おやじ達の青春夏

団塊世代のおやじ達が過ごした楽しかった青春時代の想い出の数々。

#17★★顔に畳の目地がクッキリと・・・

2013-08-31 | おやじ達の青春夏・エピソード
ある日の朝
「ブタマツ~・・・お前、また女の子・・・出来ないの?」
「何で知ってるの?」
「だって顔に畳の痕が残っているよ!」
「ほんとに~」
「お前、ここん所、何時もじゃない」
「そう言うなよ」
「チーターにテクニックを伝授して貰えば?」
「一緒に行って声を掛けてもチーターは上手く行くけど俺の方は駄目になっちゃうんだよね」
「俺だって、別に好きで畳で寝ている訳じゃないし・・・俺も布団の上で寝たいよ~」
友達が増えて来ると足りなくなるのが敷き布団代わりに使う三つ折りの薄いマット、
普通は立て長に敷いて使う物だが数が少ないので横に敷いて上半身を当てて多い時には一枚を3人で使う。
何時の間にか出来たルールで、このマットには使える優先順位があって、
一番の優先権は女の子で一人で一枚使う事が出来る。
次に権利があるのがその女の子連れてきた男にある。
したがって女の子に縁の無い奴はマット無しで、畳の上に寝る事になるのだ。
「冷たくて気持ち良いよ」
なんて言い訳する奴もいる。
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#16★★さすがチーター

2013-08-18 | おやじ達の青春夏・エピソード
友達の輪がどんどんと広がっていった。
グループを大きく分けると年上の大森組がオタケを中心に
モリ君、ヨッちゃん、コバヤシ君、サトウ君、チーター、マサ達、
そして同世代で向島方面のオダとマコトを中心とした
テラサワ、ツネ、タケダ、アジカ、オキヤマ、イシカワ、ケイリン等々の向島組、
それに同じ高校の同級生で湯島のフミオ、世田谷のタカハシ、
草加のワタシ、築地のツボイ、江戸川橋のジョウスケ、練馬のチル、池袋のブタマツに、
そしてイトウ、アラキ、サエキ等々のメンバー。
この中でもまず軟派に掛けては「チーター」の右に出る者はいない。
チーターとはニックネームで本名はフナエ。
ニックネームの如く背が高く、足が長く、顔が小さくて
外観はちょうどアンソニー・パーキンスに似た感じだ。
ただし顔は似ていない。
けして二枚目ではないが頭の回転が速く会話が面白く
冗談がポンポンと出てきて相手を楽しませるのが上手い。
そんな彼を嫌う仲間はいない。
そして狙った獲物は絶対逃がさないと言う男だ。
例えば海岸で女の子を探している時に、砂浜で日光浴をしている良い子がいたとする。
しかし隣には彼氏らしき男が・・・。
普通は此処で諦めるのが当たり前だが、チーターは違う。
「あれ~○○チャン」「どうしたの?」「何時来たの?」と言いながら近づき
女の子を挟むように彼氏の反対側に座り込む。
隣にいた男も何の事か解らず取りあえず何も口は出さない。
「元気だった?」
「俺だよ、俺」
「忘れちゃったの?」
「チーターだよ」
女の子は「私、違いますけど」
「え~嘘○○チャンじゃ無いの?」
「それじゃ~妹さんかお姉さん?」
「ねぇ~、ミナミハラ○○チャンに似てるよね?」
「そうだね」と此方も話を合わせる。
「私、一人っ子で姉妹は居ないですよ」
「そうなんだ」
「久しぶりに○○チャンに会えたと思って喜んだのに残念だな~」
「桟橋よりの方にパラソルが3つ立っているでしょ、あそこに居る友達も皆、○○ちゃんには会いたがって居たのに~」「残念だな~」
と言いながら小さな声で「後でおいでよ」と言って立ち上がり
「ごめんね、間違えて」
「よ~く見ると○○チャンより綺麗だね!」
綺麗だねと言われて隣にいた彼氏も悪い気はしないので、何も言わずに笑っている。
