エグモントに来て、1ヶ月。。。
なじもうとするも、なかなかなじめない中で
「映画で歴史を学ぶ」という授業のヘルティとして、丁寧に訳してくれたサミー
何でかは知らないけど、
サミーも障がいを持っていて、歩けるけど、身体が少々不自由。
よく転んでるのを見る。
この人がいたから、その授業は苦ではなく
「ここにいていいんだ」って安心することが出来た、優しい人
ただ、親しくなる中で少々路線が怪しくなり、
授業も終わったことで少々距離をおいてしまっていたけど
きちんと話してみたいとも思い直し、インタビュー予約。
約束通りの日時で、きちんと答えてくれた。感謝
金曜の夕飯後。
覚えていたけどすっかり寝入ってて、電話で起こされてしまった。
まあ、お腹もすいていないしで
ジャージを着替え、いざ、サミーの仕事部屋でlet's interview
☆Sami
☆30歳
☆一人暮らし
・今、どんな仕事をしていますか?詳細を教えてください。
アシスタント・ティーチャー
生徒を手助けする仕事を幅広くやっていて、
主に授業で「アシスタントを持たない障がいのある生徒」ないし
「アシスタントが同じ授業を取ってない障がいのある生徒」をフォローしてる
今で7年目。
肉体的な介助、トイレ補助やコーヒー運んだりはもちろん、
精神的な介助もする
これまでうちにいたような18・19の子が、
エグモントに入って170名もの知らない生徒を見ると
「ムリ」って閉じこもりがちになる。
だから、話したいことは何でも聞くよ、ってこのオフィスで待ってる。
つらかったり、寂しいって話を「うんうん」って聞いて、たまに励ましたりする
※確か、初日、学校案内にて、サミーのいるオフィスは
重度障害者がコミュニケーションで手助けを求める駆け込み寺的場所と紹介された。
-ランチを皿に取ったり、フォーク握れない生徒に食べさせたりもするとのことですが、
そのとき、野菜を食べた方がいいとかって指導はするんですか?
いや、しない。ただ取るだけ
授業で、先生から「この生徒はこういうところ注意して」って言われたらするけどね。
エグモントって場所は、本当に特別で、
これまでほとんどを親任せにしていた生徒がここで学んで
自分のことを自分で出来るようになっていくんだ
障がいを持つ生徒はもちろん、障がい者のアシスタントで来る生徒も、
同じように18・19だったりする。でもここで障がい者と接し、仕事をし
障がい者とはどういうものか、共同生活とは社会とはどういうものか学べるんだ。
・週何時間くらい働いていますか?
8:30から15:30で、週38時間くらいでプラス・マイナスがある
・今の仕事のやりがいは?
(during Egmont job, what make you happy?)
(what is charangible job for you?と聞くと、新しい仕事?って聞かれた)
朝起きたら、たいてい幸せを感じてる。
ベッドから出たくないとき、生徒のことを思い浮かべると
目が覚めて、寝てる場合じゃないって思う
期の最後とかに、生徒が「ありがとう」って言ってくれるのは
とても嬉しい。
もちろん、全員が全員でもないし、僕を好きじゃない子もいる。
でも、そういうのは仕方ないから気にしない。
自分が役に立てることをするんだ
・逆に、厳しいことってありますか?
毎日じゃないけど、、たまに自分の障がいを悔しく思う。
ぼくも、他のヘルティみたいに、生徒と一緒に走ったりしたい。
生徒から、体育の授業が面白かったとか聞くと悲しくなることもある。
ただ、これが表裏のあるところで、
健常の人には理解されにくいことに
身体障害を持つ子は、自分の体に、自分の人生に、自分の将来に、
すごくフラストレーションを感じて、怒りやもどかしさで不機嫌なことが多々ある。
ぼくはヘルティでもあるけど、一障がい者でもあるから、その気持ちがわかる。
社会への怒り、他の人への怒り、自分自身への怒り。
だから授業に出てこない子を呼びに行って、そしてじっくり話し合ったりする。
裏と表でもあるんだ。
・今の仕事はどうやって見つけたの?
