おやじ達の青春夏

団塊世代のおやじ達が過ごした楽しかった青春時代の想い出の数々。

#28★★二股が・・・三股が・・・

2013-11-26 | おやじ達の青春夏・エピソード
南青山のブルーマウンテン、
通称ブルマン青山通りに面したガラス張りのお洒落なカフェ。
今回、時々待ち合わせ等で利用しているこの店で
夏に知り会った友達やその友達を集めてパーティを開く事になった。
Pabo Club親睦会。
店内はヨンパチよりも広く60から70人位は入る。
以前に、この店でヨンパチのように学校の友達を集めてパーティを開いたが
思うように女の子が集まらずに失敗した事がある。
数人で表参道から原宿の駅まで行って声をかけたが駄目だった。
ここは銀座とは違っていて用もなくブラブラしている人が少なく
待ち合わせが有るとか
帰る所だとか
買い物途中だからと、
なんらかの目的をもっている人が多くパーティは散々だった事があった。
それ以来、ここでのパーティは知り合い同士の昼間のパーティにする事になった。
2カ月前から進めて来た今回のパーティは
皆で手分けをして誘いまくった事と夏が終わった後の再会なので大盛況だ。
店に入り切れない程集まった。
「ミナミハラ君、こんにちは!」
後ろから呼ぶ声が・・・
振り返ると・・・
そこには・・・
マズイ・・・
「あれ・・・ケイコちゃん・・・誰と来たの?」
「サトミと・・・」
「妹の?」
「そう」
「二人で・・・?」
「ううんナナモリ君と一緒に・・・」
「ナナモリが・・・?」
「そうサトミがナナモリ君に誘われてね、そしたらサトミが一緒に行こう言うから付いて来たの?」
「あっ、そうなんだ」
まいった、ナナモリの奴いつの間に妹と付き合っていたんだ。
今日は他の女の子を連れて来ているので見つからないようにしないと・・・。
「ごめんね、誘わなくて・・・」
「主催しているから忙しいので誘わなかったんだ」
と苦しい言い訳を・・・
まいった・・・
ばれなきゃ良いけど・・・。
店内ではサンドイッチや飲み物の追加の催促で大忙しだ。
海で見るのとは大違いで男も女の子も見違える程お洒落をして来ている。
話も盛り上がり、あの子もこの子も来ている。
夏に知り合った女の子達が皆、集まったみたいだ。
あれ・・・あれはヒトミさんだ・・・まずい・・・どうしょう。
目線を外そうとしたが・・・
合ってしまった・・・
まずい・・・
又かよ・・・
今日は付いて無いなぁ。
とぼけて「来てたの?」
「だって、貴方が誘ってくれないから・・・」
「ううん・・・」
すると隣にいたミホさんが
「ヒトミがね、ヤッちんが誘ってくれないから行かないって言っていたけれど無理やり連れて来たのよ」
「あっ、ミホさん久しぶり!タカハシは?」
「飲み物を取りに行ってる」
「ごめんね、今日は幹事だからさ~ゆっくり話も出来ないと思って誘わなかったんだよ・・・ごめんね!」
さすがに今日は参った友達同志を集めたパ-ティは楽しいがもうこりごりだ。
・・・・。
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#27★★隠れてないで出てきなさい!

