ゆうむつ船長の航海日記

宮古島の離島、伊良部島で話題の青の洞窟ツアーや地元での釣りのことなど、海に関する情報発信。島を満喫する方法など。

海の危険~ボート錨泊編~

2015-11-23 | 伊良部島観光ガイドゆうむつ
はいさ~い♪*\(^o^)/*


もうすぐ11月だというのに、日中の気温は27℃超えの暑い暑い伊良部島よりこんにちは~(^o^)/




どうも僕です。





おかげさまで、オフシーズンの連休も忙しくさせて頂いてます!(≧∇≦)








いつもありがとうございます!(^^)


冬の気圧配置に向け、このシーズンは天候や風向きがコロコロと変わりやすいものです。

そんな時に海遊びをするにあたり注意すべき点は、急な風の変化や波の変化に対応し、安全なポイント選びが重要になってきますが、今回は僕とスタッフの勉強と安全管理も兼ねて、ボートを使った浅瀬でのアンカリング(錨泊)についてご紹介したいと思います。


サンゴ保全の観点から、ポイントでのアンカリングは、予め海底に設置固定してある水中のブイに船首側からロープを通して行います。
(※場合によっては船尾から)




風に流され、ボートがしっかりと固定されたことが確認出来たら、更にもうひとつ、次はボート用のアンカーです。

実際に潜り、アンカーを海底の丈夫な岩にひっかけて固定します。

劣化などにより、万が一、水中のブイが切れた場合でも、2本のアンカリングにより、ボートの漂流を未然に防ぐことができ、そこで初めて、エンジンをオフにすることができます。

それではもし、2本目のアンカーロープが切れてしまったり、ひっかけたアンカーが外れてしまったらどうでしょうか?

2本もロープが切れるわけですから、ここでは急激に天候や海況が悪化したことが考えられます。
通常だと急変する前にポイントを変えるなり、帰港するなりの対応が適切ですが、旧暦の2月頃に吹く季節風(ニンガチカジマーイ)など、予期せぬ事態になることも考えられますので、その時の対処法として示しておきます。

大事なことですのでもう1度。
海では天候や海況が悪い方向へ変化する前に、ポイントの変更や帰港をすること。



このような状況ではどうでしょうか?



風は船首方向から吹き、船尾には浅瀬の岩礁があります。

万が一、アンカーロープが2本とも切れてしまった場合、ボートは岩礁に向かって流され、いっきに座礁してしまいますので、早急にボートのエンジンをかけ、ボートの漂流を防がなければなりません。

だから、例えしっかりとアンカリングをしたボートでも、船長はボートに残り、万が一の危機に備える必要があるのです。

陸から遠く離れたポイントへお客様を案内している時は尚更です。

万が一、沖合でボートが漂流し、遠いところへ行ってしまったら、そう考えるだけでも恐ろしことです。

出港してから入港まで、船長はボートから離れないこと。



状況を戻します。

風はアンカリングしている船首方向から吹き、船尾には浅瀬の岩礁があります。
万が一、2本のアンカーロープが切れてしまったら。。

ここにはいくつかの危険が潜んでいます。

考えられるひとつめの危険は、
①ボートが始動し、前進した時に切れたアンカーロープがプロペラにからまり、エンジンが止まる可能性です。

対処法としてはとても単純で、切れたアンカーロープを回収してから前進すれば良いのですが、事態は緊急です。
冷静さを保てず、目に見えない海中にロープがあることを忘れ、慌てて前進した結果、ロープをプロペラに巻き付けてしまう事故は少なくありません。
だから目に見えないエリアの危険回避を事前にイメージする必要があるのです。

次に2つめの危険についてです。
②エンジンが始動しない可能性です。

出港時スムーズに始動したからって、必ずしも毎回エンジンがいつも通り始動するとは限りません。
車だって、たまには調子の悪い時だってあります。
だから普段からのメンテナンスは重要なのです。

しかし起こってしまった事態を今更なげいても仕方ありませんので、冷静に対処していきましょう。

この状況での対処法は、残念ながら最後の手段です。
これでダメなら、ある程度のボートの破損や、最悪の場合、転覆や大破での使用不能も覚悟しなくてはなりません。
最終手段は、もう1本アンカーを用意して、もう1度海底の岩に固定することです。




もはやギャンブルですね。
もしもラストのアンカーが無事に海底の岩にかからなければ、遭難の危険性さえあるのですから。

それではどうしたら良いのか。




※状況によってはエンジンを切らないことです。

エンジンさえ動いていたら、ある程度の事態は回避できるのです。
ボートは車と違い、燃費が非常に悪いので、なんだか勿体無い気がして、錨泊中はエンジンを止めたくなってしまうものですが、エリアの状況によっては、エンジンを止めないことが事故の未然防止に繋がることがあるのです。

考えられる3つめの危険について。
③海中にいた人間が、急変した海況に気付き、ボートに向かって近付いている可能性です。

アンカーロープの回収以外にも、ボートの周辺に誰がが近付いていることも考えられますので、ボートを前進する時には、まわりの状況にも目を配ること。




海の中では音が伝わりやすいので、エンジン音は気付きますが、ボートがどの方向に動いているのかの判断はなかなか難しいものです。
ベルを使ったり、大声を張り上げたり、可能ならば金属音を鳴らすなどして、海中にボートの位置や動きを示すことも必要だと考えられます。


その他にも予測できる危険は沢山あり、状況に応じた対処法も様々ですので、ある程度の危険予測と、万が一に備えた対処法は常にイメージすること。

海には楽しいことが沢山あります。









でも常に危険と隣合わせであることを意識して、安全ラインの1歩も2歩も手前で対応できるよう、考えて行動すること。


緊張感と冷静さを保って、安全を最優先に、楽しくいきましょう!o(^▽^)o



それでは!


伊良部島観光ガイドゆうむつ
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