おやじ達の青春夏

団塊世代のおやじ達が過ごした楽しかった青春時代の想い出の数々。

#12★★顔に切り傷が・・・

2013-07-19 | おやじ達の青春夏・エピソード


夏もピークを向かえる頃には、友達も沢山出来た。友達の友達、また、
その友達とか友達の姉さんの彼氏の友達とか、近所の友達の友達等々と・・・。
仲間の輪がどんどん広がりこの家に遊びに来る人が増えてきた。
そして長く此処にいると軟派だけではなくいろいろな楽しみ方も思いつく。

たとえば海岸では数人で油断している友達見付け目で合図を送り
ターゲットを決めそいつを服を着たまま担ぎ上げ海に投げ込むのもその一つ。

家では寝ていると顔や体に落書きをされる。
それもマジックとか口紅、赤チン等でだ。特にマジックは最悪だ。
そんな事が日常茶飯事に行われるので家でもウカウカ寝ていられないし、
海岸では油断すると囲まれ海に投げ込まれる。

ある朝、友達が起きて横に寝ている奴を見て
「あっ、コイツ馬鹿だな~顔に傷痕書かれてやがんの・・・はははぁ~」
「その声にホントかよ~と起き上がり」笑った奴を見て
「あッはっはっはは」
「お前こそ」
「カガミで見て見ろよ」
「メガネを掛けててるぜ~」
「ウソだろ~ほんとに?」
「お互いに顔を見合って笑っている」
二人とも隣同しでお互いに顔に落書きをされていたのだ。
「今日、海に行かれないよ~これじゃ~」
「マジックじゃ~落ちないよ」これ位ではまだマシな方。

朝、起きてトイレに行くとそこで「わぁ~」と悲鳴が・・・。
驚いてトイレから飛び出してくる。
「だれだよ~やったの~」
ちん○○に赤チンを垂らされたのだ。
寝ぼけ眼で真っ赤に染まったムスコを見ては・・・刺激が強すぎたかも・・・。

そしてこんな事をやった奴もいた。
あそこを輪ゴムで巻いたのだ。
気付かれない様に巻くのも簡単ではない。
二人掛かりで片方が支える訳だが手ではさわれないので箸を使って支え、
もう一人が同じく箸を4本使い輪ゴムを巻き付けそれを
そ~~と上から被せ静かに箸を一本づつ抜いて行くと
ハムのようになったウインナーが出来あがるわけだが、
当然、されてる奴は「止めろよ~」と大抵ここで目を覚ます。
周りで見ていた仲間は声を出さずに笑いながら腹を抱えフトンの上を転げまわっている。
まるで修学旅行での夜の旅館のようだ。
当然、女の子は「ヤメナよ」と言いつつ見ない振りをしながらチラ、チラと・・・。
そして、これに使われた箸は翌日の食事で誰が使うのか?
これでも、まだ、マシだ。

当然、家の中には扇風機等は無いので殆どが上半身裸のまま雑魚寝をしている。
朝起きてカガミで顔を見て、そして体を見て何も書かれていないので安心している。
だが周りの皆はバレナイように目線を外し本人に解らないようにニャニャ笑っている。
そして、皆で海に出る。
海岸ではパラソルを広げシートを敷き「さぁ~て、ひと泳ぎして来るか」
「おう、俺も泳いで来るかな」
「俺も行くよ」と皆、なぜか笑い顔。
Tシャツを脱ぎ、海にゴー。
周りにいる人達が後ろ姿を見て笑っている。
それでも本人は気づいていない。
砂浜に残った仲間達は腹を抱えて笑っている。
背中には「ただいま軟派中」とマジックで書かれていたのだ。
それでもまだ、まだ、この程度ではマシ。

海岸で日光浴、仰向けならばまだ救われる。
大抵が背中を焼くのでうつ伏せになる。
すると周りの人が笑いながらも眉をひそめている。
目線が足の裏に・・・そこにはトイレ等で良く見かける落書きが描かれていた。
仲間達は笑っているだけで何処に落書きをされているかは誰も教えたりはしない。
本人が気付かなければ落書きはずぅ~と残る。
恥ずかしィ~~。