もともと10年位前、1999年にここの生徒だったんだ。(2期)
で、いったん家に戻って、今度は「アシスタント」としてここの生徒になった。
で、またうちに戻って、2年間何も仕事がなかった。
親とも相談して、エグモントに電話した。前の校長と面談して
色々話をしたんだけど、、04年からヘルティとして働き出した。
本当に、ありがたいことだと思う。
うちにいて、何もすることがなくて、僕はデンマーク社会をうらんでいた。
髪もひげもぼさぼさで面談に行ったぼくに、校長は「うちで働いてみないか」と言ってくれた。
英語もデンマーク語もできるヘルティが欲しいってことで
ぼくはそれが出来たから。でもそのとき「嫌だ」って言ってしまった。
でも、1週間考える時間をもらい、その1週間後から働くことになった。
そして、この仕事はぼくを大きく変えた(this gives me everything)
当時の校長が、ぼくを救ってくれた。
-途中、旅行してましたよね?
06年に一年間、スロバキアで仕事して、またヘルティになった。
そして、去年、アメリカに3ヶ月だけだけど、行って映像の仕事した。
で、またヘルティに戻った。
ヘルティの仕事はすごく好きなんだけど、
これはあくまで「生徒」に対する仕事。
僕自身を高めるため、何か新しいことを定期的にしたいと思って海外に行っている。
・もし、次を探すとして、どんな仕事したい?
ここにいたい。
人と話すのも好きだし、メディアの仕事も好き。だからメディアの授業のヘルティができ
ぼくはラッキーだと思う
でも、もしここにいられないとすると、
もちろんそのとき家族がいたり、恋人がいたらその人との話し合い次第だけど、
アメリカでメディアの仕事がしたいと思う。
・人生のモットーは何ですか?
本当にやりたいことは、挑戦してみるべし
ただ、何かするには準備が必要、それは大変なことかもしれないけど努力は必要
(if you really want, you should try.
and if you want peace, prepare for war.)
チャンスをつかむために
自分を向上させることはとても大切だし、
チャンスをつかむためには、行動することを恐れないことが大切
・ほかに仕事してますか?
知ってる通り、アメリカの友人の為に動画の作成を行っている。
-いつも、この部屋でPC使ってますが、一日どのくらい仕事してるの?
16時以降で、4~6時間くらい。
-それは給与はあるの?
ボランティアだよ
・仕事していて人間関係に悩むことある?
(whan do you feel anoying from other people's atitude?ってな感じで言い直して、答えてくれた)
はいでもあり、いいえでもある。
人にイラつかされることはよくある。
でも、自分を嫌う人って言うのは、僕の人となりを知らない、知ろうとしない人たち。
そして、人はすべて違う。
肌の色然り、同じ国でも育った背景は異なる。
だから、何か気に触ることがあっても「気にしないこと」が一番大切だと思う。
・理想の上司、同僚ってどういう人?
必要なときに、正しい形で決断できる人
(make decision right timing and right way)
そのためには、人の話をきちんときけることが必要。
人は機会じゃないんだから、必ず失敗をする。
それを理解して、なお失敗を恐れず任せること
もしうまくいかなければ、改善策を練る
それはとても大切だ
・あなたにとって、働く意味とはどういうことですか?
エグモントの仕事はすごく意義深い。
自分を向上・発達するのを助ける仕事だから
障がいを持ってるがゆえに「私にはできない」って凝り固まっている子に
「こういう風にすれば、こういうことができるよ」って示していく。
例えば、メディアの授業を取ったある男の子は
「サミー、動画作ってみたい。でもPCは全くダメできっとできない」って言ってた
だから、「大丈夫。やってみよう」って
隣に座って操作を教え、でもぼくがやった作業はすべて消して
「わかんなくなったら聞いて」って自分でもやってもらうんだ
少しずつ少しずつ作っていく
そして、出来上がった作品を、食堂の大画面で流してみんなに観てもらう。
生徒は「自信ない」とか不安がっているんだけど、
いざ、大画面に自分の動画が映って、みなから拍手をもらうと、、
とても嬉しそうに、また自分を誇らしく思って笑顔になるんだ。
それを見て、ぼくもすごく嬉しくなり、誇らしく思うんだ。ぼくが手伝ったんだってね
やりたいことがあれば、やり方を教える。
「できない」しか言わなかった子、寂しそうだった子が
少しずつ自分のやってみたいことを見つけ、挑戦していく場をぼくたちが作っている
飽きることの決してない(never tired)すばらしい仕事だと思う
・あなたにとって「幸せ」って何ですか?