2013-11-14 | おやじ達の青春夏・エピソード

小遣いも無くなって来たので、久しぶりに家に帰って来た。
暑い・・・暑い・・・。
家の手伝いをして小遣いをせびるのだ。
それにしても蒸し暑い。
2日もしない内に海に帰りたくなるがここはガマン、ガマンだ。
久しぶりに会ったサカキバラと銭湯に・・・
日に焼けて黒いのは分かっていたがまさかこれほどに黒いとは思わなかった、
真っ黒だ。他の人がチラチラと見ている。
それもその筈だろう19日間、毎日、
朝から夕方まで海に居るのだから顔から足先まで真っ黒で漁師みたいだ。
サカキバラも来年は髪も伸ばせるので自分も地元の友達ナオエ達と館山に家を借りると張り切っていた。
家に帰って3日目にタカハシから電話が「ミナミハラ?」
「うん、俺」
「さっきさぁ、エジプトから電話があってねェ昨日から友達3人で箱根の保養所に居るんだって、
それでね良かったら泊りに来ないかって誘われてさぁ、
フミオと俺は行くけれどミナミハラはどう行かない?」
「フミオの車で行くけれど向こうは3人だからさ~」
「ミナミハラ、暇だったら行くかと思ってさ~」
「いいね~行きたいけどさ~久しぶりに家に帰って来たばかりだから出ずらいな~」
「明日の何時?」
「お昼頃」
「解った、夜までに電話するよ」
エジプトは、タカハシが海で知り合った子で目が大きく
鼻が高くツタンカーメンのような顔をしているので付いたあだ名だ。
親に聞きにくい。
どうしょう・・・。
そうだ「宿題が溜まっているから明日、タカハシの家で勉強して来ても良い?」
「また出かけるの?」
「少しは家にいれば?」と母親が・・・。
「うん、だって・・・勉強だから・・・」
「ちゃんと勉強するの?」
「大丈夫だよ」
「・・・・・」
「それと小遣いも・・・」
「・・・・・」
翌日、母親に「じゃ~行って来るから」
「もしかしたら泊って来るかも知れない」
「今日、帰って来るんじゃないの?」
「お父さんに怒られてもお母さん知らないからね!」
「解った」
調理場から親父が怖い顔をして
「何処へ行くんだ!」
「勉強しに」
前日に隠して置いた荷物を取り出しフミオと待ち合わせた御徒町へ・・・。
そして経堂の駅前でタカハシを拾い。
真赤なムスタングでいざ箱根、芦ノ湖までドライブ・・・。
保養所はエジプトのお父さんの観光会社の物らしい。
「そう言えば途中で何か食べ物とか飲み物を買って来てって言ってたよ」
「保養所の近くには何も無いんだってさぁ」
箱根に近づくにつれて天気が悪くなって来た。
どうやら雨らしい。
地図で探しながらやっと着いた。
高台にある和風平屋の保養所、家の前には大きな駐車場が大型のバスが止められる位はある。
玄関前に車を止めて、プップゥ~とクラクションを鳴らした。
「中から女の子達が・・・」
「久しぶり~」
「ヤッチン、久しぶりね~」
「元気~」
「真っ黒じゃない、海で軟派ばかりしてるんでしょ~」
「そんな事無いよ」
「ハギヤさんも久しぶりね~」
「お互いに上野近辺なのに会わないわよね」
「ねぇ、入って、入って」
廊下を挟んで右側には障子張りの広い部屋が3っあり左側にガラス戸越しに駐車場が見える
。天気が良いと芦ノ湖が見えるらしい。
奥に入りリビングルームに通された。
「お友達を紹介するね」
「チエちゃんは知ってわよね」
「そしてユキちゃん」
「みんな学校の友達なの」
「よろしく、どうぞ」
「此方こそ」
「ビールとかも買って来たよ」
「今日はお昼頃から雨が降っていてね何も買いにいけなかったので助かったわ」
「チエ、コップ出してくれる」
「あと、これ乗せるお皿もねぇ・・・」
「これで良いの?」
持って来たポータブルプレィヤーでレコードを聴きながら、久しぶりの再会に話が盛り上がった。
外では雨が強くなったらしく屋根に当たる雨音がうるさかった。
柱時計がボ~ンボ~ンと鳴った。
9時だ。
普通だとこの辺で踊りを初めてチークタイムに持ち込むと言うパタ~ンだが、
気取り屋のタカハシとフミオは踊りはやらない。
せっかく三対三なのに・・・
部屋も丁度3つ有るし・・・
と勝手な思いを・・・。
そんな時にチエちゃんが「飲み過ぎちゃったみたいだから先にお部屋に行くわね」
するとエジプトが
「ハギヤさん付いて行って布団ひいてあげて」
うわ~良いタイミング。
となると俺はユキちゃんかぁ・・・。
ユキちゃん私達も部屋に行こうか?
タカハシ君達は真ん中の部屋で寝てね。
とエジプトは言いながら部屋に行ってしまった。
え~~別々に・・・。
その時、ガラス戸にライトが・・・
車のヘッドライトの光が部屋の中を一周した駐車場で車がUターンしたようだ。
すると、いきなりエジプトが慌てて部屋に入って来て
「パパが来た見たい!」
「え~うそ~」
「ホントに~」
「え~どうしょう」全員が慌てた。
「隠れようぜ」とフミオが言った。
そうだ隠れよう。
外は雨なので表に逃げる訳にはいかない。
玄関からは駄目だしそうなると勝手口か窓だけ等と家の中をウロウロと・・・。
「そうだ靴も隠さないと・・・」とタカハシが言った。
3人が一斉に玄関に走った。
外からは車のドァーの閉まる音が・・・バタン、バタンと・・・。
靴を抱えて隠れる所を探した。
俺は勝手口からドァーの外に出たが真っ暗闇の中を雨が強く降っている。
しかた無く軒先で雨をよけながら立ちすくんでいた。
あ~来るんじゃなかったな~家でおとなしくして居れば良かった。
と後悔をした。
雨が跳ねて足がビッショリ冷たい。
どれ位時間が経ったのだろうか?
時間が長く感じる。
タカハシ達どうしたかな?
すると勝手口のドァーが開きエジプトの声
「ヤッチン!パパが中に入りなさいって」
しぶしぶと中に入りお父さんと対面・・・。
「こんばんは、どうもすみません」
「キョウコ、何か拭く物を持って来なさい」
隣には運転手らしき人とタカハシが立っていた。
「三人で来たと言う事はもう一人は何処にいるのかな?」
「分りません」
「二人とも部屋に来なさい!」
「キョウコお前もだ!」
部屋にはユキちゃんとチエちゃんがかしこまって座っていた。
タカハシに小さな声で
「ねぇ、フミオは?」
「わからない」
「別々に逃げたから分からないよ」
運転手らしき人がフミオを探している。
各部屋に行き「隠れていないで出て来なさい」と呼んでいる。
何処にも居ない。
部屋に戻って来て「社長居ませんね」と言いながら
押し入れを開け左右、上下と覗き込んで探し
次は隣の納戸をそ~っと開け「うっ」と言いながら後ずさりを・・・。
驚いたようだ。そこにはフミオが立っていた
犬がチンチンをするように両手を胸元に置き手に靴を片方づつぶら下げていた。
思わず噴き出しそうになったが・・・。
「こんばんは、おじゃましています」あの気どり屋のフミオが・・・。
この姿と“おじゃましています”が可笑しかったが笑う訳にもいかず
隣に座っているタカハシを見ると下を向き肩が小さく震えていた。
声を出して笑いたかったがジィ~と我慢をした。
怒られながらも納戸のフミオの姿が頭から離れず思い出し笑いをこらえる方がつらい。
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#26★★麻雀禁止令が・・・