よく落書きをされる奴は夜のデートも出来ないで早く寝てしまう奴が良く書かれる。
そして何故か何時も同じ奴が同じ目に合う。

遊んでいても決して油断をしてはいけないと言う教訓だ。
コメント

#11★★暑い夏の寒い夜

2013-07-07 | おやじ達の青春夏・エピソード


寝苦しく熱い夜だった。
この時代、高価な扇風機などのここにある筈は無い。
誰かが「プールに行かない、気持ちよさそうだし」
「え~プールって何処の・・・」
「そこの学校のさ・・・」
「まずくない」
「そ~っと入って静かに泳げば大勝負だろ」
「いいね~俺も行くよ」
「じゃ~俺も」と海水パンツ姿の3人は夜のプールへ・・・
塀をよじ登り金網をこえてそ~~っと水の中に・・・
「うわ~気持ちいい~」まるで水風呂、平泳ぎでスイスイと・・・
「いいなぁ~」慣れて来た私は得意の潜水をと・・・
「25m泳ぎ切れるかな久しぶりだからな~」
海に来ていても水に入る事はめったにないからな~、目的が海水欲では無いし。
それではと潜り泳ぎ始めた。
海とは違いプールは波がないので泳ぎやすいが本来泳ぎは余り得意ではなく平泳ぎで30m位が良い所だ。
向かい側のプールの壁が見えて来た「よ~し泳ぎ切ったぞ・・・」
「壁に手を付き水面に出ると、まぶしい~何だこれ・・・」
「おい、誰に断ってここで泳いでいるんだ」と懐中電灯と三人の人影が・・・
そして、小使いさんらしき人が「駄目だよ勝手に入っちゃ」
「ほら、出て・・・出て」とおまわりさんが・・・まいったな~。
「はい、すみません」上がって回りを見渡すと友達の姿が無い。
どうしたんだろう・・・。
「それじゃ~交番まで来て貰おうか」
「仲間も居たよな」
「いいえ」
「見たよ、逃げて行くのを・・・」
「済みませんもうしませんから、許して下さい」と、
とぼとぼと海水パンツのまま交番へ、寝苦しい熱い夜が鳥肌のたつ寒い夜になった。
「君等、東京からきたのか?」
「はい、埼玉ですけど学校は東京です」
「仲間の名前は・・・それと何処に寝泊まりしている。
「学校名は・・・」
「すみません」
「仲間は?・・・」
「すみません」
「ん~~」
「・・・・・」暫くの沈黙、濡れた海水パンツが冷たく寒い。
「それじゃ~君の名前と住所、学校名を此処に書いて・・・」
「しょ~がないなぁ~、それじゃ~こうしよう仲間を連れて来たら始末書だけで済ませて、
学校にも親にも知らせないから、どうだ・・・」
「解りました」
「もしも、このまま戻って来なかったら君の親に知らせるからね」
「いいね」
「はい、解りました」と交番を後にとぼとぼと・・・
誰かに見られたらかっこ悪いな・・・
あいつら人を置いてきぼりにして・・・
なんで知らせてくれなかったろうと・・・
なんて言って連れて来ようかと考えながら家に近づくと
中から大きな笑い声「ミナミハラがさ~」
「アイツ大丈夫かな」
「潜るからいけないだよナァ~」
「ただいま~」
「オゥ~どうした?ミナミハラ大丈夫だった」
「お前らずるいよ!逃げるまえに教えてくれよ~」
「無理だよ、だってお前、潜ってたから・・・」
「許してくれたんだ?」
「まぁ~ね、お前達を交番に連れていけばね」
「え~俺達が・・・嫌だよ!」
「頼むよ始末書だけ書けば、学校にも家にも知らせないって言っているしさ・・・頼むよ」
「今度、トンピロのとんかつおごるからかさ~」
日頃、少ない小遣いでやり繰りをしているので、食べ物には弱い。
「解ったよ、しようが無いな~」
コメント

#10★★銀行に行くと言ったまま・・・

2013-07-07 | おやじ達の青春夏・エピソード


朝早くまだ皆寝ている所へ、
庭先で「ごめん下さい、ごめん下さい、タケウチですが!」
「内のケンジはいますか?」家には7、8人が寝ていたが、その声に飛び起きた。
「おやじさんが来たんだ。オタケの・・・」
オタケは飛び起き風呂場に隠れた。
「居無いって言ってくれよ、まずいから・・・」
「は~ぃ~」
「アッ、どうもお早う御座居ます。オタケですか来てませんけど・・・」
「あ~そうですか先日、店の釣銭の両替をしに銀行へ行くと言って、お金を持ったまま帰らないんですけど・・・」
「友達に聞いたらここに居るんではと言っていたもので・・・」
「そうですか・・・僕等、暫く会ってはいないですけれど・・・」
「そうですか・・・もし、来ましたら家に帰るように言って下さい」
「はい、分かりました」
暫くして「オタケ~親父さん帰ったよ~」
コメント

#09★★サァ~いよいよ夏休み・・・

2013-07-07 | おやじ達の青春夏・エピソード


期末試験が終わり終業式までの数日間を使って
借りている海の家に事前に集めておいた生活用品を運び込む準備を・・・
夏が終わって、また持ち帰るのも面倒なので、
家で使わない物や無くなっても良いような鍋、窯、食器類を集めた。
車のない我々は、親に頼む訳にも行かないので
知り合いのクリーニング屋のお兄さんにお金を払ってスバルサンバーで運んでもらう事にした。
寝具はかさばるので三つ折りの薄いマットレスを数枚、現地にて購入する事になった。