しっかりと褒めて、後で会える場所と一度聴いたら忘れない名「チーター」をちゃんと伝えている。
大抵は男と一緒にいる女の子には声は掛けないが、チーターは違う度胸もあるのだ。
絶妙なタイミングと引き際を心えていて、この手で何度も女の子が訪ねて来るのを見ている。
この時もこの女の子は1時間位後に何気なく我々のパラソルの近くを歩いていた。
それを見たチーターはすかさず「此処だよ、ここ」と呼ぶと
「いいえ、アイスクリームを買いに行く所で・・・」
「そうなんだ、ジャー俺も行くよ」と一緒に・・・。
アイスクリームを買いに行くならわざわざ此方側を歩かなくても
道路の方を歩いた方が近いのに、わざわざ遠周りしてチーターの気を引いているのが分かる。
後で聞いたら、一緒にいた男は彼氏ではなく軟派されてしっこく誘われていた所で、
タイミング良くチーターが表れて良かったらしい。

間違えて声を掛ける手は私も何度も使わせて貰った。ただ、男がいる時は避けている。
度胸がそこまで座っていないから・・・・。

海岸に出ると10時ごろから夕方まではいる。
その間に海辺を端から端まで何往復するやら。
女の子を見付けると声を掛けるが、上手くいかなかったりするのは当たり前で、
それに自分には合わなさそうな娘には声は掛けない。
当然、仲間も多いので他の友達が同じ娘に声を掛ける事も多々ある。
上手く行くと自分達のパラソルの下に連れて来ては皆に紹介し仲間との会話を楽しむ訳だが、
友達が誘って駄目だったのに自分が声を掛けたらOKだったりする事もあるわけで、
そんな時は優越感に浸れるのだ。
チーターが連れて来た娘には劣等感を味あわせて貰った仲間は多い。
「おい、あの子さっき軟派したらシカトされた子だぜ」
「お前もなの、俺も声かけたらさ~今、用があるからって断られたよ」
「俺なんか待ち合わせしているって言われたよ」
「チーターには負けたよ~」
「何時も参るね」
女の子も仲間の顔を見て気まずそうな顔をしている。
「ごめんなさい」だってさ~。
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#15★★免許・・・車が・・・・

2013-08-16 | おやじ達の青春夏・エピソード
夜のなると軟派は難しくなる。
昼間の海岸ならば車がなくても声をかけて知り会えるが、
夜となるとそうはいかない海岸通りには車に乗った大学生達が連ねている。
女の子を見れば次から次と車が入れ替わり立ち代わり声を掛けている。
車の無い我々にはチャンスなど殆ど無いに等しい。
軽免許を持っている奴もいたが、車を持ち込んで海に長期間滞在するのはまだ無理な歳だった。
特に私は夏休み前に軽免許を取ろうと教習所に行っていたが取る前に夏休みが始まってしまったので、
教習所に行くのを止めてしまい親を怒らせてしまったのだ。
そんな訳で高校生の我々が車に乗ってお金も自由に使える
カッコいい大学生のお兄さん達に太刀打ちするには会話しかないのだが、
楽しい会話をするにも経験不足でなかなか思ったようにはいかないのが現状だった。
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#14★★嫌な奴らが・・・

2013-08-04 | おやじ達の青春夏・エピソード
今日は昼間、2組に声を掛けたが上手く行かなかった。
海水欲の人達が帰り始める頃、
海岸通りでいつものように女の子を探しながら3人でぶらぶらと歩いていると、
「あっ、まずい!」とオタケが・・・
すると前から「お~ぃ、タケウチ!」
ゴツイ顔した怖そうな3人連れのお兄さん達、学生では無さそうでテキヤの様な風体。
「あっ、00さん!」我々より年上のオタケがさん付けと言う事は更に年上?
