「エンベロープ 」と 「侵透工作」

　ここでの定義は「医学的」では無いかも知れませんが、ウイルスが人体に侵入した場合は「進入」と書き、進入したウイルスに対して免疫が作動した時を「感染」と呼びます。更に、ウイルスが宿主の細胞に「侵入」した時は例え無自覚でも「発病」と言い、病院で医者から病名を貰った時に初めて「患者」としまます。

　コロナウイルスの「エンベロープ」は「発病」した宿主の「細胞膜の成分」で造られるので、ウイルスが他の動物が発生源の場合は、人体に「進入」しても「自然免疫」で排除される事から、異種動物間での「発病」は殆どおこりません。

　但し、異種動物由来のウイルスとは言っても、人体に「進入」した量が自然免疫細胞である「ＮＫ細胞（警ら中の警官）」の処理能力を超えた場合は、ウイルスの一部は人体の防御機能を超えて細胞壁に辿り着き、「侵入」に成功して新しい動物の細胞を宿主として増殖を始めます。この時には「攻撃された細胞」から様々な「サイトカイン（非常事態宣言）」と云う信号物質が放出され「発熱・炎症」を起こし、生き残っているＮＫ細胞（刑事）やＴ細胞（防衛隊）を活性化します。

　この時に増殖したウイルスは、新しい宿主の細胞壁成分を「エンベロープ」として利用する為「ナリスマシや背乗り」に成功します。ここからは、他人にも簡単に「浸透」し感染しやすくなります。これは、浸透工作により「デュープス」が大量発生する事に似ています。

　ＮＫ細胞は自然に備わった自分のセンサーを使い、ウイルスなどの異物に対して攻撃する能力を持っているので、人はウイルスの「進入」の初期段階で少し「ゾクゾクッ」と異変に気付きます。この時のウイルスの「エンベロープ」は未だ他人の細胞の成分でできているので異物である事が比較的容易に認識でき、ＮＫ細胞が簡単に見つけ出し破壊します。
　　
　人種の特質の違いが大きければ感染し難く、同人種同士は比較的簡単に感染拡大を起こすと思われ、感染速度に影響するように見えます。誰かが感染したら、その人と「同人種」の人の方が二次感染しやすく、一気に拡大すると思います。

　それは兎も角、自身の体内に抗体（敵・味方の判別）ができても、その抗体は「自分の細胞を成分とするエンベロープ」と、「自分の細胞膜」との区別が難しくなり、ウイルスが「死滅」した後も「抗体のキャリア（キャリア・パヨパヨ）」が自分の細胞を攻撃するかも知れません。

　リンパ液の細胞成分であるリンパ球には、（先天的）自然免疫を司るＮＫ細胞や（後天的）適応免疫であるＴ細胞等があり、Ｔ細胞には、案内役と戦闘員がいて、戦闘員はただ義務を果たしているだけなので許せますが、案内役がバカだととんでもない事が起きます。それでも、このＴ細胞はサイトカインの種類や量によって働いているだけなので、総てＴ細胞の所為にする訳にも出来ません。司令塔が指示を間違うと、軍隊は同士討ちすら始めてしまいます。

　日本の自衛隊は、戦闘行為を禁止されているので、司令塔が愚かでも「正当防衛」しか許されていないので、同士討ちは起き難いと思います。日本人が産生するＴ細胞は、憲法9条に従っているのかも知れません。

　それはさて置き、サイトカインの過剰産生（サイトカインストーム）は危険で、本来はサイトカインは免疫系による感染症への防御反応として産生されますが、それが過剰なレベルに達すると「ヘルパーＴ細胞」が「キラーＴ細胞」の誤誘導を起こし、アレルギー反応の様な気道閉塞や多臓器不全を引き起こします。また、血栓ができて脳障害による突然死も起こるようです。

　過剰な非常事態宣言が「三密自警団」の出現を誘発し、経済停滞による国家破綻を起こす事に似ています。