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母は昼寝のせいか、時間の感覚がずれていた。そこで、腕時計をチェックしたらと、声をかけたが、母の腕に時計はなかった。母は入浴したさい、自分の腕時計を腕からはずして、入浴室の戸棚に置いて、そのまま、忘れたという。そこで、捜してもらったが、母の時計は見つからなかった。母のサイドテーブルの小さな引出しや化粧メ[チや車椅子のャPットなどはあらかじめ調べたけれど、母が主張する入浴室には見つからず、スゴスゴと母の部屋に戻った。
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新聞を配った担当者が部屋に来て、新聞、読みやすいように、天眼鏡が入った袋をサイドテーブルから、枕元に置いたという。ハッと気づいて、天眼鏡を入れた袋の中を探ると、腕時計があった。すぐに、部屋を出て、時計捜しに協力してくれた介護人たちを捜して、ペコペコ平謝り・・・・時計は枕元で見つかったんだもの。立場ない私。よかったネと、声をかける人々が大勢いて、びっくりしたけれど・・・・・図らずも、漫画のズッコケキャラを演じた昼下がり。
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母の施設へ向かう散歩道と
先がピンクに染まった私が
住むマンション中庭の櫻蕾