mariの自然さんぽ

道ばた・近所の山・公園などの植物、動物を探してふらふらと散歩。

金沢自然公園①

2020-07-30 17:10:54 | 日記
昨日は久しぶりにお散歩友達のYさんと一緒に金沢自然公園に季節の花を見に行ってきました。
天気や平日のせいもあってか人出はまばらでしたが、のんびり歩くことが出来ました。



入り口のすぐ先には公園の自然にまつわる展示や書物も豊富なののはな館。職員の方も知識豊富でとても親切です。



ペンタス(別名クササンタンカ)(リンドウ目アカネ科ペンタス属)


 
オミナエシ(マツムシソウ目スイカズラ科オミナエシ属)
季節のお花もお出迎え。

今日は公園付近のお花を見るつもりで来たので遠出はしなかったのですが、こちら円海山という山の登山口や様々なハイキングコースの出発点にもなっています。
昨年の台風で通行止めのところも多いようですが、ののはな館で教えていただけます。


まず、遊水池の方に行ってみました。
遊水池は人が入れなくなっているため鳥などが運んだ植物がそのまま生えている感じになっています。



○キササゲ(シソ目ノウゼンカズラ科キササゲ属)
中国原産で日本に古く渡来し、日本各地の湿った場所にしばしば野生化しているそうです。
果実を梓実(しじつ)といい薬用にします。マメ科のササゲの豆果を思わせるためこの名に。





立派な葉です。



葉の付け根には蜜腺が見えます。



葉脈の付け根にも蜜腺。

お次もマメに関連した外来種です。
花がマメ科にしては変わった形で、初めて会いました。



○イタチハギ(マメ目マメ科ハリエンジュ属)
北アメリカ原産の落葉低木。日本各地の平地の裸地や山地の裸地、道ばたなどに帰化し、群生することも。
高温乾燥に強く、土壌固定力や窒素固定による肥料木としても有用な為、法面緑化樹として利用されているそうです。
しかし、要注意外来生物に指定されていて問題もあります。



花弁は旗弁があって翼弁と竜骨弁を欠いています。



ツボミは最初は緑色です。


遊水池の中には気になる高木がありました。実をつけています。



○シナサワグルミ(ブナ目クルミ科サワグルミ属)

クルミと名が付きますが食用にはなりません。
中国原産の落葉高木。街路樹や公園樹として植栽もされています。
サワグルミは葉が奇数羽状複葉なのに対して、シナサワグルミは偶数羽状複葉で葉軸には翼があります。
また果実の翼もサワグルミは腎臓形でシナサワグルミは狭楕円形です。





果実を包む小苞の翼は細長いです。

やはり街の中、人の手のあまり入らない場所では外来種も多いですが、鳥などが運んで生き残った植物のありのままの強さも見られる気がしました。




アレチハナガサ

2020-07-28 19:27:18 | 出会った植物
○アレチハナガサ(シソ目クマツヅラ科クマツヅラ属)
Verbena brasiliensis


しばらく前から自宅近辺のバス停などで見かけて、何だろうと思っていた花です。先日横須賀に出掛けた際にちょっとした群落を作っているのを発見しました。
以前からドライフラワーにするスターチスにどこか似ていると思って、スターチスの科を探していたのですがどうも見つかりません。いっその事スターチスに似たような花と検索したらどうだろうと調べてみたら、やはり同じように思っていた方がいたようです。😄
無事アレチハナガサの名前にたどり着くことができました。
ちなみにスターチス(別名:ハナハマサジ、リモニウム)はイソマツ目ナデシコ目イソマツ科イソマツ属なので目から異なる植物でした、、、(ごめんなさい。ナデシコ目に修正しました。)
でも似てる。



南アメリカ原産で現在は関東地方以西の道ばたなどで良く見られます。



背丈は2メートルになるものもあるそうです。



花は可愛いですね。スターチスの筒状の花とは異なり、5裂しています。



葉に柄はほとんどありません。この葉の付け根の部分は普通に細くなり茎についていますが、茎を抱くような形になっているものはダキバアレチハナガサという別の種類になります。



そのほかにも似た花に葉がアレチハナガサより細めでヤナギに似ているヤナギハナガサ、花茎の部分が通常分岐しないシュッコンバーベナ、葉の付け根部分がアレチハナガサよりくさび形に細まって茎に対生してつくハマクマツヅラなどがあります。。

同じように見えても色々あるものです。きっとポーッとして気がついていないだけでもう見ているかもしれないですね💦



観音崎

2020-07-26 22:51:31 | 日記
今日は梅雨の晴れ間をぬって観音崎の方まで足を延ばしてきました。
途中空の色が急に変わり、雷鳴が聞こえてきてヒヤヒヤしましたが、観音崎はかろうじて雨雲の下にはならなかったようで、濡れずにすみました。
連休最後のお天気とあって海岸はBBQを楽しむ人で賑わっていましたが、林の方は静か。

