ヨーコのきまぐれ日記

ちょいと愉しみ

 藤原伊織の『雪が降る』を読みながら、さまざまな思いが巡った。『雪が降る~♬あなたは来ない~♫』と、アダモが歌うシャンソンを耳にしたとき、歌詞がもたらす凄みに圧唐ウれた。言葉が自然に曲に溶け込み、風のように耳に届く。さらに、藤原氏が短編小説『雪が降る』で引用したのは夭折した若手俳優リバー・フェニックスの映画だった。「旅立ちの時」と「スタンドバイミィ」。一瞬の光を残し、夭折した俳優に想起された夢物語を若者相手に語る・・・・おそらくあり得ない夢のお話。



 今年の秋、雨がしとしと降る横浜日産スタジアムの芝生にグランドピアノが一台置かれ、その前に座り、立ち、寝そべり、ストレッチまでしながら、歌い、話しかける藤井風のコンサートを観た時の衝撃、私は忘れないだろう。私はこのスタジアムをサッカー観戦に幾たびも訪れた。数万の観客が集う観客席は無人だった。そんなスタジアムの真ん中で、藤井風はとんでもなく激しいピアノタッチで鍵盤を叩き、何曲、歌っただろうか?!鍵盤を濡らす雨に、ヤマハスタッフは動じることもなく、藤井風の一人ぼっちコンサートをピアノ一台で支援した。



 今日、友だちからのラインが届き、藤井風がNHKの紅白歌合戦に出演するおおよその時間を知らせてきた。藤井風は岡山県の小さな田舎町出身で、その町からほぼ出ることもなく育った若者である。しかし、今、世界はインターネットを介して一つと感知することができる。つまり、彼には国境も、県境もない、広い宇宙大学の生徒の一人にすぎないという直感・・・それを文字どおり、あの明瞭な英語で表現している。今夜、藤井風は紅白歌合戦に出場し、『キラリ』を歌うそうだ。ちょいと愉しみ。




色とりどりのユリの花
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