「よぉ、お前、最近見ないな」
「此処で何してんだよ!」と我々3人を見据えた。
「はぃ友達と泳ぎに・・・この人達は地元の先輩で・・・」と気まずそうに我々に紹介した
「こんにちは」
オタケは同級生、フミオのお姉さんの彼氏の友達で元々は硬派だったが、
この夏、我々軟派の楽しい遊びにあこがれ・・・最近、我々と行動を共にするようになった。
この三人連れはその硬派時代の知り合いのようだった。
「お前なんか前と雰囲気が違うな!軟派見たいじゃねえか・・・お前、何処に泊っているんだよ」
「ヤサは何処だよ!」
「この友達の所に・・・」
「へぇ~、ちょっと遊びに行っても良いかよ」と言いながら我々を見渡した。
「00さん勘弁して下さいよ」
「何が勘弁だよ!ちょっと遊びにって言っているだけだろ」
「少し休んだら帰るからよ」
「頼むよ、タケウチ」
「なぁ~良いよな!」と我々を見据えた。
暫く沈黙が続いた。
オタケが「悪いな、時期に帰って貰うからサァ~ちょっとだけ連れて行っても良い?」
まずいこのままでは・・・かと言ってお竹の事を考えると逃げる訳にもいかないし・・・。
「連れて行けよ!」
「しかた無いね」とオタケにそっと伝えた。
しかたなくチンピラ達を家に連れて行く事になった。
家には友達が5人いた。
男が3人と女の子が2人、我々の3人を加えて男6人、
その気になれば6対3なので、いくら喧嘩なれした奴らでも行けばどうにかなると考えていた。
オタケも同じ事を思っていたらしい。
多勢に無勢、人数が多いのを見てさっさと引き上げてくれれば良いが・・・歩きがてら、
新たな不安が家にいる2人の女の子が心配だ。
万一の事が無ければいいが・・・。
連れていくのはまずいかも知れないと思ったが事は既に遅く・・・家に・・・。
かぼそい声で「ただいま~」。
家の中からはラジオのFENからアニマルズの「朝日のあたる家」が流れていた。
すると中から00ちゃんが明るい声で「お帰へりなさい!良い子いた?」。
女・・・それどころじゃないよ・・・嫌な男が引っかかったよと心の中でつぶやいた。
「あら、お友達。今日は~」と俺たちの気も知らないで明るい声でお出迎え。
すると怖いお兄さん達のリーダーらしき奴が「こんにちは~」と
今までとは打って違って上ずった高い声で返事を・・・。
我々は思わず顔を見合わせ笑い出しそうになったが、状況を考えるとそうはいかなかった。
家の中にいた友達も「こんにちは~」と挨拶を・・・。
すると00子が「ド~ゾド~ゾ」と家に招き入れている。
思わず目で合図を送り、首を小さく横に振った。
この娘達は誰かが軟派した娘で、友達と二人で民宿に泊まり2日前から此処に出入りしている。
状況判断に掛けているこう言うタイプが危ない。
男が6人も居るのに奴らは動じない、相当喧嘩慣れしているのか・・・。
00子以外の4人は何と無く何時もと違う我々に何か察しがついているようだった。
「ねぇ~モク無い、あッタバコ持ってる?」と言いながら縁側に座った。
何か感じが違う。
女が居るせいか言葉使いが優しい・・・。
「はぃ、ありますよ」とツボイがポケットからタバコを差し出しジッポーで火まで付けていた。
「かっこ良いな~君ら・・・」
「皆、軟派なんだ、もてるんだろうね?」
すると00子が「そうなんですよ皆すごいですよ軟派師で・・・女の子に声ばっかり掛けて・・・」
うわ~余計な事を・・・まだ状況がわかってないらしい。
