ふくらむ期待

　朝9時の面会に行くと、夫は血栓で腫れた右足に着圧ソックスを履き、左足には着圧ソックスの上から、ャ塔v式のプレス器を巻いていた。なぜ、左右で違えるのかと主治医に訊いたら、左足は圧力で血流を上へ押し上げているけれど、右足は血栓が肺のほうへあがらない配慮だという。肺炎の症状は横ばいと、昨日、聞いた憶えはあるけれど、呼吸器の酸素量は今、50％に減らしたし、吸入の具合もいいですよと、医師は語った。

　面会を終えて、すぐ都心に向かった。次々と発注を受ける妹を手助けするつもりだったが、中近東系の銀行へ振込に行くことしかできなかった。三田線で神保町へ行き、新宿線に乗り換えて、九段下で降りた。都内の地下鉄は縦横無尽に走って、凄いが、路線と路線をつなぐ地下道はまるで迷路だ。歩いても、歩いても、出口は遠いし、階段も多い。途中で、自分の背中の左側だけがミシミシと痛み出した。

　即、仕事から解放されて、自宅に戻り、頭からシャワーを浴びて、着替えて、ソファに横たわった。つかのま、深い眠りについたようだ。そこへ、夕方4時の面会を終えた義母と義妹から電話があった。届けたいものがあるという。慌てて、室内を片付けて、招き入れた。義母は息子の具合が一段とよくなったと喜んでいた。私もそう期待している。



今日、義妹からいただいたお菓子
手作りした皿とお香たてと庭の花