戦いは?

まずは、本ブログのメインテーマでもある関東リーグ戦Gの展望から。辛うじて1部8チームの試合を観ることはできたものの、2試合観たのは拓大のみという状況だが方向性は見えたような気がする。願望も込めてということにもなるが、今シーズンこそは激しい上位争いといった形での熱い戦いが期待できそうだ。

今年も東海大と流経大が2強として鎬を削る構造に変わりはなさそうだ。だが、両チームとも盤石と言うわけでもなく、序盤戦で足下をすくわれる可能性がないとは言い切れない。もちろん、春はチーム作りよりも個々のパワーアップが重視されることは承知の上。しかし、チームがいい方向にいい方向にと回っている帝京の闘いぶりを観てしまうと、正直この両チームももっとできるはずという気持ちになってしまう。

そういったことは別にしても、今年は2強の地位を脅かしそうなチームが少なくとも3つあることが「リーグ活性化」を予感させる理由となっている。昨シーズン3位に躍進した拓大は、他の7チームに先駆けてチームの骨格ができあがり、あとは熟成を待つのみとなっている。法政も今年はポテンシャルの高さが活かされるチームに仕上がりそうだ1。そして、永らく低迷状態にあった大東大が新体制のもとで急速にチーム力を上げている。今後2ヶ月でこれら5チームの力関係が変わる可能性は十分にあると思う。

上位争いをしそうな5チームに比べると、日大、中央大の出遅れというか元気のなさが気になる。たまたま観た試合(日大は早稲田戦で中央大は立命館戦、いずれも敗戦)の状態がよくなかったと信じたいところだが、両校はまだまだ構造的な問題を抱えているように見えた。また、立正大はCグループで戦っていたため、上位校との力関係が図りかねる部分があることは確か。

というわけで、各チームを詳細に分析と言うわけにもいかないが、はっきり見えたこともある。次回は各チームに対して試合場で感じたことと、引き続き、今後に期待したい部分を少しだけ掘り下げてみる。
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