最近気になっていることがある。
『自律訓練法』
これは自己催眠をかけて、心をリラックス状態にしたり、不安なことを取り除いたりする方法だ。
私は心理学の資格も一応持っているのでやり方は知っている。
あまり難しいことではないが、少し練習が必要。
自律訓練法はうつ病や双極性障害などの精神疾患の治療にも用いられたりする。
しかしこれには欠点もある。
練習したからといって誰もができるようになるわけではないということだ。
自律訓練法は自己催眠、つまり、自己暗示で自分がリラックスしている状態だと信じ込ませるのだ。
なので、疑り深い人などはこの治療には向かない。
そんな私も、疑り深い人の1人。
『こんなことで病気が治るなら、先生だって薬だっていらないし、なにより世の中に精神疾患の人なんていないはず』
と思っているひねくれ者である。
自律訓練法の効果を充分に発揮できるのは、素直で、言い方は悪いかもしれないが考え方が単純な人。
自律訓練法には向き不向きがあるのはわかった。
ではなぜここまで気にしているのか。
それは私の父親が自律訓練法をマスターしているからだ。
私の父親はアスペルガー症候群である。
それ故にとても素直で考え方が単純なのだ。
父親が自律訓練法をマスターしたのは、会社で新入社員だった頃、仕事のストレスで身体に不調が出たときに本で自律訓練法を見て、試してみたらたちまち体調が良くなった、ということである。
なので父親は私に自律訓練法をものすごく勧めてくる。
これには向き不向きがあると説明しても自分が調子良くなったからと聞き入れない。
挙句の果てにはわざわざインターネットのホームページからやり方の手順書までコピーして私に渡してきた。
これだからアスペルガーは…人の気持ちなどまるで考えてない。
自分が良いと思ったものはとことん押しつけてくる。
自律訓練法。
向いている人にはとても良い療法だと思う。
精神疾患ではない人でも、試しに練習してみたら面白いかもしれない。
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