シリーズ二冊目。
今回は、お草さんの店「小蔵屋」の近くにできた和雑貨の店、「つづら」
これがまた嫌ーーなお店で、これ見よがしの嫌がらせや商売の邪魔をしてくるのだが、
これやらあれやらいろいろ繋がって6話がひとつのストーリーになっているという訳。
これ、あれ、いろいろ、って訳わからん(笑)
偏見の何物でもないが、「小蔵屋」って響きは品がよく綺麗な商いをしてる印象、
逆に「つづら」、これは、童話「舌切りスズメ」にでてきた強欲ばあさんを思い出させる。
重ねて、これはやっぱり偏見。
あれこれ繋がった先には、お草さんの過去、
再婚話のお相手まで登場するのだが、
今回も少し、どころかかなりビターなお話になっている。
ほんわかしたコージーミステリ、ではまったくない。
最後の方で
~長い歳月の中で、記憶は形を変えてしまう。ある感情は膨らみすぎ、
またある感情は疑われる。あるいは、なかったことにさえなるかもしれない。~
という記述がある。
ほんとに、記憶って手に負えない暴れん坊(笑)
お話の中心人物である、田沼さんと藤原じいさん、これがいわくつきの親子だった!
これにはびっくりだが・・・刃物沙汰もびっくり・・・。
親子の感情の軋轢、行き違い、と言ってしまえば一行で終ってしまうが
人の思いというのは、ごたごちゃ絡まって一筋縄ではいかないもの、
がんばるほどシンプルに扱えない厄介なもの、
けれど、どうしても切れない愛おしいもの、
著者の、一件落着&ハッピーエンドにしてしまわない中にも
ふうわり優しさが感じられる。
シリーズの続きが楽しみである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます