保証書の期限すぎればそののちは壊れてもよい電気製品

この電車は三宮まで停まりません。パニックとなりし各駅停車 (ああびっくりしたぁ所収)

四ッ谷駅前、謎だった三角形窪地

2020年10月21日 | 日記
四ッ谷駅と聞くと謎の三角形窪地を思い出す。1990年、東京に出張した際、
麹町のホテルに泊まっていた。夜JRで四ッ谷駅に戻り改札を出てホテルに向かおうとすると
左手に三角形の大きな窪地があった。かなり深い。駅前をこんなに掘ってどうするのかと
不思議に思った。掘ったばかりでもなく何にも利用されていない。これが長らく謎だった。

2010年、東京在住経験のある友人に会った時、訊いてみた。彼はホテルニューオータニでの
バイト経験があり辺りに詳しい。しかし知らないという。
私は彼に、駅前にあるやろ駅を出てすぐにと言ったが通じなかった。
いやそんなんしらんの一点張りだ。私は帰宅し、ホテルに通じる麹町口をストリートビューで
確かめてみたが窪地はなかった。次にそれとは逆の場所も確かめたがやはりない。
さては埋められたのかと思っていた。

そうして気になってまた何度も見つけられずにいたのであるがある日、
航空写真を見た時、緑の三角形に気づいた。これか。やっぱりあった。
それは道路を隔てた場所にあった。確かめるとJR四ッ谷駅プラットフォームからは
そこへも出られるのだった。私は地下鉄の出口と思っていた。
やはりあったと大きく安堵した。安堵は大げさだが記憶は正しかったことに満足したのだった。
そしてその窪地が江戸城外堀の一部であることが地図から読み取れた。
掘ったのではなく埋めてないだけだ。いくらか埋めたか知れないが地上までは埋めなかった。
外堀の大きさを知らされた。これは大きな驚きであり発見だった。
しかし駅前の一等地なのにどうして建物を建てて利用しないのか。この疑問は残ったままだった。

2018年の9月、台風が関東に上陸し大きな被害をもたらした。
四ッ谷駅では線路脇の樹木が倒れ快速が不通になった。
朝、四ッ谷見附橋に立っている女性レポーターの後ろに、
線路際の樹木を伐採する作業が映し出されていた。その奥に三角窪地が映っている。
これですべてわかった。三角窪地は上から見ると三角だが、
ただ三角に窪んでいるのではなかった。JRの線路脇まで続いている。

私は1990年当時、改札を出て新宿通りへ出るまでの歩道橋から窪地を眺めたが
窪地がその歩道橋の下まで続いているとは夢にも思っていなかった。
誰が何のためにここを深く掘ったのかというアホ単純な疑問しかなかったのである。

窪地はJRの寄りつきのための用地だろう。思わぬ事で長年の疑問がとけた。
氷解とはこのことだろう。何もかも解けた。
私は今、ヒマラヤ杉をへし折って快速線を止めてくれた台風24号に感謝している。
もし電車が止まらなかったら私の疑問はいまだ続いているはずである。
台風もたまにはええことをする。