単独行の山歩き(yamakuma)

「一人は危険」と言われながら、一緒に行ってくれる人がなくいつのまにか単独行が身についてしまいました。

南アルプス・池の沢~雪投沢の支流(後)

2014-10-27 | 山歩き

大門沢~広河内岳~池の沢~雪投沢・支流~塩見岳~三伏峠~鳥倉林道

 南アルプス・池の沢~雪投沢の支流(前)より

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 8月24日

 昨日は疲れたので、特に起きようとはしなかったこともあって、ゆっくりとした朝です。紅茶とパン・ソーセージなどの朝食。天気は晴れているので、少し気分はいい。テントをたたもうと中の物を出して見ると、中に水がたまっている。濡れたものの水がたまったのでしょうが、なんとなく水溜まりの中で寝ていたような・・・

7:45 スタート 濡れた渓流靴が冷たい。服も乾いていない。どうせ川に入るのだから、最初だけなのだが、最初のこの感じがいやです。

 いきなり、どこを歩いていいのかわからない。だから、ビバークしてしまおうと思ったのだと、自分自身で納得してしまうような、落差と河原の倒木群です。まるでプレデターでも出てきそうな光景です。(映画の見過ぎ)

谷幅が広くなり、傾斜もゆるく、歩きやすくなり、「そろそろ降りてきたな」と思っていると、踏み跡もあり、小屋が見え始めてきました。 

8:48 池の沢小屋 

 やっと着いたが、当然、誰もいない。中に入って昼食(アルファ米)休憩。外観はきれいだが、中は傾いたりしている。


裏に回ってみてびっくりしました。ゴミが散乱している。以前来た時は表しか見ず、こんな実態は知らなかった。何事もきれいな表だけを見ていればいいのか、考えさせられます。

 9:22 ↑ 東俣合流~この写真ではわかりにくですが左が池の沢です。この20~30m下流が雪投沢との合流点になります。



10:26 → 雪投沢河口

1時間もかかったのは、東俣をやや上流に向いて歩いたため雪投沢の河口が目に入らず、そのまま上流の大きな涸れ河床を雪投沢と勘違いして入ったためです。ご丁寧に、ケルンや赤布の目印まであり、てっきり雪投沢と思いこんだのです。また、念のため確認しておきたいという気持ちもありました。

10:34 ↑ 地図通り、入ってすぐに谷は右へ曲がっています。

10:52 ↓この谷も荒れているなぁ、と思いました。

 

12:02 2回目の昼食休憩 
川の水でラーメンを作って食べました。暑いけど体が冷えているので、暖かいラーメンがおいしいです。
食後のコーヒーまで飲んで満足。
13:09


13:57 ↑ 沢の傾斜が急になっていく。

 

14:01 ↑ 急な流れに不安がよぎる。

14:15 ↓ ここで沢は二股に分かれており、どちらに行くのか迷ったが、右の方が流れは大きく、水量も多い上に左の沢が右に注ぎ込む形であったので、本流と思った。しかし、これが間違いであることは後で気づくことになります。

 

14:20 → 滝があり、傾斜が急過ぎることから、沢を間違っているのではないかと思ったが、ここまで来ると、戻る方が危険と判断し、沢を詰めることにする。

これを書いていると、わずかの時間だったとわかるのですが、記録を取っていなかったので、どれ位時間が経ったか、夢中でわかりませんでした。少し登ると相当登ったような感じで、戻ることが躊躇される。

14:21 ↑ 滝の上から。高度感がスリルあります。(現場では恐怖感を覚えていました。)滝でもない流れの傾斜が急なので、明らかに間違っていると思うほど不安は募ります。


14:40 ↑ また、滝。


14:42 ↑ この滝で小枝が目にあたりコンタクトレンズをなくす。

14:48 ↑ これが最後の滝 水に濡れた所は滑るのは当然だが、この滝は特によく滑った。

14:54 ↑ 最後の滝を上から見た。降りろ、と言われても降りれない。
下から見上げるとなんでもないのですが、上から見下ろすと恐い。

15:00 ↑ 最後の滝を登ると流れは急に小さくなる。これで最後まで詰めることができると思えるようになりました。

15:46 ↑ この右側に、最後の水の流れ(支流)がある。
ここで水を汲み、靴を履き替え、やっと人心地。足が暖かいことがこんなにも有難いことかと、東俣以来の感覚です。

16:22 ↓ 鹿の角


16:25  沢を詰めるとこんな穏やかな所にでました。


16:33  ↑それでもまだ、尾根に出ません。

16:42 ↑ 左右に道らしきものがあるが、けもの道なのか、何なのかわからない。

16:50  何気なく上を見ると、登山者が2人歩いている。思わず声を掛けてしまった。「ここはどこですか」
向こうも雪投沢の下降点がわからず歩いてきたとのこと。
ということは、やはり、この谷は雪投沢ではなかった、ということで、
やはり分岐を左に行かなければならなかった、ということになる。

尾根に上がり、登山道を見るとほっとし、「ここからは普通の道だ」とうれしくなった。景色から、雪投沢から北荒川岳の稜線、北荒川岳のキャンプ指定地に近い谷に登ったと推定。



16:55 → 北荒川岳

出合った2人と雪投沢まで一緒に歩く。
一人が携帯電話を掛けたので、電波で通じていることがわかり、自宅に電話。
本来この日に帰宅することになっており、連絡がつかなければ、遭難騒ぎになるところでした。


16:56 ↑ 登ってきたところを上から見ると、まるで公園のようです。

下に下りるとあんな急な滝が待ちかまえています。
川をくだってはいけない、という意味がよくわかります。

17:52 雪投沢のテントサイトに到着。

稜線で出合った2人。この日はテント2張りのみ。
テント設営後、水場へ案内。

この夜は月が奇麗で、テントから蝙蝠尾根に続く山々を見ながらゆったりとした夜を過ごしました。普通の登山道に出た安心感もあって、気持ちが緩んでいました。

 しかし、夕食(ラーメン)を作っているとコンロのガスが切れ、カートリッジを交換しようとするがうまくいかず、結局、生煮えのまま食べ、それからは湯を沸かすことができず、水と行動食だけで歩いたので、翌日のバスに間に合わず、三伏峠小屋で泊まることになり、暖かい食事の有難さを味わう。(コンロはもう何年も使っており、カートリッジ交換でトラブルのは今回が初めてです)

やはり、食べないと力がでない。また、水も汲みたての冷たいうちはおいしいが、時間が経つにつれてまずくなり、ぬるくなったものはよほど喉が乾かなければ飲めない。また、衛生面でも疑問が残ります。翌日はお腹がゆるゆるでした。水のせいか高山病かわかりません。

8月25日

ここからは登山道を、北俣岳・塩見岳を越え、三伏峠まで行き、三伏峠小屋で泊まり。
コンロ故障のため、朝食は行動食で力が出ず、塩見岳を越すだけで体力切れ、
後は惰性でトロトロ歩くのでバスに間に合わなかった。
小屋でカップ麺とおにぎりを食べ、夕食・翌朝食で体力は回復しました。

8月26日

鳥倉林道まで歩き、バスで下山。予定をオーバーしましたが、無事下山できました

小屋の人、相部屋になった方々、130人の地元中学校の生徒さんたち、下山で一緒になったおじさん、バスで乗り合わせた人たちなど、後半は楽しい出合いで、思いで深い山となりました。


特に、カナダから来られた英語教師の人とは電車の中でも一緒になり、ちょっぴり英会話レッスンとなりました。

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