ダブル介護の憂鬱

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

パルムを食べながら

2024-05-10 21:34:35 | 日記
疲れました・・・ 疲れたときには甘い物。
パルムを食べながら、書いています。
(ピノではありません。)

母、大動脈瘤の手術を受けることができるかどうかを判断するためのカテーテル検査のため、本日より入院。
夫が車を出してくれて、私と3人で病院へ。
全国からはもとより、海外からも手術を受けるために人が集まって来るという、心臓血管専門のとても有名な病院です。
2年前、大動脈解離でここに救急搬送され一命をとりとめたのは、本当に幸運なことでした。
おかげで術後の経過観察もしていただき、ラッキーなことだと思っています。(紹介状があっても、予約を取るのはなかなか大変だと聞いています。)
そして、2年後の経過観察で動脈瘤が大きくなっている(50㎜)ことがわかり、手術が検討されているというわけです・・・
たぶん、これもラッキーなことのでしょう。
気づかずにいたら、今度は救急搬送されても助からないかもしれません。
ただ、高齢ではあるし、大動脈解離という病歴もあり、果たして手術ができるのかどうか・・・ということが問題になっており・・・その可否の判断材料としてのカテーテル検査なのです。

こぎれいで明るい病室に案内され、ちょっとばかり嬉しそうにも見えた母でしたが、検査を担当される先生からの説明を聞いているうちに目に見えて元気をなくしていきました。
術前の説明って、万が一のことなどについて話がありますよね。
リスクの発生はゼロではありません。0.05%くらいの割合でカクカクシカジカのリスクが発生する可能性があります・・・
などと聞いているうちに、本当に怖くなったみたい。
危険だと思われたら検査は中止するということだから心配しないで。
と言ってはみたものの、すっかり弱気になってしまいました。まずいな・・・
「長生きしたいなんて欲張ってしまって、ごめんなさい」
などと言い出したので、
「欲張ってちょうだい」と言いました。
「お父さんより30分でも長く生きたいから手術するんでしょう?(確かにそう言っていた! お父さんを見送るのが私の務め・・・って)
お母さんの代わりは私はできないから、よろしくお願い」って。

気持ちが揺れ動くのはわかる。
本人以外の人は、何とでも言えると思う。わが身じゃないから。
でも、今は、弱気にならない方がいいと思う。
今回の検査で手術が大変という判断が下されたら、手術をしないで身体をいたわりながら生きていこう。
最初からあきらめるより、ここまではやっておくと、後悔がないのでは?
あ、これも、本人ではないから言えてしまうことかもしれない。

今回の手術に関しては、最初は私も家族も「手術を受けたら?」と勧めてしまっていたのだけれど、母本人が「手術は怖いからイヤ」と固辞したので、それでいいのではないかと一旦は落ち着いたという経緯があります。
「お母さんの身体だし、お母さんの人生だから、お母さんの決めることについて行く」と返事をしたんです。
父にも面会して意見を求めました。父は号泣し、声を振り絞りながら「〇〇〇(母の名前)が嫌だということをさせるのはかわいそうだから、手術はしなくていい。」と言いました。
なのですが・・・「手術はしません」と返事をしに行く前日に(!)、「やっぱりもう少し長生きしたい」と言い出したんです。
「孫の成長も、もう少し見てみたいし・・・」
ほうほう、そうなんだ。じゃあ、お母さんが決めたなら応援するよ。
仕方のないことではありますが、こんなことを言うのは全くひどいとも思いますが、かなり振り回されております。
手術しますと返事をしたあとも、「どうしたらいいのかしら?」と何度も聞いてきます。
「そうねえ・・・お母さんが決めて。決めるのはお母さんよ。」
「あなた、病院の先生みたいなこと言うわね!」(先生は、「手術を提案しているけれど、決めるのは患者さん」とおっしゃいました。)

私が「手術を受けて」と説得して、もし万が一のことがあったら後悔してもしきれません。母に決めてもらわなくちゃ。逃げているのかもしれませんが。ずるいかもしれないけど、決めてもらうのがいいと気がついちゃったんです。

「長生きしたいなんて、勝手に決めてごめんなさいね。あなたたちの意見も聞かずに宣言しちゃって。迷惑かけるのに。」
「勝手に」とか「迷惑」とかは思ってないけど、どんでん返しには確かにびっくりしました。振り回されてもいるね。でもそうやって揺れるのは必然で、揺れながら進んでいくものと感じています。
まっすぐ進めるほど、簡単ではないよね。

母と病院で別れて家に着いたちょうどその時、スマホの着信音がなりました。母から電話。
「勝手に決めてごめんなさいねと〇〇さん(夫の名前)に伝えて」
弱気になったままなのを、何とか励まし電話を切りました。

励ますって無責任ですね。
でも他に何ができるだろう?
自分の人生に向き合えるのは自分しかいないのだ。このことを覚えておこう。

パルムを食べながら、考えました・・・