双極性障害と診断され、薬を飲みながら、毎日死にたい、消えたい気持ちと戦いながら仕事を続けていた。
そんなある日、もうこの仕事を続けていくことは無理だ、このままでは自殺してしまうと思わせる事件が起きた。
ある患者さんを対応しようとしていた。
いつも飲んでいる薬を、次回からジェネリック医薬品に変更したいと言っていた患者さん。
もちろんかごの中にはジェネリック医薬品が入っていた。
『○○さーん、お待たせしました。』
いつものように患者さんを呼ぶ。
早足にカウンターにきた患者さん。
『お待たせしました、今日からジェネリック…』
『そうゆう説明はいいからお会計早くしてくれる!?』
急いでいたのか、患者さんは若干苛立つ様子でお会計を済ませ、薬の袋をつかみ取り薬局を出ていった。
こうゆう患者さんはよくいる。
そんなに珍しいことでもない。
その時はあまり気にしていなかった。
これが人生の分かれ道だとは知らずに、私はその日の業務をこなしていた…
次の日、昨日の患者さんが薬を持って怒鳴り込んできた。
そのとき私は運が良かったというべきなのか、お昼休憩に入っていたため、この出来事を後から聞かされた。
先輩薬剤師が対応してくれた。
『家に帰って薬の箱に入れようとしたら、前にもらったものと違う、どうゆうことだ、説明も何もされていない!』
ジェネリック医薬品とは、成分は同じ薬だが、名前やパッケージが先発のものとは異なるのだ。
説明する先輩薬剤師、すると患者さんは…
『それなら何で昨日言ってくれなかったんだ、昨日の薬剤師はダメだな』
そう言ったそうだ。
この発言に対し、しっかりと教育をしておくのでと謝る先輩薬剤師…
この話を聞いて腸が煮えくり返る思いだった。
話も聞かずに薬を引っ掴んでいったのは患者さん。
いくら新人薬剤師でもジェネリック医薬品に変わったことを説明しないはずがない。
また味方のはずの仲間が、私が悪いことにしてその場をおさめたのだ。
もうここに私の居場所はない。
私がどんなに頑張っても、患者さんの一声で私は悪役になってしまう。
死にたい…消えたい…死にたい…消えたい…
次の日、私は辞表を提出した。
引き止められたが、もうこんな薬局どうなろうと知ったこっちゃない。
こうして地獄の日々を過ごした薬局から開放されたのだ。
これで双極性障害も治る。
このときは単純にこう考えていた。
これが双極性障害に苦しめられる第1日目とは夢にも思っていなかった。
このときは無職でいるわけにはいかないという変なプライドがあった。
私は母校の大学院に進むことになった。
これが、第2の悪夢の始まりだったのだ…
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