「掩耳盗鈴(耳を塞いで鐘を盗む)」
昔、一人の泥棒がお金持ちの家に盗みに入った。
庭に大きくてきれいな鐘が吊るされていたのを見た泥棒は大いに喜んで、この鐘を盗もうと考えた。
しかし、鐘は青銅製で、大きくて重い。どうやっても持ち運ぶことはできない。彼は考えに考えて、一つの方法を思いついた。
それは鐘を砕いて、小さな塊にして持ち帰るというものだった。
泥棒はどこかから大きなハンマーを見つけて来て、それで思い切り鐘を砕こうとした。
「ガ~~ン!」という大きな音をさせて、鐘は振動し、泥棒は耳の中で響く音に、目まいがした。
泥棒は慌てた。
そして心の中で考えた。
これではだめだ!人々に泥棒が鐘を盗んでいますよと知らせるようなものじゃないか。
あれこれ考えて、ついにすごいアイデアが浮かんだ。
もし、自分の耳をふさいでしまえば、耳はこんな大きな音は聞こえなくなる。
そこで、泥棒は綿を見つけてきて、それで自分の耳をふさいだ。
それから、また、試しにハンマーで鐘をたたいてみたら、果たして、鐘をたたく音は彼の耳に聞こえなかった。
安心した泥棒は、鐘を大胆にたたき始めた。
鐘の音は四方八方に響き渡り、近くに住む人たちがいっせいに集まってきた。
そして、まもなくこの泥棒は官憲に捕まってしまった。
《陈淑梅「中国語実践トレーニング」掩耳盗铃》
中国のことに、お詳しいんですね。
僕の詩は、我流で、拙作ですが、ご愛読、よろしくお願いいたします。
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お知らせがあります。お陰様で10月に、詩集を出版することになりました。仮題ですが「足跡」と言う作品です、ご期待ください。
僕は若い時、詩を書いて、地方の同人誌に投稿したり、あるいは同人になって発表したりしていました。今はあまり書いていませんが、好きなことは好きです。詩集を出すとのこと、おめでとうございます。