午後、家を出ると、雨がパラパラ降り出し、いったん、閉めた玄関ドアを開けて、傘を手に母の見舞いに出かけた。施設の中はいつも温室のように暖かい。そろそろ、半袖の用意をして欲しいと母が言うので、衣類戸棚を整理し、半袖シャツと薄手のカーディガンなどを戸棚の取り出しやすい場所に並べ替えた。それから、施設を出て、妹と私は目黒行のバスに乗り込んだ。 目黒から、田町へ出て、妹はビル裏庭にある芝桜の丘を私に見せたかったようだ。その丘へ向かう前に、妹と私は田町駅前の立ち飲み屋に寄り、喉の渇きをいやし、少々腹ごしらえをした。雨はさらに激しくなり、夕暮れの空は灰色から、重い鉛色へと変貌・・・・都心の丘陵地帯を埋める芝桜を撮るのは難しくなった。毎年、この丘陵地帯は濃いピンクに染まり、木々のあいまを風が通り抜ける楽園と化す・・・ 写真は都心のビル裏庭に育つ 芝桜☆撮影は夕暮れ時と日中