経営の神様松下幸之助は、こんな言葉を常々言っていたという。
「人は、松下さんは成功した、けっこうですなと言うてくれる。なぜに成功したんですかとよう尋ねられるけれども、どうして成功したのか、わしにもわからん(笑)。いい部下に恵まれたこと、ひいきにしてくださるお客さまがたくさんできたこと。そういうことやろうな。だから、今日のわしの成功は、部下とお客さまのおかげやな。成功の理由はそれやな。ありがたいことやとしみじみ思う」
そして自分が給料をもらう時も「こんなにいらん。」と言いながら給料袋を両手で大事に受け取ったという。
こんな経営者だから、社員の結束も上がり、モチベーションも上がったのだろう。そこにあるのは感謝のこころである。
経営者が部下に感謝する。
職場で給料をいただいた。しかし、私はとても残念な持ちになった。一日中子どもに寄り添い、5時過ぎまで合奏の練習指導をして職員室へ戻り終業式に配布するプリント類を揃えて、病院へ血圧の薬をもらうために帰ろうとするが、お給料をいただけない。「ねえ、みんな今日給料日だよ。もらったの?」と尋ねると、デスクマットに挟んであるという。みんなそうだと言う。明日は合奏部のクリスマスコンサートで、休日出勤する予定だ。学期末の忙しい時期にくたくたになって特設指導をして職員室へ帰ったらこれか。
「はあ〜?」
給料は口座振込でただの明細書、紙切れだからそれでいいらしい。確かにその通りだがそれは私が知る限りやむを得ない最後の手段。私がこれまでお世話になった上司は、「ご苦労様でした。」と声をかけながら手渡ししてくれた。
今の職場は、すべてにおいてこの調子だ。学校は職員一人一人にモチベーションで成り立っている。公務員なので、定時に帰ることも出来るだけでも誰もそうしない。授業も手を抜こうと思えば、いくらでも手を抜ける。でも誰もそうしない。勤務時間以外の時間を使って授業の準備をしたり、時には自分の身銭を使って子どもたちのための準備をする。
私の上司は、職員への感謝の気持ちはあるのだろうか。
これでモチベーションは上がるのだろうか。
怒りとため息しか出ないまま職場を後にした。
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