梅雨明け以来の好天がまだ続いています。今回の目的の第一は硫黄岳のコマクサで、第二が、あまり行く機会が少ない峰ノ松目の登るということです。
そこで桜平登山口からオーレン小屋経由でまずは峰の松目を目指
します。かの深田久弥が「日本百名山」の中で、八ヶ岳の名前の由来に触れている。漫然と多数を表すものとして数字の「八」を当てたのではないか、八つの峰から出来ているからというのは強いて員数合わせの感がすると述べている。とはいうものの、あえて八峰と称されているものを挙げるとすればと断った上で「西岳、編笠岳、権現岳、
赤岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、峰の松目」の八つを紹介している中に「峰の松目」が入っているではないか。おまけに名前も個性的。地図を広げるたびに気になる山の一つだったので、コマクサを見に行くついでに登ってしまおうと計画した訳です。三等三角点があるだけの、展望のないピークでしたが、その地味さがとてもいい感じでした。八ヶ岳の展望は少し下がったところから楽しめました。峰の松目からは赤岩ノ頭、硫黄岳を通って、硫黄岳山荘に向かいました。
山荘に近づくと、期待に違わず、コマクサが満開です。硫黄岳山荘の先代のご主人の時代から何十年に渡って保護してされてきたおかげで、こうして楽しめるの
ですね。
翌朝も快晴です。雲海に浮かぶ山々を眺め、足下のコマクサに慰められてのんびりと登ると、硫黄岳の山頂は中学生で一杯です。僕らも、引率の先生に頂上の
集合写真のシャッターをお願いしてしまいました。ありがとうございました。その後、地図に乗っている三角点(2,742.5m)を探しに行きましたが、見
当たりません。家に帰って、国土地理院の「日本の山岳標高一覧」でチェックしてみると、硫黄岳には三角点はなく、測定点(2,760m)のみでした。幻の
三角点だったのです。
最後にちょっと得した気分になったのは、下山の登山道脇でリンネソウに出合えた
ことです。かすかにピンクが入った可愛い花
です。この花の名前は、スエーデンの植物学者で分類学の父といわれているリンネが、この花を大変愛したところから献名されたそうです。そんな花の名前の由
来などを知ると、一段と親しみがわいてくるものです。
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