オメガねこ

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「再陽性者」 と 「PCR検査」

2020年05月22日 | 科学
 「PCR検査」は、「特徴的な遺伝子配列(断片)」の存在を確認する為に、稀薄な遺伝子サンプルを同定可能なまでにPCRで増幅する手法であり、「ウイルス」そのモノを検出する訳ではありません。つまり、今回の「SARS-CoV-2」の「特徴的な遺伝子配列の一部分」の存在を確認しているだけで、「SARS-CoV-2」である保証をしていません。と言うより、WHOが命名した「SARS-CoV-2」や、起源である「武漢ウイルス」を現在に至るまで完全に確定(同定)した人は居ないと思います。但し、中国国内には最初から知っている人がいるかも知れません。

 例えば、青い目をした人を探し当てても、その人が白人である証拠にはならないし、ましてや美男美女である事が主観に過ぎない事を考慮しても、確定できないのと同じです。この事を前提に、ここでは「PCR検査」のみで感染確認をした場合を考え、「COVID-19」の特徴的な症状で確認をする「CT検査」や、主観・客観による症状などは無視します。

 「SARS-CoV-2(武漢ウイルスとは限らない)」の「PCR検査」での「再陽性者」が確認されています。現在では「再陽性者」の定義や危険性は定かでは無いのですが、日本での一応の目安としては、「PCR検査で陽性が確認されて隔離や入院をし、治癒後に2回の陰性確認後に復帰して、暫く後に、再度陽性確認をされた人」のようです。つまり、当初の陽性確認自体が「偽陽性」だった場合や、治癒後の2回の陰性確認が「偽陰性」だったり、また再陽性確認が「偽陽性」だった場合も考えられます。

 これらは、「PCR検査」が「
感度70%と特異度99%」である有る事から予期される事象です。

感度 :真陽性者を陽性と判断する割合。
特異度:真陰性者を陰性と判断する割合。

 ある人が「真陽性」だった場合には、1回の検査では「偽陰性確率」が30%なので、2回では「0.3X0.3=0.09」で「誤認率=9%」になります。一方、ある人が「真陰性」だった場合、1回の検査では1%が「偽陽性率」なので、2回では「0.01X0.01=0.0001」になり「誤認率=0.01%」になります。ある人が「真陰性か真陽性か不明」の時は「的中率」が用いられますが、「的中率」には「サンプル全体の感染率」が要素に加わり、その「感染率」には「誤認率」も必要になります。また、「再陽性」には、「再感染」と「ステルス性感染」が考えられ、更に抗体ができてもその能力の持続期間も影響します。

 「感度」「特異度」「的中率」「誤認率」は全検体の属性が決まっている時の「PCR検査」の特性であり、計算する場合には「サンプルの感染率」を推定しなければ正しい結果を得ることは出来ません。ところが、国会答弁でもあったように「公的に発表されている”感染者数”は、医療機関が関与し確認した数であり、実際の感染者数は10倍なのか20倍なのかは判らない。」としています。つまり、日本全体の感染率は、20倍の誤差を容認しても計算できないと云う事です。ここで、20倍の誤差を認めて少数点以下を丸めると、感染率が0%でない限り、「1%~20%」と「5%~100%」の間である事は明らかです。つまり、政府自体が「推定感染率が5%の場合は、実感染率は5%~100%の間に有る」と判断した事になります。

 5月22日現在での日本の確認感染者数は16,500人で、退院者数(偽回復も含む)は13,000人です。退院した人は、その時点では「感染していない」と判断された人なので、回復者全体の「感染率」は0%と仮定します。この時は「特異度99%」を利用し、「PCR検査」2回の「偽陽性率=0.01%」である1.3人が治癒段階で「(偽)陽性」と判断され、入院が継続されます。この確率は一万分の1で、しかも本人が我慢すれば済む事なので無視し、陰性判断された人はほゞ確実に「回復者(真陰性)」であると考えられます。

 ところが、実際には「再陽性確認数」が40人程いるそうです。退院時にこの40人が「偽陰性(真陽性)」だったと仮定します。そこで、「誤認率=5.5%」の場合、2回検査では「0.055X0.055≒0.003」になり「13,000人X0.003=39人」になり、実数である40人と近似です。つまり、2回の陰性確認で退院しても、(再)陽性者が40人ならば、「誤認率=5.5%」になります。但し、再感染では無い事が前提で、感度は考慮しません。それは、退院者は感染していない事が前提なので、「真陽性者を対象とする、感度70%」は、実際の感染率が判らないと利用できないからです。

 集合体の属性が不明の時の「誤認率」が判らなければ、正確な判断はできないと言えます。但し、「PCR検査の誤認」ではなく、「ステルス性の再陽性」の場合は、確率計算では算出できません。

 「
PCR検査で再陽性」が確認される場合の要因としては、以下の場合が考えられるそうです。

⑴ 免疫機構が未熟な乳幼児
⑵ がん治療や血液疾患の治療で免疫抑制剤を使用している患者
⑶ 糖尿病、心不全、COPD等の呼吸器疾患などの持病で定時処方を受けている患者
⑷ 透析治療中の患者
⑸ 低栄養の状態にある高齢者



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