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「接触率」
3MX3Mの部屋を3X3のマスで仕切りをします。勿論、仕切り越しに対面することは出来ます。
この部屋に9人が入り、真ん中のマスにいる人Pに注目すると、Pは8人と隣接しています。
1マスの長さが1Mなので、Pは隣人4人と+方向に1M、X方向の4人と1.4M離れています。
総隣接距離=1X4+1.4X4=9.6M
入室制限をして5人にするとPはX方向に4人と隣接します。
総隣接距離=1.4X4=5.6M
つまり、小部屋の人数を9人から5人に(-45%)すると、総隣接距離は9.6Mから5.6M(-42%)に減ります。これを、大人数で計算すると、50%の人数制限で50%の「接触率」を減らす事が証明され、80%の外出制限で80%の接触率を減少させる事が出来ると言われる根拠のようです。1Mと1.4Mでの感染確率を同じと仮定すると、密閉空間では人数が減った割合で感染確率も減ります。
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5MX5Mの部屋を5X5のマスで仕切りをしたら、25人が部屋に入り、中央Pと左上隅に居る人とは2.8Mの距離になり、その下の人とは2.2M、その下でPの真横の2人分離れた人とは2Mの距離が有ります。上記の時と同様に計算すると、25人から「48%」減らし13人にすると、総隣接距離は46.6Mから24.8Mへ「47%」減になるのですが、ソーシャルディスタンス(2M)を考えると外周の人は考慮する必要が無く、Pと近接の8人だけを、「正確な計算対象」にすべきである事が判ります。
そこで、「感染リスクは距離の二乗に反比例する」ことを考慮に入れ、P(感染源)との距離「D=0m」では感染確率「K=1」で、「D=2m」では「K=0」とし、人体の大きさを無視し、2M離れるとウイルスは地面に落ちて「飛沫感染」は起きないと仮定します。勿論、地面に落ちたウイルスは足(靴)に付着し、接触感染や空気感染が起こる可能性は有りますが、これも此処では無視します。
K=aDXD+bD+c
を、上記の条件で解くと
a=-1/8、b=-1/4、c=1
となり、解は
K=1-D(D+2)/8
です。
1M離れた人は「K=0.625」、√2M(約1.4M)離れた人は「K=0.4」に成ります。ここで一部屋に9人入っている場合の、Pから2M以内に居る8人について考えると、其々が感染する確率は他人に影響しないので、総感染確率はKの総和になります。つまり、【ΣK】=2の場合は8人の内2人が「確率的に感染」するという意味です。
【ΣK、n=1~8】=0.62X4+0.4X4=4.08
なので、4人が確率的に感染する事になり、その結果Pも含めて、この部屋での「感染者率は約56%」になります。
また、この計算では、時間もクシャミの回数も、換気の状況や諸々の条件が抜け落ちているので、単なる「理論値に過ぎない」事も目を瞑ります。その上で、この場合は一人が4人に感染を広げたので、基本再生産数(basic reproduction number)「R0=4」になります。「R0」は、実態(普通は対策を行う)を示す実効再生産数「R」とは少し違います。
次に、この部屋が5人入った状態では、P(感染源)の廻りには1.4M離れた位置に感染確率が0.4の人が4人いるので、
【ΣK、n=1~4】=0.4X4=1.6
から、密度を「5/9(約46%削減)」にすると、R0は「1.6/4.08(約61%減)」になり、Pも含めて「感染者率は52%」になります。
つまり、感染可能領域に居る人の数が9人の時は「感染者率=56%」で、5人の時は「感染者率=52%」になり、密度を下げても然ほど「感染者率」は変わらず、「感染者数」が密度の割合で減少する事になります。これは当たり前の事で、感染可能な人が半分になれば感染する人も確率的に半分になることは、大学で勉強しなくても高卒資格で、否、私の様に義務教育を受けていれば分かる事です。
ちなみに「集団免疫閾値:HIT(herd immunity threshold)と云う概念が有り、
HIT=1-1/R0
で表され、「集団免疫率」が「HIT」以上になったら新たな動態での感染拡大が起きないと云う数値です。例えば、「R0=4」の場合は75%以上の、「R0=1.6」の時は38%以上の集団免疫が起きる迄は、「動体での感染」は拡大すると云う意味です。
つまり、この理論では、日本での今年の3月以降の感染拡大が小さかったのは、それ以前に「集団免疫」を大きな割合で獲得していたからと云う事になります。
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