「音楽もよ俺達が聞く演歌とは違うし・・・な」
「良いよな」と仲間に・・・8人もいて何も出来ないなんて・・・。
お竹が何とか言ってくれないと・・・お竹に近づきそっと「やる」と言いながら拳を握ぎって見せた。
「いやまずいよ」と首を横に振りながら
「あいつら地元だし、後で何されるか解らないから・・・悪いな・・・」
リーダーらしき男が「君さ~そう言う頭ってなんて言うの?」と
短めの髪を7・3に分けてバイタリスで整えたツボイの髪を指さした。
「これですか?」と自分の頭を指さしながら
「アイビーカットって言います」
「僕もさ~」
俺じゃ無くて僕だって・・・と心の中でつぶやいた。
「そういう頭にしたら俺も軟派できるかな~お前らどう思う」
「あっ、君等どう思う?」と仲間に向かって聞いた。
「はぃ、良いんじゃないすか」
「君さ~チョットやって見てよ、ポマードも付けてさ~分けてよ~」
と言いながら縁側から家に上がり込んできた。
ポマードだってオヤジじゃあるまいし、こいつら何考えてるんだ。
ツボイが角刈りの髪に整髪料を付けてドライャーをかけ短すぎる毛を無理に分けた。
出来あがった頭をしみじみと見据えて「いいね~」すると
00子までが「カッコいい」
余計な事を言って・・・まだ、状況が解っていないらしい、
ダボシャツのテキヤファッションに長いもみあげ、頭だけが7・3のアイビーカット。
変なの笑っちゃうよ、顔がいいならまだしもと心の中で呟いた。
「どう?良い!」と我々に・・・
「良いんじゃないですか?」とブタマツが・・・「そう!」と似合わない笑顔で答えた。
なんか取り言って仲間に入ろうとしているようだ。
この手の男達は絶対油断が出来ないチョット気をゆるすと直ぐに付け入ってくる。
「シャツが合わないわぁ~」と00子が笑いながら言うと・・・
「これじゃー可笑しい?」
「じゃ、お前、あっ君、君のシャツ、チョット貸してよ」
こいつら女の子に取り入ろうとしてる。
「何かさ~喉が渇いてんだけど何か飲む物無い!」
と勝手に冷蔵庫を開けて新発売された「サントリーの純生」を取り出した。
小使いの少ない我々が夜の為に割り勘で買いこんでいた貴重なビールを取り出し
「君らも飲む?」と我々を見渡した。
「いや、良いです」こんな奴らと酒なんか飲んでる時間が勿体ない。
さっさと帰れと心の中で・・・。
お前達も飲めよと仲間に配っている。
リーダーが「後で買って来るからな・・・」
外のセミの鳴き声がやけにうるさく聞こえた。
なんだかんだと重苦しい雰囲気の中「ボ~ン、ボ~ン、ボ~ン」と柱時計が7時を指していた。
既に3時間を過ぎようとしている。
何時ならポータブルプレイャーで聞くレコードと楽しい会話で盛り上がっている筈だが・・・
こいつ等のせいで、聞こえる音楽が空しい
「いつまで~も いつまでも~ 思いつづけるいつまでも」
「他にレコードないの「網走番外地」とか「骨まで愛して」とかは・・・」
そんな曲有るわけね~だろうと心で・・・。
それとなく女性達に近寄りそっと
「何か用を作ってこの家から出てミコさんの所に行ってな」
「このままじゃ危ないから・・・呼びに行くまで戻らないほうが良い」と耳打ちした。
00子も時間が経つにつれて様子が解ったようだった。
暫くして「00チャンと夕ご飯のおかずを買いに行ってくるから」といって二人で家を出た。
それから暫くしてマコトが「僕、約束、待ち合わせをしているからちょっと行ってくる」と言うと