まずはシダ達が出迎えてくれました。





○ミゾシダ(ヒメシダ科)だと思われます。
シダ類はあまり詳しくはないので間違っていたらごめんなさい。



○ミツデウラボシ(ウラボシ科)
ミツデウラボシは名前の通り、葉が3つに分かれるのでつけられた名前らしいのですが、実際は3つに裂けないこの写真のようなものから5裂するものまで様々なものがあるそう。



○コモチシダ(シシガシラ科)



これも名前の通りですね。😄



ちょっと怖いかな。



○キケマン(キンポウゲ目ケシ科キケマン属)
もう終わりかけですが、随分頑張って咲いてくれているようです。





○クサノオウ(キンポウゲ目ケシ科クサノオウ属)
こちらも本来なら
3〜5月くらいが花期らしいのですが、今年は遅いのかしら。





○ムラサキニガナ(キク目キク科ムラサキニガナ属)
よく見るとピンクの(ムラサキニガナですが、、、)綺麗なお花です。背がとても高くなる印象で、180センチくらいになるものもあるそうです。


そして、、、今回一番の対面がこちら!





ギボウシ?と思ったらオオバコでした!
私はこんなに大きなオオバコは初めてだったので、家に帰り早速調べてみたところ
トウオオバコ(シソ目オオバコ科オオバコ属)というオオバコらしいのです。
海の近くの湿った草地に生える多年草らしいのですが、まだまだびっくりする出会いはあるのですね。

そして、本当に終わりかけだったのですが、二本だけタシロランが咲いていてくれました!😆



○タシロラン(クサスギカズラ目ラン科トラキチラン属)準絶滅危惧種
菌類(ヒトヨタケ科?)と共生する一年草の腐生植物で、光合成はせず、暗く湿気のある林床に育成します。







少し遠くで咲いていたのでうまく撮れなかったのですが、背の高い方のタシロランは下の方では結実しているようでした。種子は非常に小さく軽くて風で飛ばされやすいようです。

来年もまた沢山のタシロランが育つと良いです。

ホタルカズラ

2020-07-24 13:45:56 | 出会った植物
○ホタルカズラ(ムラサキ目ムラサキ科ホタルカズラ属)
Aegonychon zollingeri

ホタルカズラは私が近所の植物を調べ始めたきっかけの植物で、大好きなお花の1つです。
通っているお稽古教室でとても良くしてくださる先輩が私が植物を好きだと話をすると、「このお花知ってらっしゃる?」と紹介してくださったのがホタルカズラでした。
「うちの近くに咲いているの。近くの山にも咲いているのよ。」
私はこんなに綺麗な色のお花が野生でしかも歩いて行けるところに咲いているんだ。と衝撃を受けました。


神奈川県ではまだ見られるようですが、県によってはレッドリストの指定を受けているところもあります。
かつてはムラサキ属でしたがホタルカズラ属に。



雌蕊、雄蕊は花の奥に隠れているらしいです。チョウなどが受粉を助けるのでしょうか。



和名は草むらの中に点々とつける花の色をホタルの光に例えたことに由来。残念ながらここは花の数が少なめでした。



葉はしっかりとした感じで粗い毛が全体的にあります。色は濃緑色で綺麗です。



また春に綺麗な青いお花と会えると良いな💕




参考文献  大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司編(2016)改訂新版 日本の野生植物 平凡社

ヤセウツボ

2020-07-23 12:00:42 | 出会った植物
○ヤセウツボ(シソ目ハマウツボ科ハマウツボ属)
Orobanche minor Sm.ver.minor

ヨーロッパ・アフリカ北部原産の帰化植物。日本でも、本州全域と四国地方に帰化しているらしいです。



私が初めてヤセウツボを見たのは横須賀の公園の中でした。
山頂の公園だったので上まで登り、ベンチで一息ついてちょっと周りの植物を見ながら、四つ葉のクローバーでもないかしらとふらふらと歩いていると、「んっ!何か変な花がある。」
色が緑色でないところから何かの寄生植物らしくはあります。近くでは同じ植物が数本。
お花はシソ科に似ています。周りにはオオジシバリらしい植物があります。
帰って辞典で捜索、、、



結果はこのヤセウツボでした。

ハマウツボ属は多年草に寄生する植物で、ヤセウツボはマメ科のシロツメグサ属に寄生しますが、キク科やセリ科のものにも寄生するらしいのです。ここではオオジシバリだったのかな。



お花もよく見ると綺麗。





ハマウツボ属には他にも、
絶滅危惧Ⅱ類に指定されているハマウツボ(こちらは神奈川県では絶滅してしまったらしいです。😣いつか見たい。)小笠原に分布し絶滅危惧ⅠA類のシマウツボがあります。

以前、小笠原に旅行に行った際にシマウツボを見せていただくことができたのですが、時期がまだちょっと早かったです。



これでは全体が分かりませんね。
興味がある方はぜひ調べてみてください。黄金色の綺麗な不思議な植物です。


参考文献  大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司編(2016)改訂新版 日本の野生植物 平凡社