歩くか、ママチャリの人

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移動祝祭商店街 東京芸術祭2021

2021-10-13 14:58:13 | 日記
豊島区東池袋中央公園で開催された、『移動祝祭商店街』。東京芸術祭のうちのひとつ。セノ派という舞台芸術家のかたがたのイベント開催だった

当初、移動とつくので、当日リュック背負って、実際に豊島区内の商店街を歩いて移動しながらのイベントかと思いきや、そうではない

イベント開催までに、主催者のセノ派のかたがたが「既に移動済み」だった

苦手なネット予約しかも最後のひとりだった。夜中目が覚め慌てて寝ながら予約ボタンを押した

当日、公園の中の軽トラの前に集合。その軽トラの外装は、染付の藍色を思わせる。透明感は別だがパッと見た目が、染付だ
豊島区内で印象に残るものを表現されている。軽トラの本体だけ見ると、陶磁器にも見える。本体だが、豊田からの軽だそうだ

トラは、トラとここではいう

装飾協力は、芸術文化観光専門職大学学生さんだそう


なにがどうなのか

発想が変わっている。当初はワークショップを主体にした、作品をという事だったそう。緊急事態宣言で、方向性が変わったようだが
出発点としての発想が、興味深い

セノ派のかたが、①豊島区内の4つのゾーンを決め、そのゾーンに実際にクルマで行く。②現地のまちの人にまちの様子を聞き、③聞いた内容を元に、写真を撮ったり、スケッチ、資料などでイメージ化する

東池袋中央公園では、駒込、池袋本町、南長崎/東長崎、大塚などの、
ゾーニングされた場所を表現

今回は、駒込がディープなまちだよねという事で、随所に駒込を映し出していた

今回、駒込は、染井と呼ぶ

駒込の桜。染井よしの桜の里公園
色々な種類の桜がある。ソメイヨシノ、河津桜、鬱金桜、大島桜、エドヒガンザクラ、、、

接木した桜の苗木も、この公園の一角で育てられている。地元の別名染井よしの町会のかたがたによって、大事に育てられている
公園を囲む花壇も、いつも手入れされているようで通る人の目を楽しませてくれる

町内のかたがたが、チカラを入れている風に見受ける

今回、目立って表現されたのが、桜の木の根が、畳のディスタンスを必要としており、その広さを白色で大胆に、地面を覆ったモノだった
最初見たときは何だか分からず、ナニカの強烈なデザインと思った)

伊藤伊兵衛による、植樹。西福寺さん(駒込6丁目)、江戸明治にかけ盛んだった、駒込の染井通りにあった植木屋さん(園芸センター)で賑わいを見せた当時の様子など

染井よしのの郷という、絵図
(西福寺さんの先先代の住職がまとめた絵図)または、
 
「武江染井飜紅霧島之図」


という図。豊島区郷土資料館所蔵とされる絵図。細かく描かれているが、

公園の光景の中で随所、その光景を細かく見る事が出来た

飛鳥山と筑波山と染井の里も、確かに木枠から覗くと
なるほどなるほど、山がある


確かに山かも、です


例えば、木の額縁のようなモノが、点在しており(地図を元に探す)そのちいさな木枠の中の公園の景色を覗く
覗いた中の景色が、以前の駒込の景色。まちの人の話を聞いた感じだと、この公園では、この辺りをとして切り取りこんな感じなんでしょうねといった具合に

まちのかたがたから聴いた話を元に、セノ派のかたが「想像」

参加者に「想像する事に」参加してもらう

景を眺めて「想像してもらう」


大塚なら、薔薇で有名だ。都電荒川線が走る両サイドには、薔薇が地域や人々に溶け込むように。人々を和ませるその薔薇は、噴水の背後にあった
また、景トラの運転席に、ラジオが流れていた

池袋本町の場合、線路と道路に囲まれた場所(隣接地区は、板橋区大山、北区滝野川、)で鳥かごのようとの事から、シルバーの風船で表現してあった

四角くくり抜かれた白い箱も、何箇所かにある。中が見える。これは、南長崎、東長崎をイメージしている
そう

このエリアは駅周辺に商店街が複数存在している。西武池袋線東長崎駅付近では、長崎銀座さん、光和さん、トキワ荘商店街さん。東長崎駅向こう側に、長崎十字会さん。椎名町駅方向にもまだまだある
それぞれが商店街から商店街へつないでおり、ひとつの商店街の規模はちいさめながら家庭的な雰囲気を感じさせる

その中に、漫画の歴史を感じさせる書籍だったり、なぜここに入っているかを考えるような仕組みになっている

街灯も、同区内にかなりの種類があるそう。またこれも商店街のイメージを表す大事なモノとの話

帰り道。足元を街灯に照らされながら暗い道を歩いた記憶。当方の場合、染井銀座商店街さんだが
(ここも、繋がっているといえば駒込駅付近でアザレア通り商店街さん、田端銀座さん。こちら側で、霜降銀座さん、染井銀座さん、西ヶ原銀座さん)

コートを着る寒さながら、足元は暖かく感じた
その地域性は表れているかもしれない。自分の居住地は街灯少なく、余計に暖かみを増したやもしれない

今回で3回目の開催となった。第三者が完成させた表現を芸術的に見るというより、
現在在るモノをベースに、その全体から部分的に切り取って世界観を作り上げてゆく

若しくは、

ハメる、といったところだろうか


そう、


参加者に想像妄想してもらったモノが
参加者の中で新たに生まれる芸術なのかもしれない

主催者のかたもそうだが、現地へ出向き、聞いた内容からまず想像、現地のかたも想像、想像したものから見えてくるモノを表現

舞台芸術家が、見えたモノ

一時的な架空の場所

東池袋中央公園から切り取られた景、景から見えてくるモノ

いつもずっとあるわけではない

それは、個人個人の今までの経験や知識から、無形の芸術作品を沢山作り出しているに違いない

サンシャイン60の隣にある、東池袋中央公園。比較的若い世代や家族連れが集まる賑やかな商業施設の隣で開催だった事は

昔に遡ったところから得るべきモノを、現代版に置き換えた事で、
残しておきたい、後世に伝えたい内容とは一体何なのか


それは、


読めば分かる、記録に残る文字ではなかった

各々の想像性を駆使し、または感性だったり。今日までまちをつくってきた昔に想いを馳せながら
その人の持つ引き出しに静かに残り、再現される

先人が作りあげてきた文化歴史や
または、日本では
まちの中に存在する商店街

暮らしに溶け込んでいる商店街

舞台芸術家でなければ見えない視点



抽象や具象とは関係ない部分で

失いつつも忘れつつもある要素を

舞台芸術家というかたの眼で見えてきた対象を、拝借し

個々が気づき、浮き彫りにさせる

人間の、個人個人のより深い部分で描く必要があるように思えた



※今回は、先に移動祝祭商店街の事を書きました


歩く(歩いた)人


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