、女達が居無い事もあって「お前は駄目だよ」と今までの優しい言葉使いが凄みのある声に変わった。
「竹内よ~、暫く厄介になって良いだろ!」
「いいや、まずいですよ、勘弁して下さいよ」
「俺一人で借りてる訳じゃないので、皆に悪いし・・・」
「じゃー皆が良いって言ったら良いんだな・・・」
「そう言う訳じゃ無いですけど」
「じゃ何だよ」
「・・・・・・・」お竹は黙って目を伏せていた。
するとごつい顔をした体のでかい髪を7・3に分けたリーダーが
「おい、お前チョット来いよ」とツボイを指名して庭に連れだした。
仲間の2人は我々4人を見据え身構えた。
まずい・・・これは・・・誰もがそう感じたようだった。
ひときわお竹の顔が強張った。
「先輩、殴るなら俺だけにして下さいよ」
「友達には手を出さないで下さいよ」
「頼みますよ」と言った。
一瞬皆の顔も緊張した様子だった。
外に出ると縁側に立て掛けて置いたパラソルの先の尖った下部分のポール手にした。
不利な分道具を使うのか。
まずい。
やるのか。
「話をするだけだよ」と言う言葉に緊張が解れた。
庭先での話声が聞こえる。
「お前よ~俺達が此処に居るのどう思う、頭も同じだしさ仲間に入れてよ」
と言いながら何度も尖ったポール先端部分を地面に刺しながら聞いている。
これは話じゃない脅迫だ。
卑怯な奴だ。
あんな物で遣られたらたまったものじゃない。
「皆が良いなら、僕は構わないですけど・・・」
「あそぅ、お前、良い奴だな~」
次々順番に全員が呼び出され同じ事を聞かれていた。
答えは皆同じ・・・それ以外に答えが無い。
俺の時は何て返事しよう一人だけ嫌だとは言える自信もないし、
あんなポールで殴られたらたまったもんじゃないし。
過去に何度かカツアゲや脅し等も経験しているが、それはお金を渡せば済んだり、
周囲に人がいたのでこの場合とは状況が違う。
いよいよ最後。
自分の番だ。
同じように庭に呼び出された。
うつむき加減で前に立つと、凄みの有る声で「お前は、どぅ」と言いながら
ポールの先端を地面に「ドスッ、ドスッ、ドスッ」怖い、
聞こえていたのとは違い目の前で聞くコイツの声、凄い恐怖感、顔を直視出来なかった。
同じ事を言うしかないと決めていたので、うつむいていた顔を上げリーダー顔を見据え
「皆が・・・」なんて顔だ、
ごつい顔にキチット分け目の付いた髪、まるでカツラが乗っているようだった。
凄みのある声と顔とがアンバランスだ。
一瞬、言葉がつまった。吹き出しそうなので顔から眼を反らした。じっとこらえて「少しなら良いと思います」と答えた。
「みんな良いって言ってくれたから、すこしの間面倒見てくれよな~」
「頼むな!明日は一緒に軟派しょうぜ」フザケンなよ、
お前見たいのがいたら女が寄り付くどころか逃げ出すよ。
「タンベね~か?」既にツボイのタバコは全部無くなっていた。
私は持ってはいたがこんな奴らにやる事は無いと思い「持って無いです」と答えた。
「僕、買って来ましょうか?」良いよ良いよと仲間の一人を呼んだ。
「お前、チョット行って取って来いよ」と言った。
取って来いよって何だ。カッパライに行くのか?「はい」と言って出て行った。
すると時期に帰って来て手にしているタバコをリーダーに渡した。
お前達もいると聞きながらタバコを差し出されたタバコを見ると
封が開いていて既に3分の1ぐらいは無かった。
何だろうこのタバコは如何したのだろうか?
