夏もピークを向かえる頃には、友達も沢山出来た。友達の友達、また、
その友達とか友達の姉さんの彼氏の友達とか、近所の友達の友達等々と・・・。
仲間の輪がどんどん広がりこの家に遊びに来る人が増えてきた。
そして長く此処にいると軟派だけではなくいろいろな楽しみ方も思いつく。
たとえば海岸では数人で油断している友達見付け目で合図を送り
ターゲットを決めそいつを服を着たまま担ぎ上げ海に投げ込むのもその一つ。
家では寝ていると顔や体に落書きをされる。
それもマジックとか口紅、赤チン等でだ。特にマジックは最悪だ。
そんな事が日常茶飯事に行われるので家でもウカウカ寝ていられないし、
海岸では油断すると囲まれ海に投げ込まれる。
ある朝、友達が起きて横に寝ている奴を見て
「あっ、コイツ馬鹿だな~顔に傷痕書かれてやがんの・・・はははぁ~」
「その声にホントかよ~と起き上がり」笑った奴を見て
「あッはっはっはは」
「お前こそ」
「カガミで見て見ろよ」
「メガネを掛けててるぜ~」
「ウソだろ~ほんとに?」
「お互いに顔を見合って笑っている」
二人とも隣同しでお互いに顔に落書きをされていたのだ。
「今日、海に行かれないよ~これじゃ~」
「マジックじゃ~落ちないよ」これ位ではまだマシな方。
朝、起きてトイレに行くとそこで「わぁ~」と悲鳴が・・・。
驚いてトイレから飛び出してくる。
「だれだよ~やったの~」
ちん○○に赤チンを垂らされたのだ。
寝ぼけ眼で真っ赤に染まったムスコを見ては・・・刺激が強すぎたかも・・・。
そしてこんな事をやった奴もいた。
あそこを輪ゴムで巻いたのだ。
気付かれない様に巻くのも簡単ではない。
二人掛かりで片方が支える訳だが手ではさわれないので箸を使って支え、
もう一人が同じく箸を4本使い輪ゴムを巻き付けそれを
そ~~と上から被せ静かに箸を一本づつ抜いて行くと
ハムのようになったウインナーが出来あがるわけだが、
当然、されてる奴は「止めろよ~」と大抵ここで目を覚ます。
周りで見ていた仲間は声を出さずに笑いながら腹を抱えフトンの上を転げまわっている。
まるで修学旅行での夜の旅館のようだ。
当然、女の子は「ヤメナよ」と言いつつ見ない振りをしながらチラ、チラと・・・。
そして、これに使われた箸は翌日の食事で誰が使うのか?
これでも、まだ、マシだ。
当然、家の中には扇風機等は無いので殆どが上半身裸のまま雑魚寝をしている。
朝起きてカガミで顔を見て、そして体を見て何も書かれていないので安心している。
だが周りの皆はバレナイように目線を外し本人に解らないようにニャニャ笑っている。
そして、皆で海に出る。
海岸ではパラソルを広げシートを敷き「さぁ~て、ひと泳ぎして来るか」
「おう、俺も泳いで来るかな」
「俺も行くよ」と皆、なぜか笑い顔。
Tシャツを脱ぎ、海にゴー。
周りにいる人達が後ろ姿を見て笑っている。
それでも本人は気づいていない。
砂浜に残った仲間達は腹を抱えて笑っている。
背中には「ただいま軟派中」とマジックで書かれていたのだ。
それでもまだ、まだ、この程度ではマシ。
海岸で日光浴、仰向けならばまだ救われる。
大抵が背中を焼くのでうつ伏せになる。
すると周りの人が笑いながらも眉をひそめている。
目線が足の裏に・・・そこにはトイレ等で良く見かける落書きが描かれていた。
仲間達は笑っているだけで何処に落書きをされているかは誰も教えたりはしない。
本人が気付かなければ落書きはずぅ~と残る。
恥ずかしィ~~。
よく落書きをされる奴は夜のデートも出来ないで早く寝てしまう奴が良く書かれる。
そして何故か何時も同じ奴が同じ目に合う。
遊んでいても決して油断をしてはいけないと言う教訓だ。