プロジェクトの関係でUNHCRの副代表の岸守様を訪問した。
表参道の青学の前にある国連大学の建物の中にオフィスがあることは知っていたが、セミナーとか以外にここの中に入ったことはなかった。初めての訪問である。大学の時の関係者はそれはもう国連関係やそれに付随するNGO、NPOの関係者が多いのだが、それもその筈で日本の大学の中で東大や慶応を抑えてICUは最も多くの国連関係者を輩出しているのである。実際Facultyも国連関係者が非常に多かった。それに同調するかの如く、学生も国連関係を目指す人が多かったものである。
しかし、言葉では言い表せない嫌悪感があったのは事実だ。
学生自分に付き合っていた彼女などは実際そのまま某国連関係NPOに行き、メディアに何度も取り上げられたりニュースのリポーターなどをしていたが、学生当時の青臭い物言いに非常に違和感を感じていた。何がそう感じさせていたのか当時は分からなかったが、昨日岸守副代表にお会いしてお話を聞いてようやく分かった。端的に言えば、
〝ボランティアの定義と営利性の問題〟
であった。そもそもUN関係者は既得権益の温床であり、当然のように不正が横行している。これは実際UN関係の職員だった教授が授業の中で言っていたことであるから本当なのであろう。また、凝り固まった観念で自分たちのアクティビティーに同調しないのであれば別に一緒にしていただかなくても結構、などと半ば平然と無償援助を要求したりするようだ。しかしボランティアが自腹で限界ギリギリまで無理をして援助をするなどと言うスキームは端から無理があるのだ。誰かの犠牲の上に成り立つ援助など長続きする訳がない。自分たちが食べていく分を確保した上で収支計画上援助できる額を捻出していくようでなければ意味がないと思う。国連関係に行きたい、と言っていた奴らは自分たちの生活を犠牲にしてでもやる、と言うような(ニュアンス的に)そう言うことを言う人が多かったのである。おいらが覚えている限り、教授の中でそういうことを言っていた人はいない。にも関わらず学生の言い分は反していた。だから嫌悪感があったのだ。実際、国連関係に行くような人は学歴も高く、日本人の場合語学を複数習得せねばならないことから決して安い給料ではない筈だ。実際欧米ではある一定以上の人間に許された就職の選択肢になっている訳で。大学では、どこぞの貧民地区の学校建設ツアーみたいないわゆるスタディツアーが多かったが、これらはおいらに言わせれば完全に物見遊山である。ブロック積みました、木を運びました、と言って事後大学内に写真を展示していたが、お前ら邪魔しに言っているだけだろう。むしろ現地の人に余計に気を遣わせて計画が遅れているんだろう、と思っていたものだ。そうなると事業計画性などは甚だ疑問であり、何のためにやっているの?!と漠然と思わざるを得なかったのだ。支援などが自己目的化している典型パターンに思えたのである。
しかし、実際に社会人となり、可能な範囲でどこまで何ができるか、適切な収支計画のもとで何を捻出するのか、知恵を搾り出してスキームを考えていくことが今なら可能であるのだ。実際、今回お会いさせて頂いた岸守副代表の考えの中にはサステイナビリティーとポジティブな収支計画が根幹にあった。
今だからやれること、それを国連関係の人たちとやれるようにするために考えていく機会を得た。理念だけで頑張ろうとする人たちとは違うところを追求したい。現実主義者たる自分が理念だけで無理をする人たちとは違う面を見せていきたいと思っている。
一歩一歩踏み出すこと。そう言う話を含めて是非協力していきたいと思っている。
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学生時代に国際協力についても学んでいたけど、結局気まぐれな一時的な援助を途中で切り上げられるのが大きな問題のひとつだったと記憶しています。
だからインターンしていたNGOはそうならないために、継続して支援することを大事なポイントのひとつに掲げていたかと思う。
”サステイナビリティーとポジティブな収支計画”
ちなみに、これって、国際協力・援助の問題だけではなくて、環境問題やアート・表現など、一般的に経済性が成り立たない分野すべてに共通する課題でキーだなと感じています。←大学を卒業してまったく違う分野のことを始めて実感したこと。
KENさんの現実的なところとバランスをとるのが巧いところがうまく発揮され貢献&試みが成功できるといいですね。
アートは一方で既にマーケット的に確立はしていると思う。美術館で見ると言う行為に対しては一定の経済合理性がある枠組みで既に確立している。昔のように貴族のための美術、ではなくなっている訳だから。パトロン以外に目に触れないようなものが美術だった時代ではないから。これはそういう意味で環境とは少しスキームが異なるね。
やっている本人にすれば超えるべきハードルが多いと感じているのだと思うけれども…。