どうやら通行人を脅して持って来たらしい・・・。
こんな奴らと付き合って入られない。
そっとお竹に近寄り「どうする?」と再び問いかけた。
「もっと友達を呼んで来ようか」
しかしあんなポールで喧嘩などして誰かが怪我でもしたらたまったもんじゃ無い。
「誰か喧嘩にならない相手に頼んで助けて貰おうか?」
「誰に?」どうも喧嘩なれしていない我々は軟派のコツは知っているが喧嘩のコツは解らない。
更に2時間が経過し腹も空いて来た。
「警察に・・・」この借家には電話は外してあって付いていない。
あったとしても奴らを前にして助けてなんて電話は掛けられないし。
ましてやこの状態じゃ外にも出られないし。
と考えていたその時、玄関先で「ただいま~」と言う女の声。
お使いに行った○○子達のようだ」
「馬鹿だな~帰って来るなって言ったのに・・・。
すると○○子の後ろから「こんばんは」と言う太い男の声。
○○子が「どうぞ上がって下さい」と言うと、
「あ~有難う」と言いながら部屋に入って来た。
でかい、誰だろう。背が高く体格がよくて石原裕次郎の髪を短くしたような感じの人だ、見た事がない。
皆が「こんばんは」と挨拶をした。
「あ~こんばんは、よろしく」
「さっき、ミコの所へ行ったらね、この子達がいて家に帰ると言うのでミコに頼まれて送って来たわけで、
俺は日大応援団の団長をやっているヤマキって言うんだ」
「よろしく」
「此方こそよろしくお願いします」
「今、団員23人で海岸で合宿中で、何か君等が困っているって聞いたけど?どうしたんだ」
「何か上がり込んでいる奴らが居るそうだが・・・」
カッコいい~、俺達6人もいるのに、たった一人で・・・。
「どいつなんだ」
「お前らか?」と強い口調。
「いいえ、僕等は今帰る所ですけど」と、すなおになっていつの間にか正座している。
えらい変わりようだ。
「それと、オタケって誰?」
「はい、僕ですけど?」
「ミコに頼まれたんだけどね」
「俺達は海岸のキャンプ場で暫く合宿しているから何かあったら何時でも来なさい」
「いいね」
「はい、有難うございます」
「所で、お前ら帰る所だって言ってたけど何してんだよ」
「用が無けりゃさっさと帰りな!」
「はい、それじゃー」
「おい、おい」
「それじゃ~じゃ無いだろう」
「他に言う事は無いのかよ!」
「あっ、はい、どうもお邪魔しました」
なんて事はない自分より強そうだとへいこらしていやがる。
まァ~良かった良かった、
以外にもあっけない幕切れだった。
後で聞いたらヤマキさんはフミオの姉さんのボーイフレンドで一緒に海に遊びに来ていたらしい。
それに日大の大学生だが応援団でも何でも無く知り会いがいる程度だとの事だった。
凄い根性だ。
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#13★★ア~腹へった~

2013-08-04 | おやじ達の青春夏・エピソード
長く海に居ると当然小遣いが無くなってくる。
家に電話をして仕送りをして貰う奴や、小遣いをせびりに一端、家に帰る奴もいる。
「早く仕送り届かないかな~」
「俺もまだ届かないよ、お袋なにやってんだろう」
「もう届く頃だけどな~」
友達が泊りに来ればオカズを買う位は出来るが、最近、誰も来ていない。
米は有るがオカズが・・・。
腹を空かした5人。
「誰かにお金借りて来ようか?」
「誰かいるの?」
「んんん・・・」
「俺はいいや!○○ちゃんの所へ行って飯おごって貰うから」
「いいな~お前」
「それじゃ~俺達は納豆と生卵が1ッづつ有るからジャンケンで決めようか?」とひもじい話。
「負けた奴はご飯だけかよ」
「何も無いよりはマシだろ」
「よ~し、納豆なら俺に任せろ」とオダが・・・。
「オカズは俺が作るからさマコト飯を焚けよ!」
「納豆はね。こうゆう風にかき混ぜると上手いんだよ」
何を作るのかと思えば何て事は無い。納豆に卵を入れてかき混ぜて醤油を多めに入れるだけの事。
勿論、ネギ等は無い。
出来たぞ、4人分のオカズが・・・。
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