ヨロコ燈

心に小さくともすもの。

カメラ・オブスクラの中へ。

2025年01月28日 | 日記
作品制作を想定した撮影行から遠ざかってしまって久しい。

自分が昔撮った写真を見ていて、これは、先ず肉眼でどのように見えていたのか、何故それを撮ろうと思ったのか、どのように写そうと思ったのか、レンズ(画角)、絞り(深度)等をどう考えたのか、印画紙に焼く際、引き伸ばしレンズはどれを選んだのか、フィルターワーク(号数)はどう考えたのか、ドッジングやバーニングの際何に重きを置いたのか、実際想定の結果になったのか…自分のした事でありながら、色々な事が今更ながら気になってしまう。

ファインダーを覗くという行為は、カメラ・オブスクラの中へ入り込んで、投影されている事物を視るという事だ。それは、ただ突っ立って裸眼で眺めているのとは明らかに違う。本当に、違う世界に入り込んでしまうものなのだ。

裸眼で見ていて、これは良いぞ!と思いつつカメラ・オブスクラの中に飛び込んでみたら、全然パッとしなかった、という事は割とある。一応撮ってはおくが、やはりどうにもならなかったりする。

逆に、何てことない風物なのに、カメラ・オブスクラの中から窺うと、とんでもない事になっている、なんて事もある。それが写真撮影の醍醐味で、その嗅覚を如何に養うか、なのだ。以前は、ただ道を歩くだけでも、あちこちを見回しながら、あれをこう撮って、こういう仕上がりにする、なんて事を一々考えた物だった。撮る為に考え、考える為に歩き、歩く為に撮る。

また何かやりたいな。