単独行の山歩き(yamakuma)

「一人は危険」と言われながら、一緒に行ってくれる人がなくいつのまにか単独行が身についてしまいました。

南アルプス・池の沢~雪投沢の支流(前)

2014-10-27 | 山歩き

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大門沢~広河内岳~池の沢~雪投沢・支流~塩見岳~三伏峠~鳥倉林道

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<概 要>

  2010年 8月22日~26日  天気 晴れ 午後は曇り(23日のみ一時雨)   

  単独行

 8/21 移動日

 8/22 奈良田6:30~11:40大門沢小屋(テント泊) (行動時間5時間10分)

 8/23 大門沢~池の沢(テント泊)(行動時間11時間13分)

 8/24 池の沢~雪投沢(テント泊)(行動時間10時間13分)

 8/25 三伏峠小屋(小屋泊)(行動時間7時間23分)

 8/26 三伏峠~鳥倉林道バス亭(行動時間1時間54分)

   (R は休憩)

   (写真をクリックしていただきますとポップアップウインドウが開き拡大します)

 東俣(南アルプス 大井川源流 東俣)へ行ったときに出合った中高年パーティが池の沢から下りてこられ、雪投沢に登る河口を探しておられたので、そんなルートがあるならチャレンジしてみたい、と思っていました。 今年の猛暑は絶好の沢歩きのチャンスと、思いきって行ってきました。
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<詳 細>

8月21日 

移動日 

帰りが単線の飯田線なので、青春18きっぷにチャレンジ。早朝に家を出て東海道線の快速などを乗り継いで身延駅へ。途中、電車の乗り継ぎを間違えていることに気がついたが、富士駅で身延線の乗り換え時間があり、結果的に到着が同じになるので、静岡駅にあるお店で弁当やお茶などを買うことができました。

JR身延駅Imgp0003 

バスは、17:10の最終で、乗客が2人だけで、もう一人のお爺さんも、山間部に入る前に下車された。後は私一人の貸し切り状態。18:40奈良田到着。すでにうす暗くなっています。

運転手さんが「野宿するなら、お寺の駐車場がいい」と教えてくれたので5分足らず歩く。昨年も来ているので、特に不安はない。駐車場には水もトイレもあります。 20:00就寝
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8月22日

4:50 起床 いいお天気です。

6:30 出発 気持ちよくスタートを切る

6:55 大門沢入り口Imgp0008

吊り橋もあってスリルがあります。


Imgp0015

上流に行くほど橋もスリリングになっています。

11:40 大門沢小屋(テント泊) テン場には早く着いたので、昨年と違い眺めの良いところに一番乗り。Imgp0019 

昼食にラーメンとビールでいい気分。Imgp0021

2番に同じ市内在住の人が来られ、話が盛り上がる。 

晴れると、正面に富士山が見える、というベストポジション。Imgp0025

確かに見えたのですが、私のカメラテクニックでは、公開できるほどには写っていませんでした。

早めの夕食をすますとすることもなく、まわりも静かになり、こちらも早めに就寝。
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8月23日

4:49 起床 (紅茶とパン・きゅうり・ソーセージの朝食)

5:47 出発・・・ 6:24 R(水場・R)

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 7:15 水場(広場・R)

相変わらずの厳しい登りImgp0036

7:54 R ・・・ 8:29 R ・・・ 9:10 R・・・   ・・・ 9:20 R ・・・(実際には立ち休憩を頻繁に挟んでいました)

10:10 R  窪地(テントが張れそうで休憩にもいい場所)

10:50 大門沢下降点(昼食・アルファ米) 11:35Imgp0040

12:17 広河内岳 12:29Imgp0057

沢の入り口を探しながら下降。最初は大籠岳方面への道と同じだが、すぐ分岐の目印がある。Imgp0061

ガレ場を下る。Imgp0063 踏み跡が這い松帯に向かい・・・ 

ガレ場の先端から這松地帯に入っている(下の写真の細い一条の筋)ので、Imgp007212:58這松帯に入っていくと、下には道らしき空間がある。 這松の上に乗って歩くが、右の写真の真ん中あたりにある木のところで落ちてしまい、抜けだそうともがいていると、周りの空間で何かがごそごそ動いている気配がする。焦ればあせるほど思うように動けず、 やっとの思いで下右の写真ところまで辿りついた。何か動物が這松帯の中で生息しているのだろうが、姿の見えないこちらとしては恐怖を感じる。