友達内では何時から行くの?
何日間行くの?誰と行くの?
と海の話で持ち切りだ。
親には前々から友達の別荘に誘われているので行くからと告げて置いた。
終業式が終わった。いよいよ待ちに待ったこの日が来た。
明日から行くメンバーは6人、後は立ち替わり入れ替わりだ。
期待に胸を膨らませ、いざ館山に・・・。
列車もがらがら、駅もがら~~ん、
「なんだよこれ~」
「女の子いるのかな?」
家に着き海水パンツに着替え、サァ~海へ.・・・・
がら~んとした海岸、
平日の木曜のせいで人がまばらだった。
しかたなく今日は泳いで日光欲を・・・。
コメント

#08★★1965年・5月の連休に・・・・

2013-07-03 | おやじ達の青春夏・エピソード

連休を利用して千葉県館山に行く為に
両国駅でツボイ、ニシド、オダと待ち合わせをした。
コットンパンツにボタンダウンのシャツ、靴はペニーローファー、
髪は7、3に分けたアイビーカットとメンズクラブや
平凡パンチから抜け出てきたようなファッションに身を固めた4人の目的は
一夏を過ごす為の家を探し、そして借りる為に集まった有志達だ。
ツボイとオダは同じ学校だが、ニシドは同学年でオダの幼友達だ。

車内では今までに何度となく話をした去年の夏の体験談が再び盛り上がった。
「ほんとに女の子が沢山いるのかよ」
「いるよ、何せ女子学生達の話では館山は女の天国って言われていて、
夜、海岸通りを歩いていると後ろから次から次へと車が止まって
声を掛けられ誘われるって言っているし、去年も随分見たよ」
「でも、男も多いって事だろ~」
「そりゃ女が多いから男が集まるんじゃないの」
「ただね、男の人は大学生が多いからね」
「俺達、高校生でも大丈夫かな~」
「女の子は高校生位の娘も結構いたよ」
「俺も女の子を誘いなよって言われたけれど、なんて言っていいのか、
何の話をするのか、何処へ誘うのか考えている内に通り過ぎちやうんだよね」
「だから、思い切って声を掛けちゃった方が良い見たい」と少ない経験からのアドバイス。
「俺達もうまく声掛けられるかな?」

後2カ月と少しで向かえる夏休みへの期待で話は盛り上がった。

駅前は連休の為かシーズン前にも関わらず人が多い。
早速、駅前の観光案内所に・・・
高校1年だと多分、借りられないから3年でクラブの合宿って事にしておこうと
列車の中で打ち合わせをしておいた。
貸家のリストを見せて貰った。
海から歩いて10から15分位の距離で何軒かの家を見付け下見に出かけた。
そして、3人を案内して、駅前を右に・・・まずは海岸に向かった・・・途中、
渚銀座前を通り、去年、エイゾウが居候していた家の近くを過ぎ、海に・・・北条海岸だ。
右に曲がると直に右側にキャンプストアだ。
無論、お店はまだ開いていない。
「ここがキャンストって言う海の家で大学生の女の人達がウエイトレスをやっているんだよ」
その先に思い出のブランコが・・・
あの時のお姉さんのコロンの香りを思い出した。
1件目の家は目の前に家があって此方側が丸見えなので駄目と・・・。
2件目は庭が有って縁側も付いている。
周りには垣根や木が有るので外からは見えにくい。
玄関から奥に6畳の部屋左側に台所と6畳間の隣に8畳、
奥にトイレと風呂が前に縁側、部屋からは庭が見えていて中々良い。
最後の1件は周りに家が密集しているのでこれも駄目となった。
結局は全員一致で2件目に決まった。
帰りの車内で部屋を使う為のルールを考えた。
まずは友達に声を掛けて遊びに来るように誘う。
泊るに人には食べ物、米とかの差し入れをしてもらうか幾らかの宿泊費を貰う。
これを自分達の生活、食費等に廻すのだ。

コメント

#07★★夏が終わって・・・

2013-07-03 | おやじ達の青春夏・エピソード

新学期が始まった。
学校は私立で中学、高校と6年生の男子校なので共学に比べて女性への関心度はより高い。
この夏の体験談を同級生に聞かせた。皆、興味津々で聞き入っている。
「こんな楽しい事をして大学生の人達は夏を楽しんでんだぜ、俺達もやらないか?」
「皆でお金を出し合ってさ~、海に家を一夏借りるんだけど・・・」
「参加しない?」
「女の子に声かけたりして・・・」
「来年の夏、楽しもうよ」
「楽しいぜ~」と話を持ちかけた。
そして数ヵ月、十数人の仲間が集まった。
タカハシとフミオは雑魚寝が気に入らず不参加だったが、借りたら遊びには行くとは言っていた。
コメント