2013-11-08 | おやじ達の青春夏・エピソード
最近、麻雀に熱中し過ぎて朝から夜まで一日中やっている。
雨の日ならまだしも天気の良い昼間も部屋に閉じこもったままだ。
仲間が少ない時等は麻雀に4人取られると
海岸に出る人が3人なんて事も有ってビーチでの盛り上がりがないし活気だない。
7人と3人で居るのとでは大違いだ。
そんな訳で皆で話会いをする事になった。
まずは何が目的で海に来たのかと質問をした。
麻雀ならばわざわざ館山の海に来なくても出来る。
わざわざ皆でお金を出し合って家を借りたのは
麻雀が目的では無い筈と言う事で麻雀をするのは雨の日だけと、
そして朝はだらだらせずに毎日10時には海岸に出る事と言う決まり事が出来た。
何をするにも一生懸命にと言う訳だ。
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#25★★暗闇の中から呼ぶ声が・・・

2013-11-04 | おやじ達の青春夏・エピソード


イケと知り会ってから3日目の夜。
海岸で友達と3人で居る所を軟派した娘で海岸近くの別荘に泊っているらしい。
別荘には食事等を作る叔母さんや掃除する伯父さん等が居るので自由が利かないのだそうだ。
一緒にいると楽しい朝から夜まで3日も居るのに話が尽きない。
港区の聖心女子学院の3年生。
さすがにお嬢様学校、お淑やかな良い娘だ。
明日、帰ると言うので残るように引き止めたが友達も居るし事だし両親にも叱られるから無理だと言われた。そんな話をしながらゆっくりと話をしようと思い家に連れて来た。
所が左側の部屋には男ばかり4人。
二人は上半身裸で寝ている。
カップル優先の右側の部屋にはドァーの上にマッチが置いて有る、誰か先約が居るらしい。
家に女の子を連れて来て部屋に鍵を掛けるのは不自然なので、
マッチの箱を部屋入り口の上に何気なく置く事で
部屋の中にはカップルが居るので勝手には開けないでと言う合図なのだ。
さて、どうしょう行く所がないこんな時に車が有ると良いのになぁと思った。
ふと思い出した。
そう言えば直ぐ裏に建築中の家があったな~。
屋根と壁だけ出来ていたあの家なら人に邪魔されずにゆっくりと話が出来る。
中に入ると木の良い香りがする
「よそのお家に入っても大丈夫なの?」
「大丈夫だよ!夜だから誰も来ないし・・・」
「暗くて怖い」
「目が慣れればうっすらと見えるから大丈夫だよ」
何処に座ろうかと探していると。
「ミナミハラ!」暗闇の中から囁くような声で俺を呼んでいる。
イケが「キャ~」と悲鳴をあげた。
ゾッゾッゾックと鳥肌が・・・。
空耳かと疑ったが・・・。
「だッ、誰だよ!」
再び暗闇の中から
「俺だよ俺、オダだよ」
「トシオ?」
「うん!」
「何だよ~脅かすなよ!」
「脅かすつもりなんか無いよ」
「なんて声を掛けたら良いのか迷ったけれど言いようが無くてさぁ~」
目を細めて声の方向を見ると二つの人影が並んで腰かけていた。
「イケ!ごめんね~」と・・・。
「そこの声はモッちゃん?」
な~んだイケの友達モッちゃんがトシオと一緒に居たのだ。
考える事は皆同じらしい。
翌日、二人で城山公園を散歩してから皆で駅まで見送りに行き、東京で再開する約束をして別れた。
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