「コロナ直接死亡数」と「陽性者死亡数」

　日本の「新型コロナ感染症での日々死者数」で過去最多が続いたようですが、その統計から考察しようと思います。

日付　　　　；「陽性率」「重症者率」「死亡率」、３項目のピーク日。
陽性率　　　；百万人当りの新規陽性者数の７日移動平均。　（注１
重症者率　　；　　〃　　　入院重症者数の　　〃　　　。　（注２
死亡率　　　；　　〃　　　新規死亡者数の　　〃　　　。　（注３
致死率　　　；「死亡率」÷「陽性率」（％）　　　　　。
重症対死亡比；「死亡率」÷「重症率」（％）　　　　　。

・第５波　Ｒ３年（３項目の最大値がピーク日）

　　日付　　：陽性率：重症者率：死亡率　：致死率　：重症対死亡比
　０８／２５：１９２：１６．０：０．２４：０．１３：　１．５
　０９／０８：　９９：１７．７：０．４８：０．４８：　２．７
　０９／１４：　５５：１６．４：０．５２：０．９５：　３．２

・第６波　Ｒ４年（「陽性率」以外のピークは未達）

　　日付　　：陽性率：重症者率：死亡率　：致死率　：重症対死亡比
　０２／１１：７３６：１０．８：１．１２：０．１５：１０．４
　０２／－－：　－－：　　－－：　　－－：　　－－：　　－－
（０２／１９：６５６：１１．６：１．６３：０．２５：１４．１）

注１）コロナ感染者とは限らない。
注２）当該日にコロナ重症病床に伏している人数（コロナが主因とは限らない）。
注３）死亡者でコロナ陽性が確認された人（コロナが主因とは限らない）。


　第５波では、「陽性率」がピークを示した１４日後に「重症者率」もピークを示し、そこから更に６日後に「死亡率」がピークになりました。その後「ワクチン接種率」が８０％になり、当初の「６０％（後に７０％と訂正）接種で集団免疫が成立する」との目標を達成したのですが、その頃からオミクロン株の流行が始まり現在に至ります。

　第６波では、「陽性率」のピークが２月１１日だとして、第５波と同様だと「重傷者率」は２月２５日に、「死亡率」は３月３日当たりがピークになります。

　「接種による予防効果は６ヶ月程度」と言われていますが、「百万人当りの死亡率（２月２０日）」を見ると、ワクチン接種率が１０％以下の国では「０．０～０．３人」で、韓国は追加接種率が５８．８％でも「０．９人」です。

　更に４回目の接種が始まったイスラエルでは「６．２人」で、最初から「ワクチン接種」が進んでいない方が「死亡率」は小さいようです。

　日本の追加接種率は１４．４％で死亡率が「１．６人」で、追加接種率の増加と共に死亡率も増える傾向があります。但し、「コロナによる直接死亡」は多くても半分程度とされていて、オミクロンが流行り始めてからは更に少ないのではないかとも言われてます。

　過去のブログで書いた「追加接種率が高いほど陽性率は高くなるが、死亡率には有意な差が無い（但し、追加接種１％未満の場合は死亡率は小さい）」ことが示されたのですが、オミクロンは少し違うかも知れません。
　
　第６波での「致死率」は第５波よりも期間全体では低い可能性が有りますが、「重症対死亡比」の大きさが異常です。重症化してない人の死亡数が加算されている可能性が有ります。

　「ワクチン接種は重症化を防ぐ」とする主張を正しいとし、且つ、これと「ワクチン接種は危険だ」との主張をアウフヘーベンすると、「ワクチンを接種すると、重症化の確率は低くなるが、死亡する確率は増加する」との答えを得ることが出来ます。

　これが、暫定的な「科学的推論」です。