今日は駅周辺を歩行中、見知らぬ女性の視線に気づき、ハテ、いつだっけ、どこで出会った人だったかと探り、記憶曖昧なまま微笑んだ。幼稚園の時代だからネ、もう無理よと、その女性は笑って応じた。エッ、どっちの子の幼稚園時代?私は二人の子どもを同じ幼稚園に通わせたが、思い起こす名前は浮かばない。まさか、私の幼稚園時代ではあるまい。
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記憶をたどりつつ、道路をいつ渡ろうかと躊躇している時、私に故意にぶつかる女性がいた。ニコニコ笑う美容院のオーナーだった。かなり前から意思表示はしていたもよう。抱きとめた腕を離し、今日、美容院は休業だねと意味のない確認をしてから、同い年の女性と別れた。夕暮れの空は儚い、ぼんやりした茜色に染まっていた。
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しらす干しと卵黄身入りの七草粥
妹の差し入れは出汁漬けの半熟卵