千葉市公共交通利用促進条例について提案理由の説明を行います。
本条例は、市、市民、事業者及び公共交通事業者の責務を明らかにし、公共交通の維持、充実、利用の促進に関する施策の基本となる事項を定め、公共交通の維持、充実、利用の促進を図るための施策を計画的に推進することにより、市民が公共交通により円滑に移動することが可能な地域社会の実現を目的とするものです。
本市では、ガソリン価格の高騰や、バス運転手などにおける拘束時間の改正により、さらなる運転手不足の問題も重なる中で、不採算路線の維持が困難との経営判断から、本市では今年だけで4本のバス路線が廃止されました。また、緑区を中心に運行するバス事業者においては、100本以上の減便が実施されており、市民生活に深刻な影響を与えています。バス路線が減便された地域住民からは、「移動手段が奪われ、公民館での活動を辞めた」、あるいは「通院にタクシーで行くことは困難なため、訪問看護に切り替えた」などの声があり、とりわけ高齢者や障害者など、他の交通手段を持たない交通弱者に多大な影響を与えています。
また、高齢者などの外出機会を減らすことは、地域経済や健康増進の面でも、大きな影響が及ぶことから、国や本市からの公共交通の維持、充実に対する財政支援の拡充は必要不可欠であります。本市においては、現在10社の民間バス事業者によって地域公共交通が担われていますが、バス路線を維持するために赤字補填をする補助金制度などはありません。
バス路線を維持していくためには、民間事業者に任せるだけではなく、より市と事業者が緊密に連携することが重要であり、そのためには、実効性ある事業者支援策も求められております。同時に、地域公共交通を維持していくためには、より多くの市民にバス等に乗車してもらうという取組みも求められます。20政令市中14市が、敬老乗車パスを導入しており、高齢者を中心に利用促進策を図っています。しかしながら、本市では敬老乗車券事業を廃止して以降、実効性ある利用促進策がありません。
先輩、同僚議員へ申し上げます。これ以上のバス路線の廃止や減便をくい止めなければ、地域は衰退する一方です。新たに公共交通維持の財政支援や運転手確保支援、公共交通の利用促進策を進め、高齢者をはじめとして市民の移動の権利を守れる千葉市をつくるために、力を合わせようではありませんか。今、本市に必要である千葉市公共交通利用促進条例に賛同をしていただくことを心よりお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。
条例提案については、12月5日の都市建設委員会で審議されます。