家族、友達、ある意味、この仕事も。
自分を取り巻く人の幸せが自分の幸せ(people around me)
ただ、ERICに対する感情とYUTAKAに対する感情は違う。
ERICが何かに打ち込んでいる姿をみて嬉しいし、
YUTAKAはもう10年来知ってることになって、YUTAKAが元気なのが嬉しかったりする
そして、人により何がHAPPYかは違うと思う
でも、例えば、今、僕は新しいアパートに引越し幸せ
広くはないけど、友達と一緒に過ごしたり
広い家に一人ですんでても寂しいだけ。家族や恋人がいるから幸せ
(なお、彼には恋人は今いない)
・デンマーク社会全体について、どう思っていますか?
ああ、これ話すには、もう一杯コーヒーを持ってこないとね(笑)
まずいえるのは、デンマーク人はもっとほかを学び取り入れる必要があるということ。
例えば、デンマークでは知っている人には挨拶するけど
知らない人とすれ違うとき、まったく相手を見ない。
アメリカなら、信号待ちでたまたま隣にたった人と
「なんて長い信号だ」「本当に」みたいな会話をしたり、
そのままカフェで3時間くらい話したこともあった。
このオープンさは、素晴らしいと思った。
また、デンマーク人は‘自慢’をしちゃいけないって思ってる。
でもアメリカ人は「できます」って言って楽しそうに積極的に挑む
明るくていいと思う
ただ、どこの文化もいい面と悪い面がある。
デンマークも、日本も、アメリカも、スロバキアも同じ。
人々が集まると、問題が出てくる。
でも「種」として集合する
デンマークの福祉システムは完璧じゃない。でも作用してる
税金はバカがつくほど高いってアメリカ人とか言うけど、その分例えば、医療費はタダ。
アメリカで病気になったとき「クレジットカード」がなければ誰も相手にしてくれない
・デンマークは、幸福NO1になったけど、同意しますか?
同意しない。幸福(happy)と自制がきく(contain)は違う
デンマーク人は“everything good”“not be sad, it's OK”って言うだけのこと。
「調子どう?」って聞かれると、たいてい「いいよ。ただ、妻と別れたよ」とか
‘fine’っていっておいて、悲惨だっていう。
例えば、日本人やアメリカ人と話すと、
楽しいときは楽しい、哀しいときは哀しいっていう。
だから、ぼくはデンマーク人とはなすとき、
「何かあった?(what's wrong?)」ってきく。
すると、「仕事がつまらない」とかストレートだから
アンケート調査でNO1なのは、そういう訳だと思う
・今から就職を考えている若者にアドバイスするとしたら何と言いますか?
もし職をみつけたいなら、忍耐強く(be patient)、そして自分を信じること(believe yourself)
今、経済危機後は、どの国も職を見つけるのが難しい。とくに若者には
だから忍耐が必要だけど、同時に「準備」をすることも必要
ただ待っていれば職が見つかるわけじゃない中で、どう努力するのかで可能性は変わると思う
以上。ぴったり1時間で終了!
よほど寂しいのか、アピールなのか
「ガールフレンドがいたら」って単語が頻出するのが特徴
ただ、よく転んで「くそ」って言ってるのを聞くだけに、もどかしさも多いのかも
彼自身話好きで、止まらずmy world展開気味。
ご飯のとき、あまりほかの人といるのを見ないので、、
わかるような、心配なような。
ただ、考えさせられる話を聞けたと思う。
サミー、ありがとうございました!!
(にしても、5719文字。長文だな)
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