一年に一回、8月生まれを祝う昼食会を開くことができるのは嬉しい。こうした集まりを一番喜んだのは城野だった。自分の息子や娘や孫たちと一緒に会食できるんですもの。幸せの極致だった気がする。息子や娘たちがそれぞれに伴侶を選び、集う人々が増えていくのはもっと嬉しい。皆で囲む仏蘭西料理のテーブルの上を行き交う贈物にも顔がほころんだ。 雷鳴がとどろき、雨が降り出したのは、ちょうど帰ろうとした時だった。それぞれに違う店で涼をとり、雨が止むのを待った。帰り際、今週金曜に開催する新盆と入仏式に参加する人々のお弁当をなだ万に注文することにした。こうした時、相談相手がいるってことはほんとに力強いものだね。娘と娘の婚約者とあれこれ話し合いながら、当日の配達を依頼することができた。近所の料理屋では、魚市場が休業中なのでと断られていたので、難問解決に安堵。 城野が好きだった孫とのランチ 彼の誕生日祝宴は伊料理店で