MilanoからLondon、東京に移り住みましたが、変わらず日常生活を書き記そうかと。。
ミラノ通信 - 我が為すことは、我のみぞ知る



80年代に中曽根元首相がアメリカの教育水準が低く、知的水準が低いと言う失言をしたが今度は枝野が中国を称して悪しき隣人の国、等という発言をした。

こう言う発言は事実である部分がどこかにあるが故に波紋を広げ政治問題になる可能性が高い。痛くも痒くもない話ではないから事が面倒になる訳だ。まぁ正しいから(たとえ部分的にでも)と言っても、立場とか、言うタイミングとか、言う場所を間違えると何時まで経っても「失言」として記録、記憶されてしまう。特に中曽根氏は首相だった訳だから尚更。実際問題として、黒人が多いからとかプエルトリカンが多いからと言うことは事実としては間違っていると思うので、そもそも中曽根失言は総論としては正しくないんだと思う。今現在のアメリカの大統領が黒人であることとかを中曽根氏はどう考えているんだろうねぇ…。

そして今回は民主党枝野氏が事実を、つい、言ってしまった。中国を称して「悪しき隣人」と。一部で叩かれかけたが、誰も失言だとか言わないのは多少なりとも尖閣諸島の問題に絡んでマスコミも愚かな国に対抗をしようとしているんかしらん?まぁ今のマスコミにそこまで考えた上でのスタンスセッティングをしているとは思えないのだが、、、



2010年のノーベル平和賞はその枝野発言の言う悪しき隣人の国の劉暁波氏に授与決定。そうならないように中国外交部が事前に牽制したり、受賞決定以後もノルウェーに対抗措置を取ろうとしているのだとか…。対抗措置って。。。

(子供じゃないんだから。
バカじゃないの…)


悪しき隣人と言うか愚かな隣人なのだと個人的には思うけども別に国全体が悪しき隣人ではないと思うし、全員が愚かな隣人だとも思わん。個別個別の人との繋がりの中で中国人をそうとは捉えない人も多いかと思う。

一方でノーベル賞と言うものに対する超ブリーフな考察。

今回のノーベル平和賞を含めたノーベル賞が絶対だとは思わない。特にノーベル平和賞は恣意的な意図が強い部分もあるのは事実。悪しき隣人の外交部曰くノーベル賞を冒涜したなどと言っている。メッセージ性が強い受賞事例もあることは否めないのではないかなぁと思う部分もあり、中国外交部のスポークスパーソンの発言は、ごく一部で言えばそれもさもありなん。1974年の佐藤栄作のノーベル平和賞とかは赤塚不二夫氏の漫画天才バカボンのセリフの中にその受賞に関する疑問のくだりがあったりする。この場合は自国民内部(とは言っても政府関係者とかではいけども。。。)から受賞の疑問符を投げかけられた訳だが、国際政治問題ではなかった。

まぁ日本のケースはさておき、今回は中国国内で政治犯として懲役刑に服している人に対してノーベル平和賞授与。国としての中国の意味不明さ、いずれ隘路に陥るような振る舞いに対しての警告であることは明々白々だけども、アイロニカルな見方をすればこんなことで変わる国じゃないよなぁ。たとえノルウェーのノーベル賞委員会が諸々勘案して、おい、たいがいにせえや、と言ったところでね。。。

いやそんなことないんだろうか。。。

世界中全ての国、全員が一斉にこの悪しき隣人をハブちんにしたら未だに自国を途上国として責任を果たしていない国が、排出権問題などで環境にやさしい国に!とか、知的財産権問題でもう似てないドラえもんとかミッキーマウスを石景山遊楽園には出しません!とか言うんだろうか。。。

反省なんてしないだろうな。
だからこんなこと言わないよねぇ…。。。


冗談はさておき、、、

どの国にも自国を守るスタンスはあって然るべき。異様なまでに自国政府への批判を避ける手段を取り続けるのも国のスタンスの一つとしてある意味ありだと思う。しかし、その方法論は問題視されて然るべき。劉暁波氏のノーベル平和賞受賞関連のニュースをBBCやCNN、NHKが報道しそれが悪しき隣人の国内でCSなどを通して流れるときにブラックアウトしたんでしょ?!こう言う検閲も国内法に照らし合わせて合法的手段ならOKと言うスタンスもあれば、知る権利、報道の自由、表現の自由への冒涜だと言うスタンスもある。悪法も法。しかしそれを吟味しないということとも違う。吟味するフックが国内的な世論の高まりと言うことにはしたくないのが彼の国のスタンス。この典型パターンが天安門事件だった訳だ。

悪しき隣人の中にも賢人がいる筈だ。期待だけしても仕方ないが、ある意味彼我の境地でいないと気分が悪いことが多いのも事実。自分たちが領土問題などで外部に意味不明の圧力を掛け続けているが、今回のノーベル平和賞の劉暁波氏への授与によって世界的にChina riskが顕在化され、真面目に政治的、経済的に関係を再検討する国が出てきて暫くして諸々比較衡量した結果渋々彼の恩赦開放とかそう言うことに繋がるのだろうか。そう言う決断を出せる(たとえ中国国内でそれが腰砕けなんて言われたとしても)世界基準の賢人と言うのは中国国内の上層部にはいないのだろうか。。。

昔のゴルバチョフのように…。

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