休憩しながら落ち着いてみると赤ペンキの目印があり、Imgp0073 道を間違えていたことに気づく。そして、ペンももなくなっていました。たぶん、這松の中でもがいているうちになくなったのだと思います。(以後記録なく、デジタルカメラのタイムスタンプでの記録です。)

13:35 →ガレを目指して這松帯を脱出。這松帯の強力な力を認識。見かけと違い踏破するのは困難です。

 

Imgp0076

13:42↑

昨年、笹山縦走の時に稜線から見た感じでは、こんな苦労するよりは広河内岳と大籠岳の最低鞍部から下る方がわかりやすく歩きやすいように思えました。

やっと谷筋に。Imgp0079    

13:54→入り口からしばらくは目印があるものの、 草木で踏み跡もわからず、谷の底部分で歩けそうなところを下ります。Imgp0085 

上の写真(14:10)はいい感じですが、すぐにどこを歩いていいかわからないようなところに至ります。
そのうち雨が降り出し、雨具を着ます。

Imgp0087

上の写真(14:40)は雨粒がゴミのように写りこんでいます。
すぐ止むかと期待したのですが、はげしく降り出し、すぐ水が流れるところに至り、
渓流靴を履き替える間に、登山靴を濡らさないよう傘の下で腰を屈めながら行いました。
どうせ濡れるとは思いながらも、最悪の条件に気分は滅入ります。

Imgp0091

15:51 ↑

.Imgp0092

15:44 ↑ 池の沢池

南アルプスで最も美しいといわれている池。(だそうです)

ゆっくりしたかったが、雨が降っているのでそんな気分にもなれず、テントを張れそうなところを探すものの、平ではあるが「ここ」というところがなく、できれば池の沢小屋まで行きたいという気持ちもあって、先を急ぐ。

Imgp0094

15:45 ↓水の流れる音はするが、出口は見えない。

Imgp0103

16:00↑川らしきところを下って行くと、やがて伏流水となっていた水が音を立てて流れています。

Imgp010916:15 日が射してきたので明るくなりました。

 16:23↓ 天然の庭園のような・・・。

16:28↓

谷の上流部は少し歩くだけで景色が変わっていきます。天気も変わり、雨が再び降り出しました。

前に進み、下流になるほど、倒木が多くなり、滝になっているところの巻き道が寸断され、歩く速度が遅くなる。なんとか池の沢小屋まで行きたいと思ったのですが、水につかった冷えから来る体力低下もあって、木にひっかかったり、こけそうになり、そろそろ疲れを感じビバークを考える。

このまま進んでも、池の沢小屋までどれくらいで着くか検討がつかず、暗くなれば一層危険が増すので、明るいうちにテントを張れるところを探さなければならない。

北海道で大学生が沢でテントごと流された報道があったことを思い出し、狭い沢であるができるだけ、水の影響の少ないところを選び、17:00 頃、かろうじてテント一張りできるところを見つけ、今夜のねぐらと決め、テントを張る。

湿気が多く、あまり良いところではないが、自分自身が雨と川の水で濡れているので、贅沢は言えない。しかし、なんだかんだと言いながら、テントを張り、中へ入れば自分だけの世界ができ、暖かく、ほっとする。

夕食(アルファ米・レトルト八方菜)をつくりながら、濡れたものを乾かそうとするが、無駄な努力でした。仕方なく寝るときには下着姿で寝たが、23:00に寒さで目が覚め、乾いた予備の服を着て今度は心地よく眠りに入った。

南アルプス・池の沢~雪投沢の支流(後)へ続く

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