有吉佐和子著 非色
もっと早く読んでおけえばよかった。
アメリカの人種差別を扱う小説です。
昨年のアカデミー賞を取った韓国映画「パラサイト」の
日本の戦争花嫁版かな?
このあたりの昭和の小説家は凄いです、昨年は山崎豊子、松本清張、今年は
有吉佐和子と重圧な作品に魅かれる。
この非色は戦後、戦争花嫁が二グロの米兵と結婚しニューヨークのハーレムの半地下のアパートで
暮らす貧困と、人種差別を書いた小説です。
戦後まもなくは確かに東京の片隅の公園なんかにバラック小屋は存在していた。
思い出すと小学校時代クラスの中出来る子が小屋の莚の玄関から出てきた時は
目を背けたことがあった。
あの頃はは朝鮮人の子供たちのもいたね。そこには差別が確かにありました。
この舞台がニューヨークの貧民窟ハーレムで、戦争花嫁が主人公です。
人種の坩堝と言われるアメリカ奴隷制度があった、アメリカンドリームの貧富の格差
どうにもならない貧困、そして人間の差別意識、4人の戦争花嫁の悲劇見事に
書かれている。 今年最高の小説です。