ゴールデンウィークのホテルはインターネットで予約できたし、列車の指定席券もとれた。でも、お宮参りや初節句があるのにどうするの?と友だちに訊かれて、途方に暮れた。なにも考えていない。初節句は要望があれば、鎧兜を飾り、祝膳を用意するつもりでいる。が、お宮参りの風習、昔の私は省略した。出産後1ヶ月目って、私はどうしていたんだろう?と、考えてみたら、私はスクリーン印刷業界誌の英語担当スタッフを担当することになり、きりきり舞いしてたかな・・・?!
私はつわりの経験もなく、臨月まで身軽に活動できた。が、赤ちゃんが生まれたとたんに、いっときの自由もない状態にびっくり仰天。それまで、時折、末スのまれていた出版社に、たとえ、一週間に一回の出席でも、顧問の仕事は無理だと断りに行った。出産を終えたら、補佐役をよろしくと頼まれていたが、実際には不可能だと判断したはずだ。ところが、週に2,3時間ほどの出社でいいのだからと、逆に説得されてしまったのだ。
週に一度出社して、海外からの郵便物をチェック。返信の書面をタイプ打ちする。海外雑誌の原稿を日本語に訳して、業界誌に記載する。この末?ニは自宅で行い、出社する顧問料の他に、末ソがでる。しかし、収入はベビーシッター料と出社日に買い込むおもちゃやお弁当やケーキ代に消えたように思う。それでも、私にはいい体験だった。米国でスクリーン印刷業界の展示があったさいには、アメリカの主要都市を10日間ほどかけて、周遊した。出張という体験で多少、緊張もしたが、観光とは違う醍醐味だった。
さすがに、二人目の赤ちゃんが生まれたときには、業界出版社の顧問の仕事は辞退した。時折、自宅で末キる仕事は引き受けざるをえなかったけれど。次第に育ちゆくこどもたちの相手をするのは大変な仕事だった。絵本を読むのも相手は二人だ。私の本はいつ読めるんだ・・・そんなぐちをこぼすわけにはいかないけれどネ。いつのまにか、読むのは絵本じゃなく、物語になっていた・・・最後に読んだ本は「チョコレート工場の秘密」だ。一章づつ読んでいったけれどね。最近、チョコレート工場はジョニー・デップ主演の映画になっていたのには、驚いた。
そんなわけで、赤ちゃんを育てるのは大変だけれど、それ以上の喜びや興奮がある。なるべく口をださず、望まれる援助だけして、息子夫妻の子育てを応援していこうと思う。「僕が困っていると、僕の親はとんでもなく多大な援助をするんです。そんなもんいらないと拒否したいのに、僕にその力がないのが口惜しくて・・・」と、息子が義理の父親に訴えているのを聞いた時、私は二の句がなかった。私たちよりも、お嫁さんのご両親のほうが、息子には近い存在のようだ。息子の口調をそのまま受け止める義父の柔らかな表情もいい。そうか、これでいいのだ。もう、親が思う以上に、子どもは一歩先んじている。
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母が届けてくれたドイツあやめとクリスマスローズ